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【5月15日(金)12:30~13:10開催】文部科学省PEP卓越大学院プログラム 2026年9月・2027年4月進入/編入 募集説明会開催します!

🤖 AI Summary

【5月15日金曜日の説明会】 wasteda大学のPEP卓越大学院プログラムに関する募集説明会が開催されます。これは、電力・エネルギー産業の創出に貢献する人材を育成することを目的とした修士課程と博士後期課程を5年間一貫して学べるプログラムです。

この度、2026年9月や2027年4月への進入または編入募集説明会を開催します。当日は現役PEP生が参加し、質疑応答を行う予定です。参加登録はウェブフォームから簡単に行え、詳細情報は申込み後1日前までにメールでお知らせします。

日時:2026年5月15日(金)12:30~13:10
形式:Zoomオンラインミーティング

対象者は電力系やエネルギーマテリアル系の専攻を希望する大学院学生です。また、特定の学部正規学生も該当します。

説明会では、プログラム概要(研究指導、カリキュラムなど)、募集日程、現役PEP生からの質疑応答を行います。

参加登録は下記リンクから行うことができ、締切は5月14日(木)10:00までです。
https://forms.office.com/r/8f5QMsVbRh

詳細や問い合わせについては以下のウェブサイトをご覧ください:
https://dpt-pep.w.waseda.jp/

PEP卓越大学院プログラム事務局のメールアドレスまたは電話番号は次のとおりです:
Email: [email protected]
TEL:03-5286-3238

文部科学省卓越大学院プログラム『パワー・エネルギー・プロフェッショナル(PEP)育成プログラム』は、
電力・エネルギー新産業創出に寄与する人材を輩出することを目的とした修士・博士後期5年一貫の博士人材育成プログラムです。

この度、本プログラムの2026年9月・2027年4月進入/編入 募集説明会を以下のように開催致します。
当日は、プログラム説明後に現役PEP生2名(電力系・エネルギーマテリアル系)も参加して、
皆さんの質問にお答えします。
お気軽にお申込みください!

<日時>
2026年5月15日(金)12:30~13:10

形式:Zoomオンラインミーティング(途中入退室可)
※申請フォームから参加登録いただいた方にURL等詳細を、前日までにメールでお送り致します

<申請フォーム>
PEPプログラムに少しでも関心のある方はお気軽に、以下URLよりお申込みください。
https://forms.office.com/r/8f5QMsVbRh
申込締切:5月14日(木)10:00まで

<ポスター>
ポスター
<参加対象>
①電力系・エネルギーマテリアル系の専攻分野に関心を持ち、以下大学院専攻への進学を検討している学部正規学生の方
②現在、電力系・エネルギーマテリアル系を専攻分野として以下専攻に在籍している大学院正規学生で、次の何れかに該当する方

  • 修士課程・一貫制博士課程1年生、2年生在学中の方
  • 博士後期課程に入学予定または一貫制博士課程3年次に進級予定の方

<対象専攻>

  • 基幹理工学研究科(機械科学・航空宇宙専攻、電子物理システム学専攻)
  • 創造理工学研究科(地球・環境資源理工学専攻)
  • 先進理工学研究科(応用化学専攻、電気・情報生命専攻、ナノ理工学専攻(注)、先進理工学専攻)
  • 環境・エネルギー研究科(環境・エネルギー専攻)
    (注)・2027年4月以降、ナノ理工学専攻では修士課程の募集を停止します。
    これに伴い、本プログラム受入れ対象は博士後期課程(社会人枠含む)および一貫制度博士課程3年入学予定者となります。
    ・2027年4月時点で同専攻修士課程に在学中の学生は、出願資格を引き続き有します。
    ・「2026年9月」進入枠については、本内容は適用されません。

<内容>

  • プログラム概要説明(研究指導、支援体制、カリキュラム、進路、経済的支援 etc.)
  • 進入/編入募集日程
  • 現役PEP生によるプログラム紹介
  • Q&Aタイム

<ご参考>
PEP卓越大学院プログラムHP https://dpt-pep.w.waseda.jp/
パンフレット https://dpt-pep.w.waseda.jp/about/?id=pamphlet
募集要項出願書類 https://www.waseda.jp/fsci/admissions_gs/guidelines/pep/

<お問合せ>
PEP卓越大学院プログラム事務局(51号館1F理工統合事務所内)
Email:[email protected]   TEL:03-5286-3238

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組織侵襲性細菌が組織を壊す仕組みを解明!

組織侵襲性細菌が組織を壊す仕組みを解明!
~移植再生医療に応用の可能性~

発表のポイント

  • 糖尿病患者への膵島移植※1)などの先進医療を支える基盤技術の一つに、ドナー組織から目的の細胞のみを取り出す酵素製剤があります。細胞の足場であるコラーゲンを消化して組織をバラバラにする目的で、病原細菌由来のコラーゲン分解酵素※2)が使われています。
  • 1990年代に岡山大学の松下治名誉教授らが細菌から同定・命名した二種類の酵素遺伝子を基礎に、2016年に二種類の安全な組換え酵素が我が国の製薬企業から発売されました。しかし、これらの酵素が効率よくコラーゲンを消化する仕組みは未だ不明でした。
  • 今回の研究は、原子レベルで酵素の形と動きを調べ、組織侵襲性細菌3)がコラーゲンを連続して細切れにする仕組みを明らかにしたものです。この発見により組換え酵素の改良設計が可能になり、多様な移植医療、再生医療および治療に応用されると期待されます。

岡山大学の松下治名誉教授と岡山大学学術研究院医歯薬学域の武部克希助教(研究当時。現:北海道大学講師)、大阪大学大学院薬学研究科の河原一樹助教(研究当時。現:大阪公立大学講師)ら、愛媛県立医療技術大学の美間健彦教授、早稲田大学の小出隆規教授ら、米国アーカンソー大学のジョシュア・サコン(Joshua Sakon)教授らの国際共同研究グループは、組織侵襲性細菌がコラーゲン分解酵素によりコラーゲンを連続的に切断する仕組みを解明しました。

