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研究成果の実用化に向けて ~Waseda PoC Fund 2024年度は過去最多の応募数から7課題を選定~

著者: contributor
2024年7月3日 14:10

タイプS採択者(左から清野准教授、紫藤博士1年、合田教授、小野口次席研究員※矢内教授はオンライン参加)

タイプA採択者(左から堀尾修士1年、寺原次席研究員、バイラムオメル学部4年)

2024年度 新規研究課題7件を採択

早稲田大学アントレプレナーシップセンターでは、早稲田大学から生まれた研究成果の早期実用化をめざし、研究開発型スタートアップの創出を加速化するための様々な取り組みを行っています。

2020年から始まった『早稲田PoC Fund Program』は、早稲田大学の研究成果をもとにしたビジネスアイデアを、PoC(プルーフ・オブ・コンセプト)と呼ばれるビジネス仮説検証を行うことによってビジネスモデルを確立させ、スタートアップ創出を支援するプログラムです。今年度はついに5年目を迎え、4月に締め切った公募ではこれまでで最多の応募がありました。早稲田大学の研究成果を研究室に留まらせることなく、社会実装し世界にダイレクトに貢献することをめざす研究者が増えてきたと言えます。

この多数の応募のなかから、厳正な書類・面接審査を経て2024年度の研究課題7件を決定しました。採択された研究課題は、仮説検証を行うための研究開発費と、ビジネスの専門家による伴走支援、そして起業活動に役立つ様々なWSの受講機会など、手厚いサポートが提供され、事業化をめざしていきます。

  • 2024年度 採択課題
研究代表者 所属 研究課題名
(タイプS)
合田 亘人 教授  先進理工学部 生命医科学科 2型糖尿病の根治を目指した膵細胞増殖活性化剤の開発
矢内 利政 教授 スポーツ科学部 投手の寿命を延ばす肩肘運動解析ドックの開発
清野 淳司 准教授(任期付) 先進理工学研究科 化学・生命化学専攻 抗がん活性予測AIシステムの開発と検証
小野口 真広 次席研究員 理工学術院総合研究所 新規RNA-タンパク質複合体解析技術の開発と創薬スクリーニングへの応用
紫藤 寛生 博士1年 創造理工学研究科 総合機械工学専攻 鑑賞者が表現者になる新感覚インタラクティブ・ロボット・アートの事業化
(タイプA)    
寺原 拓哉 次席研究員 理工学術院総合研究所 コンピューターシミュレーションを用いた美しく、機能性の高い製品デザインの提案
堀尾 優子 修士2年 人間科学研究科 バイオレメディエーションによる放射性セシウム回収・減容化システムの開発

(事業期間:2024年度末まで)

 

「研究者から起業家への飛躍」に向けたキックオフミーティング

講師の髙山氏

意見交換の様子

それぞれのPoC活動の開始に先立ち、東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(東大IPC)より髙山幸次郎氏を講師に迎え、アカデミア発の起業において何に留意する必要があるか、事業化の「はじめの一歩」において特に重要となる論点は何かについて学びました。

各参加者の現在のビジネスアイデアにおいて想定されている「顧客」は何か、その「顧客」のどのような課題を解決しようとしているのか、なぜその課題が大きいのか等についてワークを通じて確認し、7月以降メンターとのやりとりを通じて本格化する活動の事前準備を行うことができました。ミーティング終了後にはアントレプレナーシップセンターの施設を見て回り、起業のイメージを深めた参加者もおられました。

3月に予定されているDemo Dayまでに、それぞれの研究がどのようなビジネスアイデアに変化しているのか、期待が高まります。

 

これまでに7件のスタートアップを創出

早稲田 PoC Fundは、これまでの4年間でタイプAを4件、タイプSを18件採択。 教員・研究員・大学院生を代表とする研究チームが、それぞれの研究課題にビジネスの創出プロフェッショナルの方々からの支援(ハンズオン的支援)を受けながら、試作品の研究開発や市場・インタビュー調査などを実施し、研究シーズを活用したビジネスアイデアのブラッシュアップに取組んできました。

その結果、これまでに7社が起業を果たし、うち、2社は早稲田大学のベンチャーキャピタルである、早稲田大学ベンチャーズから資金調達を行うなど、『早稲田PoC Fund Program』から着実な研究開発型スタートアップが生みだされています。