この研究成果は4月2日、英国の総合科学誌「Nature Communications」にResearch Articleとして掲載されました。

コラーゲンは、細長い三重らせんという特異な形のタンパク質です。細菌が作るコラーゲン分解酵素は、コラーゲンを取り込み、らせんをほぐして切断、その後らせん軸に沿って少しずつ前進し、コラーゲンを細切れにすると考えられます。この仕組みは、ヒトや動物が持つコラーゲン分解酵素が細長いコラーゲンの途中1カ所だけを特異的に切断する仕組みとは根本的に異なっていました。

本研究成果は、生命の進化と病原細菌による巧妙な感染機構の獲得を考える上で興味深い発見であるとともに、組換え酵素の改良設計を通じて多様な移植再生医療に応用されると期待されます。

 

(1)発表内容

<現状>

コラーゲンは、ヒトや動物の組織を形作る重要なタンパク質です。コラーゲンは3本のポリペプチド鎖※4)(α鎖)の三重らせん構造から成り、構造が極めて安定で、一般的なタンパク質分解酵素では分解されません。組織侵襲性細菌はコラーゲン分解酵素(細菌性コラゲナーゼ)を分泌してコラーゲンを分解し、組織を破壊して感染を急速に拡大します。一方で、この酵素は、その高い組織分解活性を利用して、糖尿病患者へ移植するための膵島細胞の分離や拘縮性疾患※5)の治療に応用されています。しかし、この酵素がどのような仕組みでコラーゲンを分解するのかは不明でした。

<研究成果の内容>

細菌性コラゲナーゼ単体、および酵素とコラーゲン様三重らせん型基質※2)の複合体の形と動きを、クライオ電子顕微鏡※6)を用いて観察し、この酵素がどのようにしてコラーゲンを細切れにするのかを明らかにしました。コラゲナーゼにはドーナツ状の部分があり、まずリングの一部を開閉して細長いらせん型コラーゲンをその内部に取り込みます(図2a, b)。次に、コラーゲン周囲の水分子を取り除いてらせん構造をゆるめ、1本ずつに分かれたα鎖をそれぞれリング内の別の場所に誘導します(図2c)。うち1本のα鎖は、らせん構造からループ状に曲げ出され、引き延ばされて活性中心※7)で切断されます(図1, 2c)。切られた部分が酵素から遊離すると、酵素は残る2本のα鎖を“レール”のように使い、三重らせん部分を探して、らせん軸に沿って前進し、1本のα鎖を切断する反応を繰り返すと考えられます(図2d-f)。

いったん前に進んで切断すると後戻りはできないため、細菌性コラゲナーゼは「らせんに沿って一方向に歩きながら三重らせんをほぐしつつ切断する」を繰り返すラチェット・ウォーキング型のコラーゲン分解を行うと考えられます。この仕組みは、ヒトや動物のコラゲナーゼが長細いコラーゲンの1カ所だけを特異的に切断する一撃離脱型の分解とは根本的に異なっていると思われます。

図1.細菌性コラゲナーゼは三重らせん型コラーゲンをほぐしてα鎖(赤)を引き出す。

図2.細菌性コラゲナーゼはコラーゲンの三重らせん部分を求めて前進と切断を繰り返す。

<社会的な意義>

生命の進化と病原細菌の成り立ちを考える上で興味深い発見であるとともに、この発見に基づく酵素の改良設計を行なうことで、幹細胞の分離、細胞シートの作製、再生軟骨の表面処理、人工組織の成形など、移植再生医療の分野で幅広く応用されると期待されます。

(2)論文情報

論 文 名:Bacterial collagenase harnesses collagen geometry for processive cleavage.
掲 載 誌:Nature Communications
著   者:Hiroya Oki, Katsuki Takebe, Adjoa Bonsu, Kazunori Fujii, Ryo Masuda, Nicholas Henderson, Takehiko Mima, Takaki Koide, Mahmoud Moradi, Osamu Matsushita*, Joshua Sakon*, Kazuki Kawahara*
D  O  I:https://doi.org/10.1038/s41467-026-71099-3 受理2026.3.13、掲載2026.4.2

(3)研究資金

本研究は、独立行政法人日本学術振興会(JSPS)「科学研究費助成事業」(若手・JP23K14519研究代表 沖 大也; 基盤C・JP23K06545研究代表 松下 治; 基盤C・JP24K10218研究代表 河原 一樹)、日本医療研究開発機構(AMED)「生命科学・創薬研究支援基盤事業(BINDS)」(JP22ama121003)、乳酸菌研究会助成金(2023, 2024研究代表 松下 治)、National Science Foundation (grant 2218054, 研究代表 Joshua Sakon)の支援を受けて実施しました。また、論文掲載に当たり、the University of Arkansas Libraries Open Access Publishing Fundの支援をいただきました。

(4)補足・用語説明

1)「膵島移植」ドナーの膵臓からインスリン分泌細胞(膵島)を分離し糖尿病患者に移植する治療法。

2)「酵素と基質」酵素は生体内で反応を促進するタンパク質(触媒)。基質はその作用を受けて分解・合成される物質。本研究では、酵素の細菌性コラゲナーゼが基質のコラーゲン分子を分解する。

3)「組織侵襲性細菌」ガス壊疽菌群、ビブリオ属菌などの病原細菌。

4)「ポリペプチド鎖」タンパク質の基本構造。多数のアミノ酸がペプチド結合(-CO-NH-)で直鎖状に連なっている。コラーゲン分子を構成する3本のポリペプチド鎖は、それぞれα鎖と呼ばれる。

5)「拘縮性疾患」ここでは、腱や腱膜などの線維組織にコラーゲンが異常に増えてしこりになり、本来の動きが制限される病気。デュピュイトラン拘縮、ペロニー病など。

6)「クライオ電子顕微鏡」生物試料を急速凍結し、生のまま電子顕微鏡で撮影する技術。タンパク質などの立体構造を、自然に近い状態で原子レベルの分解能で解析できる。

7)「活性中心」酵素の表面で実際に化学反応が起こる場所。

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【PEP卓越大学院プログラム】2026年7-8月実施(2026年9月・2027年4月)進入/編入選抜試験(SE)情報を更新しました

🤖 AI Summary

【PEP卓越大学院プログラム】2026年9月と2027年4月に進入/編入の選抜試験(SE)に関する最新情報が更新されました。詳細は、 Waseda大学理工学術院の大学院入試ページ内のPEP SE情報ページをご確認ください。

[リンク:https://www.waseda.jp/fsci/admissions_gs/guidelines/pep/]

この記事には、関連記事もいくつか掲載されていましたが、主な内容は上述のように簡略化されています。

卓越大学院プログラム
「パワー・エネルギー・プロフェッショナル(PEP)育成プログラム」
2026年7-8月実施(2026年9月・2027年4月)進入/編入選抜試験(SE)に関する情報を更新致しました。

詳細は、理工学術院HP大学院入試ページの中のPEP SE情報ページ(募集要項・出願書類)をご参照ください。

https://www.waseda.jp/fsci/admissions_gs/guidelines/pep/

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自然界には存在しない構造を持つ2次元酸化鉄の作製に成功

自然界には存在しない構造を持つ2次元酸化鉄の作製に成功
~グラフェン/SiC界面が生み出す新物質~

発表のポイント

  •  自然界には安定に存在しない構造を持つ2次元酸化鉄の作製に成功しました。
  •  2次元物質のグラフェンと3次元物質のSiCの界面に鉄と酸素を導入する新たな手法により、この2次元酸化鉄作製を実現しました。
  •  スピントロニクスデバイスなどへの応用が期待され、さらに他の2次元遷移金属酸化物に展開することによって新たな量子物性の開拓につながる可能性があります。

早稲田大学の乗松航(のりまつ わたる)教授、物質・材料研究機構(NIMS)の榊原涼太郎(さかきばら りょうたろう)博士(研究当時名古屋大学所属)、日本原子力研究開発機構の寺澤知潮(てらさわ ともお)研究副主幹、東京大学の河内泰三(かわうち たいぞう)技術専門職員、福谷克之(ふくたに かつゆき)教授、名古屋大学の伊藤孝寛(いとう たかひろ)准教授の研究グループは、自然界には存在しない構造を持つ2次元酸化鉄の作製に成功しました。

酸化鉄※1は、様々な組成・構造を持つものが存在し、例えば、スピネル構造を持つマグネタイトFe3O4は紀元前から鉄につく磁石として知られており、コランダム型構造を持つヘマタイトFe2O3は主要な鉄鉱石でありヘモグロビンと同様の由来を持つ名前が示すように赤い顔料として用いられています。

当グループは、2次元物質※2であるグラフェンと、3次元物質である炭化ケイ素(SiC)基板の界面※3に、2次元的な構造を持つ酸化鉄を作製する方法を発見しました。さらに、形成された2次元酸化鉄を原子レベルで構造解析した結果から、この界面物質は自然界には存在しない構造を持つ酸化鉄であることを明らかにしました。本研究成果は、界面を利用することで従来の化学平衡では実現できなかった新しい構造を作り出す手法を示した点で重要です。

本成果は、2026年3月14日付けで、Wiley社が発行する学術誌『Small Methods』誌に掲載されました。

これまでの研究で分かっていたこと

遷移金属酸化物は、絶縁体から金属、超伝導体まで多彩な電子物性を示す材料として知られています。その中で本研究では、地球上に最も豊富に存在する遷移金属元素である鉄(Fe)とその酸化物に注目しました。鉄は、3d軌道の電子によるスピン分極のために強磁性体(磁石)として知られています。同様に酸化鉄でも、スピネル構造を持つマグネタイトFe3O4は古くから磁石として用いられてきました。酸化鉄はマグネタイト以外にも、塩化ナトリウム型構造を持つウスタイトFeOやコランダム型構造を持つヘマタイトFe2O3など様々な構造を持ち、構造によって物性が大きく異なることが知られています。そのため、新しい構造を持った酸化鉄材料の探索は、基礎・応用の両側面で意義深いと言えます。

ここで、グラフェンや遷移金属ダイカルコゲナイドなどの2次元物質は、構造の2次元性に起因して、3次元物質にはない物性や機能について、非常に活発に研究されています。その中でも、2次元物質グラフェンと3次元物質である基板の界面は、特異な現象の生じる場として注目されています。例えば、グラフェン/SiCヘテロ構造を作製し、水素雰囲気ガス中で加熱すると、水素がグラフェンとSiCの界面に侵入するインターカレーション※4と呼ばれる現象が生じます。このインターカレーション現象を、水素以外の元素やその化合物へと拡張することで、グラフェンとSiCの界面において、例えば2次元の窒化ガリウム(GaN)や2次元の酸化インジウム(InO)といった2次元半導体を作製できることが報告されてきました。このような背景の中で、インターカレーションによる2次元の酸化鉄の作製にも大きな期待が寄せられてきました。しかしながら、鉄は炭素やケイ素との反応性が非常に高く、先行研究と同様のアプローチでは鉄の炭化物やケイ化物が優先的に形成されてしまうため、2次元酸化鉄の形成はこれまで実現されていませんでした。

新たに実現しようとしたこと、明らかになったこと

2次元酸化鉄を作製する手法を確立できれば、これまでにない物性や機能を持った材料の実現が期待されます。そこで本研究では、グラフェン/SiC界面を、新たな2次元物質を形成するための結晶成長場とみなし、インターカレーション現象を利用することで2次元酸化鉄の作製を目指しました。実験と解析の結果、グラフェンの2次元性とSiCの結晶構造を反映して、自然界には存在しない構造を持つ2次元酸化鉄が形成することを見出しました。また、得られた2次元酸化鉄は室温では常磁性を示す一方で、低温(100 K)では反強磁性秩序を持つことが示唆されました。