  • これまでに早稲田PoC Fund Programから生まれた企業
研究代表者 法人名
三宅丈雄 教授(情報生産システム研究科) ハインツテック株式会社
中尾洋一 教授(先進理工学部 化学・生命化学科 ) Ussio Lab.(株)
大橋啓之 客員上級研究員(ナノ・ライフ創新研究機構) 株式会社こころみ
青木隆朗 教授(理工学術院・応用物理学科) 株式会社Nanofiber Quantum Technologies
 陽 品駒 次席研究員(次世代ロボット研究機構) 株式会社HatsuMuv 
伊藤 悦朗 教授(教育・総合科学学術院) 株式会社 BioPhenoMA
原 太一 教授(人間科学学術院) Wellness AP Science 株式会社

早稲田大学は、これからも早稲田大学発の研究成果を安心・安全・便利な世界の実現に貢献するビジネスアイデアにし、新たなイノベーションの創出をめざしてしてまいります。『早稲田PoC Fund Program』の取り組みに、どうぞご期待ください。

 

研究室から生まれた成果が事業化されるまでのストーリーを語るMovie

大学の研究室から生まれた研究成果が、PoCファンドによる支援を経て、起業を果たした事業化までのストーリーを研究者が語る人気の動画コンテンツが好評公開中です。ぜひご覧ください。

The Challenges of Waseda’s startups #8 戸川望教授 株式会社Quanmatic

The Challenges of Waseda’s startups #9 伊藤悦郎教授 株式会社BioPhenoMA

 

早稲田PoCファンドプログラムとは?

2020年からアントレプレナーシップセンターが実施している、ギャップファンドプログラム。研究成果をもとにしたベンチャー企業を創出するために必要なビジネスアイデアの仮説検証(プルーフ・オブ・コンセプト)を行うための開発資金(ギャップファンド)の提供と専門家による伴走支援体制を構築。起業を通じた研究成果による社会貢献の実現を目的としています。提携ベンチャーキャピタルからの寄付を財源とするタイプAおよびB、JST  START 大学・エコシステム推進型 大学推進型を財源とするタイプSの3つのタイプがある。

 

本件に関するお問合せ

早稲田大学リサーチイノベーションセンター
アントレプレナーシップセンター 早稲田PoC Fund Program事務局 (担当:喜久里、酒匂、武藤)

おもしろ科学実験教室 in シンガポール を4年ぶりに開催しました

著者: staff
2023年12月7日 14:54

2023年8月25日(金)、26日(土)の2日間にわたり、シンガポールに所在する早稲田大学系属・早稲田渋谷シンガポール校を会場として「おもしろ科学実験教室 in シンガポール」を開催しました。今回、シンガポール日本人学校中学部の生徒やシンガポール教育省語学センター(MOELC:Ministry of Education Language Centre)に通う中高生、早稲田渋谷シンガポール校の生徒を対象に実施し、総計約110名の生徒が参加しました。本企画は2019年に一度開催した後、新型コロナウイルス感染症による影響で開催できておらず、実に4年ぶりの実施となりました。
今回の目的は科学に興味をもってもらうことのほか、シンガポール日本人学校中学部の生徒に対して早稲田渋谷シンガポール校を知ってもらうこと、MOELCの生徒に対して早稲田大学を知ってもらい将来的に日本へ来るきっかけを作ること、早稲田渋谷シンガポール校の生徒に対して高大連携の一環で本学理工学部をより理解してもらうこと、でした。

会場の早稲田渋谷シンガポール校

今回の実験教室のテーマはDNA鑑定

 

科学的なアプローチで、動物種を鑑定する

「DNA鑑定で食肉の種類を調べよう! -PCR解析を用いた食品検査-」と題して、生徒たちはPCR解析に挑戦しました。試料のレバー肉(ブタ・トリ・ウシの単体、あるいは混合のいずれか)をサンプルとして、DNA抽出、PCR法によるDNA断片の増幅、電気泳動による動物種の判別、という一連の操作で試料の鑑定を行いました。試料の見た目はほとんど同じにもかかわらず、各々のサンプルが異なる電気泳動の結果を示し、試料の正体を鑑定できることに驚いていた様子でした(中には、自分の予想が的中している生徒もいました。すごい!!!)。

実験開始前の食肉の動物種当てクイズ。見た目だけではなかなか正解できませんでした。 ということで、DNA鑑定の出番です!