様々な物質をグラフェン/SiC界面にインターカレーションする際、まずグラフェンとほとんど同じ構造を持つバッファー層と呼ばれる炭素原子層をSiC上に形成します。従来では、このバッファー層上に真空中で元素を堆積させ、そのまま加熱するというアプローチがとられてきました。これは、加熱中に酸素が存在すると、グラフェン/SiC界面に酸素が優先的にインターカレーションしたり、グラフェン中の炭素と反応してCO2として分解されるためグラフェンがなくなってしまうためです。しかしながら、この手法を鉄に適用した場合、鉄が炭素やケイ素と優先的に反応して、グラファイトやケイ化物が不均一に形成されてしまいます(図1)。

そのため、鉄やその化合物に関するインターカレーションの報告はこれまでほとんどありませんでした。それに対して本研究では、バッファー層上に真空中で鉄を蒸着したあと、試料をあえて一旦大気中に曝露したのち、再び真空中に導入して加熱処理を行うことで、酸化鉄のインターカレーションが起こり、グラフェンとSiCの界面に2次元酸化鉄が形成することを見出しました(図1)。

図1 インターカレーションによる2次元酸化鉄の作製方法

 

これらの、従来法と新手法で得られた試料断面の原子分解能電子顕微鏡像を図2に示します。従来法では、鉄がSiCと反応することにより多層グラフェンとケイ化鉄(Fe silicide)が不均一に形成されました。一方、新手法で作製した試料の高角環状暗視野走査透過型電子顕微鏡(HAADF-STEM)像では、グラフェンとSiCの界面に、矢印で示すような一様な輝点の周期配列が見られました。HAADF-STEM像では、原子番号の大きい元素ほど明るく観察されます。この界面の輝点領域において電子エネルギー損失分光による元素分析を行った結果、そこには鉄と酸素が含まれていることから、グラフェンとSiCの界面に酸化鉄の2次元結晶が形成されたことがわかりました。

図2 従来法と新手法での高分解能透過型電子顕微鏡(HRTEM)像と高角環状暗視野走査透過型電子顕微鏡(HAADF-STEM)像

 

形成された2次元酸化鉄がどのような原子配列を持っているのかを明らかにするために、第一原理計算によって最適化されたいくつかの構造モデルに基づいてHAADF-STEMシミュレーション像を計算し、図3に示すように実験結果と対応させました。その結果、SiCの直上では、FeとOがSiCと同じ四面体構造を持っていること、グラフェンの直下では、塩化ナトリウム型の八面体構造を持っているものとして矛盾なく説明できることがわかりました。このような構造を持つ酸化鉄は、我々の知る限り報告されておらず、グラフェン/SiC界面に形成された2次元酸化鉄は、自然界には存在しない構造を持つことが明らかとなりました。2次元酸化鉄がこのような特異な構造をとる理由は、SiC直上では鉄と酸素がSiCと同じ四面体構造の配列を取る一方で、その上側では塩化ナトリウム型構造のウスタイト構造へと緩和することによると考えられます。

このような構造を持つ2次元酸化鉄についてメスバウアー分光測定※5を行った結果、室温では常磁性を示すのに対して、低温(100 K)では反強磁性秩序を持つことを示唆する結果が得られました。

図3 2次元酸化鉄の構造解析の結果

 

研究の波及効果や社会的影響

本研究により、2次元物質であるグラフェンと3次元物質であるSiCとの界面において、自然界には存在しない構造を持つ2次元酸化鉄を作製できることが明らかになり、また、メスバウアー分光測定により、この2次元酸化鉄は冷却に伴って常磁性から反強磁性への磁気相転移を示すことが示唆されました。これらの結果は、スピントロニクスや低次元磁性などへの応用が期待されます。

酸化鉄を含む遷移金属酸化物には、高温超伝導を示す銅酸化物や、強相関電子系のマンガン酸化物などがあり、機能の宝庫と呼ばれています。本研究の方法論によって、これらの様々な遷移金属酸化物をグラフェン/SiC界面で2次元化できれば、より高温での超伝導や巨大磁気抵抗効果といった興味深い特性の発現が期待されるため、基礎研究と応用技術の両側面で様々な波及効果が期待できます。

課題、今後の展望

物質の性質や機能は、原則としてその原子配列、すなわち構造によって決まります。これまでに存在しない構造を持つ物質が得られれば、これまでにない物性や機能が現れることが容易に想像されます。よって、本研究で得られた特異な構造を持つ2次元酸化鉄特有の新規物性の実証と、その応用技術の開拓が今後の課題です。

研究者のコメント

世の中に存在する多くの物質の構造や物性は、これまでの人類のたゆまぬ研究によってほとんど理解されてきたと言っても過言ではありません。そんな現代において、異種物質同士の界面で生じる新物質や新機能の開拓は、今後ますます発展していくと考えています。2次元グラフェンと3次元SiCの界面で、これまで人類が見たことのない構造を持つ2次元酸化鉄が形成されたことはその成果の1つです。今後も、界面をキーワードにさらに多くの新物質・新機能の実現へとつなげていきます。

用語解説

※1 酸化鉄
鉄と酸素の化合物であり、組成・構造によって異なる物性を持つ。例えば、スピネル構造のマグネタイトFe3O4は磁石として、コランダム型構造を持つヘマタイトFe2O3は赤色顔料として用いられてきた。これまでに多様な酸化鉄の結晶構造が報告されており、構造によって物性も大きく異なることから、新しい構造を持った酸化鉄材料の探索は基礎・応用の両側面で意義深い。

※2 2次元物質
炭素原子1層のみで構成されるグラフェンや、ホウ素と窒素が同一平面内に配列した六方晶窒化ホウ素、遷移金属の原子層がカルコゲンの原子層に挟まれた構造を持つ遷移金属ダイカルコゲナイドなどに代表される物質群の総称。上下方向に共有結合をもたない2次元的な構造を持つことにより3次元の物質とは異なる物性や機能が見られ、近年大きな注目を集めている。

※3 界面
異なる物質同士が接している境界。一般に界面では、通常の物質とは異なる原子配列が現れることが多い。特に2次元物質と3次元物質の界面は、異種物質の導入や構造制御の可能な2次元空間とみなすことができ、新物質を作製する良質な結晶成長場となる。また界面では、互いに接する物質の対称性が自発的に破れることから、新規物性発現の場としても期待される。

※4 インターカレーション
SiC単結晶基板を加熱すると、表面に大面積の単一方位グラフェンが形成する。このグラフェン/SiC界面には様々な元素を挿入することができ、このような層状物質の界面への原子挿入は一般にインターカレーションと呼ばれる。グラフェンとSiCの界面において、水素、リチウム、銅、ゲルマニウムといった様々な元素のインターカレーションが報告されている。さらに単体だけではなく、窒化ガリウムなどの化合物のインターカレーションも報告されている。酸化物としては酸化インジウムのインターカレーションの報告はあるものの、酸化鉄のような遷移金属酸化物のインターカレーションの報告はこれまでなかった。

※5 メスバウアー分光測定
固体試料中の57Fe原子核が反跳なしにガンマ線を吸収する「メスバウアー効果」を利用し、原子核周辺の電子状態や磁気的状態を精密に測定する手法。

論文情報

雑誌名:Small Methods
論文名:2D Iron Oxide at the Graphene/SiC(0001) Interface
執筆者名(所属機関名):Ryotaro Sakakibara (NIMS), Tomo-o Terasawa (日本原子力研究開発機構)、Taizo Kawauchi (東京大学), Katsuyuki Fukutani (東京大学)、Takahiro Ito (名古屋大学)、Wataru Norimatsu (早稲田大学)
掲載日時:2026年3月14日
掲載URL:https://doi.org/10.1002/smtd.202501889
DOI:doi.org/10.1002/smtd.202501889

キーワード

2次元酸化鉄、界面、グラフェン、SiC

研究助成

研究費名:日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
課題番号: 22KJ1535
研究課題名:インターカレーション法を利用したグラフェン/SiC界面での二次元超伝導体の作製
研究代表者名(所属機関名):榊原涼太郎(名古屋大学:助成当時)

研究費名:日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究
課題番号:25K17917
研究課題名:二次元半導体における原子欠陥の理解と制御
研究代表者名(所属機関名):榊原涼太郎(NIMS)

研究課題名:日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究
課題番号:21K14500
研究課題名:グラフェンにおける水素イオン透過の低速水素イオン照射を用いた機構解明
研究代表者名(所属機関名):寺澤知潮(日本原子力研究開発機構)

研究費名:早稲田大学 各務記念材料技術研究所 環境整合材料基盤技術共同研究拠点共同研究プロジェクト
研究課題名:低環境負荷ナノカーボン材料の作製と評価
研究代表者名(所属機関名):乗松航(名古屋大学:助成当時)

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[Announcement of Document Screening Results] English-based Undergraduate Program AO Admission for September 2026 Entry

🤖 AI Summary

以下是关于2026年9月入学的英语授课本科课程特招考试筛选结果的通知摘要:

- **通知标题**:2026年9月入学英语授课本科课程特招考试筛选结果公告
- **发布者**:教养学部(假设)
- **详细信息链接**:[https://www.waseda.jp/fsci/assets/uploads/2026/04/zxcvpoiu2a6b0c4d.pdf](https://www.waseda.jp/fsci/assets/uploads/2026/04/zxcvpoiu2a6b0c4d.pdf)

文档中包含了详细的筛选结果信息,建议感兴趣的学生查阅上述链接获取具体名单和详情。
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令和8年度科学技術分野の文部科学大臣表彰を6名の教員が受賞

🤖 AI Summary

早稲田大学の6名の教員が「令和8年度科学技術分野の文部科学大臣表彰」を受賞しました。この表彰は、科学技術に貢献した者に対し授与され、日本の科学技術水準向上に寄与することを目指しています。

受賞者の詳細は以下の通りです:

1. 井上 真 教授(人間科学学術院):熱帯林保全と社会的公正の実現を目指した環境ガバナンス研究
2. 小澤 彻 教授(理工学術院):非線型分散型方程式に対する修正エネルギー法の研究
3. 釜野 さおり 教授(社会科学総合学術院)と他の1名:性的指向と性自認のあり方に関する人口学的研究
4. 清水 洋 教授(商学学術院):ジェネラル・パーパス・テクノロジーのイノベーション研究
5. 嶋川 里澄 准教授(高等研究所):宇宙最盛期の原始銀河団で形成される赤色銀河の観測的研究
6. 森本 行人 准教授(リサーチ・イノベーション・センター)と他の2名:日本の人社系研究マネジメントを担う人材育成への貢献

この受賞は、大学が「世界の平和と人類の幸福に貢献する研究」を目指した独創的研究を推進していることを示しています。

このたび、早稲田大学の研究者6名が、科学技術分野で顕著な功績があったとして、「令和8年度科学技術分野の文部科学大臣表彰」を受賞しました。
科学技術分野の文部科学大臣表彰は、科学技術に携わる者の意欲向上を図り、日本の科学技術水準の向上に寄与することを目的としており、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者に対し授与されています。

今後も本学では、中長期計画「Waseda Vision150」における研究ビジョンである「世界の平和と人類の幸福に貢献する研究」の実現に向け、未来をイノベートする独創的研究の促進を図ってまいります。

科学技術賞(研究部門)