各テーブルに実験スタッフが付き、いざ実験に挑戦!今回、理工センター技術部の職員のほかに早稲田渋谷シンガポール校の在校生もスタッフとして指導にあたり、実験指導を通じて一段と頼もしく成長していました。

電気泳動は細かい作業ですが、無事に実験結果を得られました!PCRで増幅したDNA断片がバンドとして目視できます。


得られた実験結果をもとに、自分が選んだ食肉の種類を判定できました。

今回のテーマは本学の大学1年生が授業で扱う内容をアレンジしたもので、難しい工程もありましたが、生徒たちは丁寧にこなしており、最後までほとんど失敗せずやり遂げることができていました。また、実験の合間に生徒同士の交流の時間を設けたところ、イベントが終わるころには生徒間で写真を撮り合うほど仲良くなっており、楽しそうに過ごしている姿が非常に印象的でした。イベント後のアンケートではほとんどの参加者から「とても満足」「満足」の回答を得ることができました。
シンガポール教育省語学センター 日本語学科 学科長のタン先生からは、「我が校の生徒たちがDNAや器具の使い方について難しい説明を聞きながら、実験を行うことができていて驚いた。今回のイベントは生の日本語に触れる貴重な学習体験になったと思う。また、早稲田渋谷シンガポール校の生徒と楽しそうに作業をしたり話したりしていて、非常によい交流ができた。」とのコメントをいただきました。

この実験教室は、理工センター技術部の職員や本学の機器・装置だけではなく、本学が持つ海外拠点ネットワーク(早稲田渋谷シンガポール校)の物的、人的リソースの活用、早稲田渋谷シンガポール校在校生の協力、さらにシンガポール日本人学校、シンガポール教育省語学センター、理工パートナーズ、日本ジェネティクス株式会社の支援により実現し、多くの生徒たちに科学への興味関心を深める機会を提供することができました。
参加者の中から未来の早稲田生が生まれ、将来的には世界で活躍する校友となり、社会発展に寄与してもらえれば幸いです。

次は早稲田で会いましょう!
See you again at WASEDA!

DNAをモチーフにしたキーホルダーを手に記念撮影(写真は8/26午後の部)。 キーホルダーは今回のお土産として大学で制作していました。

子ども科学教室2022 in 唐津 を開催しました

著者: staff
2022年9月27日 18:13

~早稲田大学と佐賀県唐津市との交流事業~

2022年9月10日(土)、佐賀県唐津市に所在する早稲田佐賀中学校・高等学校を会場として「子ども科学教室2022」を開催しました。

唐津市と早稲田大学共催の「子ども科学教室」は今年で第12回目を迎え、今年は唐津市内の小学生を対象に実施しました。コロナ禍ではありましたが、ありがたいことにたくさんの参加がありました。

 

~唐津城の麓にある早稲田佐賀中学校・高等学校~

佐賀県は、早稲田大学の創立者・大隈重信の出身地。また、2010年には、同県唐津市に早稲田大学系属校の早稲田佐賀中学校・高等学校が開校しました。そんな早稲田大学とゆかりの深い佐賀県唐津市のシンボル、唐津城の麓に早稲田佐賀中学校・高等学校は所在します。

大隈重信像と唐津城(早稲田佐賀中学校・高等学校内)

 

~「レンズを作ろう!~ゆがみのないレンズ~」~

「レンズを作ろう!~ゆがみのないレンズ~」と題して、光の性質とレンズの仕組みを学ぶ実験教室を実施しました。日頃、理工系学部の大学生に実験指導をしている技術職員が小学生向けに開発したプログラムです。

まずは、光の性質とレンズの仕組みについて、図や簡単な実験を通して学習しました。

 

そして、光やレンズについて理解を深めた上で、実際に非球面レンズを加工し、世界に一つだけのオリジナル虫眼鏡を作成しました。

技術職員によるマンツーマン指導のもと、実際に小学生自らの手で工作機を扱い、アクリルを切削し、レンズの形に加工しました。ここで使用した工作機は、大学の授業で実際に使用している早稲田大学独自のものです。誰一人怪我無く、みんな上手にレンズを削ることができました。

 

続いて、切削加工したレンズを研磨粉でとことんピカピカに磨きます。大人でも根気の必要な作業ですが、子供たちは全力でとことん磨き上げてくれました。

 

綺麗なレンズの完成!!そして、技術職員特製の専用ホルダー(3Dプリンターで作成)に入れて、虫眼鏡の完成!!しっかり学び、見事なレンズを作成された参加者の皆様には、修了証と早稲田大学実験教室特製クリアファイルが贈呈されました。

 
今回の科学教室で、五感を使って楽しみながら行ったこの実験が、唐津市の子どもたちにとって、将来につながる貴重な経験となれば幸いです。

[記事作成:教務部高大接続推進課、理工センター技術部]

 

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