氏名 所属・役職 業績名
井上 真 人間科学学術院・教授 熱帯林保全と社会的公正の実現を目指した環境ガバナンス研究
小澤 徹 理工学術院・教授 非線型分散型方程式に対する修正エネルギー法の研究
釜野 さおり 社会科学総合学術院・教授 性的指向と性自認のあり方に関する人口学的研究(※他1名との共同受賞)
清水 洋 商学学術院・教授 ジェネラル・パーパス・テクノロジーのイノベーション研究

 

若手科学者賞

嶋川 里澄 高等研究所・准教授 宇宙最盛期の原始銀河団で形成される赤色銀河の観測的研究

 

研究支援賞

森本 行人 リサーチ・イノベーション・センター・准教授 日本の人社系研究マネジメントを担う人材育成への貢献(※他2名との共同受賞)
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「水・食・エネルギー・健康」の循環型社会モデルを久米島で実証開始

🤖 AI Summary

この記事はNTTと早稲田大学が沖縄県久米島町との包括連携協定を締結し、持続可能な未来社会実現のための新たな「BlueSphereモデル」を導入する取り組みについて詳しく説明しています。主な内容は以下の通りです:

1. 背景
- 地球温暖化やエネルギー・食料問題などの地球規模課題が深刻化
- 単なる現状維持ではなく、抜本的な解決策を模索

2. 久米島町の地域特徴と課題
- 沖縄本島から西に約100km離れた離島
- 地域資源「海洋深層水」を活用した取り組みが進む
- 食、エネルギー、健康に関する具体的な課題

3. 取組の概要(BlueSphereモデル)
- 「水・食・エネルギーの循環により文化・健康が維持され、サステナブルな島嶼コミュニティを実現する」を目標
a. 食の自立:久米島古来の食材や再開発、高付加価値化
b. エネルギーの自立:再生可能エネルギー100%の実現
c. スポーツ健康:健康食の開発、自動的な健康管理システム導入

4. 主要な取り組み技術と方法
- IOWN構想におけるデジタルツイン技術の活用
- ディザスタリカバリ対策やサステナブルDCの推進
- OTEC(海洋温度差発電)など可再生エネルギーの導入

5. 今後の計画
- 現状調査とコミュニティ課題抽出
- 実環境下での検証
- 段階的に社会実装へ

この取り組みは、島嶼部における社会課題解決とカーボンニュートラル社会実現を目指しています。島嶼自治体が抱える構造的課題に対し、新たな未来社会のモデルとして「BlueSphereモデル」を導入し、段階的に実装していく予定です。

「水・食・エネルギー・健康」の循環型社会モデルを久米島で実証開始
~NTT、早稲田大学、久米島町が包括連携協定を締結~

発表のポイント

  • NTTと早稲田大学はこれまで「「地球愛」の醸成とサステナブル社会の実現」という共同ビジョンを掲げ食・エネルギー・スポーツ/健康・量子分野で共同研究をすすめてきました。今回このビジョン実現に向け、島嶼地域の社会課題解決のため久米島町と包括連携協定を締結しました。
  • 今回の包括連携協定により、久米島町の協力を得て考案した新社会モデル「BlueSphereモデル」を実証します。
  • 将来的には、この久米島町での成果を、世界中の島嶼地域が抱える共通課題を解決するための先駆的モデルとして発信していくことをめざします。

NTT株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:島田 明、以下「NTT」)、沖縄県久米島町(町長:桃原 秀雄)、学校法人早稲田大学(東京都新宿区、総長 田中 愛治、以下「早稲田大学」)は、島嶼部における社会課題解決およびカーボンニュートラル社会の実現をめざし、教育活動、研究活動などに関し、互いに支援・協力することに合意し、令和8年4月6日包括連携協定を締結しました。今回の包括連携協定により、島嶼での「水・食・エネルギー・健康」統合循環モデル「BlueSphereモデル※1」を実証し、食・エネルギーが自立し、健康長寿を実現するサステナブルな未来の島嶼社会を創造する取り組みを始動します。

背景

近年、地球温暖化、エネルギー問題、食料問題といった地球規模の課題が深刻化し、持続可能な社会の実現が必要となっています。
このような喫緊の課題に対し、単なる現状維持や悪化防止に留まらず、抜本的な解決策を模索する動きが世界中で加速しています。その中でNTTと早稲田大学は2024年よりビジョン共有型共同研究を進めてまいりました。この度、沖縄県久米島町を舞台に、持続可能な未来社会を醸成する取り組みを始動します。

久米島町の課題と包括連携協定締結

沖縄本島から西へ約100kmに位置する久米島町は、豊かな自然と独自の文化を持つ離島です。久米島町は、地域資源である「海洋深層水」を核とした「久米島モデル」という地域循環共生圏を確立しています。海洋深層水は、海洋温度差発電(OTEC※2)や水産養殖、農業など多岐にわたる分野で複合的に利用されています。
こうした地域資源を生かした取り組みが進む一方で、久米島町は他の多くの島嶼地域と同様に下記社会課題に直面しています。

  1. 食(農水産)の課題
    ・島外依存が高く、台風等で入荷が滞ると品薄となる
    ・農水産業の担い手の高齢化・労働力不足、小規模分散圃場による生産性の制約、気候変動リスクがある
    ・同一作物育成による土壌の地力低下、多品目化・高付加価値化の遅れ
  2. エネルギーの課題
    ・島嶼系統特有のディーゼル発電依存による燃料価格の変動リスクがある
    ・台風時の設備被害・長期停電のリスクがある
  3. 健康・医療の課題
    ・医療従事者の不足による労働環境の悪化により、充実した医療サービスの実現が課題となっている
    ・高度医療・専門医が不足しているため沖縄本島への受診が必要となる
    ・住民の高齢化に伴い生活習慣病等の予防・早期発見が重要となっている

久米島町の人口は1990年10,303人をピークに2025年10月時点で6,972人と大きく減少しており、観光業も設備の老朽化、担い手不足、観光客の季節変動など課題があります。島嶼自治体は、人口減少・高齢化、気候変動の影響、物流コストの高さなど構造的課題が他地域より顕在化しやすい状態といえます。
私たちはこれらの課題に対して、これまで培われてきた「久米島モデル」を次世代に継承し、さらに発展させる新たな取り組みが求められていると考えます。
久米島町とNTT、早稲田大学は、島嶼部における社会課題解決の実現をめざし、食・エネルギー・健康といった研究分野および教育活動、研究活動などにおいて互いに支援・協力することに合意し、包括連携協定を締結しました。
この取り組みの前段として、まず久米島モデルの現状調査とコミュニティ課題抽出を行いました。そのうえで新たな社会モデルを策定しました。今後は実環境下での検証を進めながら、段階的に社会実装へとつなげていきます。

取組の概要

本共同研究で久米島に導入されるのが、新たな未来社会の「BlueSphereモデル」(図2)です。これは、「水・食・エネルギーの循環により文化・健康が維持され、サステナブルな島嶼コミュニティを実現する」ことを目標としています。

図2  BlueSphereモデル 概念図

a.食の自立

食料自給率の向上をめざし、久米島町古来の食材や食料の再開発を進めます。災害時にも安定した食料供給が可能なシステムを構築し、さらには「食の循環」を観光資源として活用することで、新たな魅力を創出します。これまでNTT、早稲田大学では農業における新しい技術をプランニングするとともに、久米島町の農家の方々の協力を得て土壌調査を行い適応可能な作物の同定を行ってまいりました。プロアクティブに環境に適応する食料生産技術を確立するとともに、地域資源の利用効率を最大化し、生産性向上と高付加価値化に貢献します。

b.エネルギーの自立

再生可能エネルギー100%の実現をめざし、近隣地域との電力融通も視野に入れ災害時でも安定した電力供給を確保し、強靭なエネルギーインフラを構築します。これまでの共同研究ではEICの実現※3を目標に検討を行ってまいりました。今後、久米島町の施設などの実際の消費エネルギーからエネルギーマネジメントによる効果の実証を行い、エネルギー自立に必要な設備・技術を検証します。

c.スポーツ健康

地元食材を活用した健康食の開発。高齢者の自動的な健康管理システムの導入により医療従事者の不足や一次産業者の高齢化の課題、高齢化に伴う健康・医療・介護負担、および健康長寿の実現といった課題解決に寄与します。
具体例として、運動を通じて町の活性化を図り、健康と観光の両面で貢献します。2025年12月の久米島産業まつりでは、事前調査として住民の顔面の血流、水分量などの計測を実施(図3)しました。将来的には、顔のどの部位に、どの指標に紫外線が強く影響するか、といった情報をフィードバックし、顔や皮膚の保護に役立てることをめざします。

図3 久米島産業まつりでの実証実験

また「BlueSphereモデル」の実現を加速させるのが、NTTが実現を推進しているIOWN構想※4におけるデジタルツイン技術です。フィールド実証で取得されたエネルギー・食・環境分野の多様なデータを統合し、久米島町の状況を仮想空間上に再現する「地域環境デジタルツイン」を構築します。
さらに、コンテナ型データセンタ(以下。DC)など小型のDCを活用し、IOWN APN※5で接続した離島連携での分散型DCについて検討し、島嶼部等を活用したDCのディザスタリカバリ(DR)※6対策やサステナブルDCの実現に向けた取り組みを推進します。また、DCのエネルギーおよび冷却システムにOTEC、海洋深層水を活用するほか、食・エネルギーの自立での取り組みと連携し、新たな産業の創出やビジネスモデルの検証を進めます。
早稲田大学は、ナノ・エネルギー、量子/ICT、工学などの理工系分野のみならず、政治・経済、法学、経営学、文学、言語学など人文社会科学系分野においても高い研究力を誇り、文理融合による研究成果の社会実装が期待されています。NTTは、IOWN構想のもと光関連技術および情報処理技術を活用した次世代コミュニケーション基盤の研究開発を進めています。
NTTと早稲田大は、互いの強みを活かして、久米島町と連携し、島全体で食・エネルギーの自立をめざす研究を進めます。さらに、健康/医療を含む社会課題の解決に向け、経済・金融・マーケティングなどの知見を活かした文理融合による社会実装に取り組みます。

本取組で想定される効果

本取り組みで想定される効果は以下の通りです。

課題区分 目指す方向性
農水産業分野 未来予測によって変わりゆく将来の環境に適応し海洋深層水やバイオマスといった地域資源の利用効率を最大化することで、食料の生産性向上と高付加価値化を実現します。
エネルギー・環境分野 エネルギー自立したEICにより再エネ100%、無停電の実現。電力網の安定化と島全体の脱炭素化に貢献します。
医療健康分野 医療従事者の不足や一次産業者の高齢化の課題、高齢化に伴う健康・医療・介護負担の課題解決及び、健康長寿の実現に寄与します。
経済・雇用分野 新規事業の創出や、既存産業の高度化を支援し、若者も魅力を感じる多様な雇用機会を生み出します。

また、本取り組みは、単なる研究にとどまらず、地域の一次、二次、三次産業に加え、観光、教育、IT、ビッグデータを融合させた「七次産業化」を促進します。久米島町古来の大豆・米・茶などの食の地域ブランド化、新たなレストランビジネスの創出、そして地域のイノベーション人材育成などを通して地域社会の持続的な発展と人口減少による人手不足の解消に貢献します。

包括連携における各社の役割

連携機関名 役割
NTT 食、エネルギー、スポーツ、量子分野の研究開発。IOWN技術を基盤としたIT技術の提供。地域環境デジタルツインを用いた自然環境-地域社会の相互影響アセスメント技術、未来の環境適応に向けた農作物の育種技術の提供。
早稲田大学 食(ムーンショット型農林水産研究開発事業で得られた研究成果の適用含む)、エネルギー、スポーツ、量子分野の研究開発。金融、経済、マーケティングの知見提供。研究・教育とそれにかかる人材交流と育成。
久米島 実証フィールドの提供、関係機関の調整、地域住民との連携によるコミュニティ形成と実証事業への参加促進。実験フィールドの提供。電力、農林水産等のデータの提供。

今後の取組について

今後、久米島町での実証研究を通じて「BlueSphereモデル」の有効性を確立するとともに、島民との対話を重ねながら、地域に根差した社会システムを共創します。将来的には、この久米島町での成果を、世界中の島嶼地域が抱える共通課題の解決に向けた先駆的モデルとして発信していくことをめざします。
本研究は、早稲田大学、NTT、そして久米島町をはじめとする各種関係者との連携を深め、国家プロジェクトの活用も視野に入れながら、5年後の自走化をめざします。実証実験に留まらず、事業継続が可能な仕組みを構築し、地域に新たな雇用機会を創出することで、地域活性化に貢献してまいります。

用語解説

※1 本名称はサービス名ではなく社会モデルとしての構想名です

※2 海洋温度差発電:Ocean Thermal Energy Conversion, 通称OTEC。海洋温度差発電は、太陽からの熱エネルギーにより温められた表層海水と海洋を循環する冷たい深層海水との温度差をタービン発電機により電力に変換する、再生可能エネルギーによる発電のひとつです(http://otecokinawa.com/jp/OTEC/index.html

※3 EIC:Energy Informatics Cell, エネルギーを作る(再エネ)・使う(負荷)貯める(蓄電池)を通信で制御しエネルギー自立したセル(村、地区)を実現すること

※4 IOWN:Innovative Optical and Wireless Network。IOWNの技術とユースケースの開発をグローバルに推進する団体であるIOWN Global Forumで推進中の次世代コミュニケーション基盤の構想。(https://iowngf.org/

※5 APN:All-Photonics Networkとは、ネットワークから端末まで、すべてにフォトニクス(光)ベースの技術を導入し、これにより現在のエレクトロニクス(電子)ベースの技術では困難な、圧倒的な低消費電力、高品質・大容量、低遅延の伝送を実現します。詳しくは以下ホームページをご覧ください。
■オールフォトニクス・ネットワークとは
https://group.ntt/jp/group/iown/function/apn.html

※6 ディザスタリカバリ(DR):、地震や津波などの災害によってシステムの継続利用が不可能になった際の復旧および修復、あるいはそのためのシステム

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Sensory Basis of Human Motor Learning(2026/4/20)

🤖 AI Summary

以下は記事の日本語要約です:

早稲田大学創造理工学部総合機械工学科では、2026年4月20日(月)に「Sensory Basis of Human Motor Learning」についての講演会を開催します。David Ostry教授( McGill Univ )による発表で、対象は学部生、大学院生、研究者、一般専門家です。

主な情報:
- 日時:2026年4月20日(月)11:00-12:00
- 会場:最初は西早稲田キャンパス51号館7階702室、後に変更となり、55号館第二会議室(1階01室)へ。
- 参加方法:無料で申込み可能
- 主催:創造理工学部総合機械工学科

興味のある方の参加を歓迎します。詳細は公式リンクからご確認ください。

演題:Sensory Basis of Human Motor Learning

日時:2026年4月20日(月) 11:00-12:00

会場:早稲田大学 西早稲田キャンパス 51号館 7階 02室  ⇒ 55号館 第二会議室 1階01室 へ変更となりました。

講師:David Ostry  (McGill Univ Professor)

対象:学部生、大学院生、研究者、一般専門家

参加方法:入場無料、下記のリンク先URLよりお申込みください。

主催:創造理工学部 総合機械工学科

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

リンク先URL https://forms.gle/kR9xHK5T8YvgHZmVA

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【4/14開催】理工キャンパス留学説明会

🤖 AI Summary

早稲田大学の理工キャンパスで4月14日(火)に留学説明会を開催します。内容は以下の通りです:

- **時刻と場所:** 12:30~18:00、55N号館1階第二会議室
- **プログラムの紹介:**
- 短期留学プログラムについての説明(12:30~13:00)
- 参加経験者の学生が留学生の体験や魅力を紹介します。
- 気になった点は直接質問できる個別相談会(13:00~17:00):半年から1年間のプログラムも含む。
- 奨学金説明会(17:00~18:00)

参加者は授業の合間に気軽に参加でき、留学についてより詳しく知ることができます。多くの学生が留学機会を得られるよう、各種奨学金も紹介します。

このイベントにぜひご参加ください!

理工キャンパスで留学説明会を開催します。
主に短期留学プログラムについてご紹介予定ですが、個別相談会では半年~1年の中長期留学についてもご質問いただけます。
留学についてまとめて情報収集できる機会です。授業の合間に是非ご参加ください。

日時:4/14(火)12:30~18:00
会場:55N号館 1階 第二会議室

タイムテーブル:
12:30~13:00 短期留学説明会
短期留学プログラムへの参加経験者の理工学生にも登壇してもらい、以下のような内容についてご説明します。

・学生による留学経験紹介
・短期留学プログラムの魅力について
・理工の皆さんへお勧めしたいプログラムのご紹介

13:00~17:00 個別相談会
短期留学に限らず、半年~1年間のプログラムについての質問も受け付けます。
一部時間帯には、短期留学プログラムの経験者学生も参加してくれますので、説明会で気になったポイントを直接質問してみることもできます。

17:00~18:00 奨学金説明会
留学センターではより多くの学生が留学の機会を得られるよう、様々な奨学金をご紹介しています。
短期、中長期プログラムそれぞれで申し込むことができる奨学金がありますので、説明会ではそれらの種類や特徴等をご説明します。

皆さんのご参加をお待ちしています!

 

 

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