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米食品医薬品局、意図的なゲノム改変を行った豚を食品用などに認可

米食品医薬品局(FDA)は14日、意図的なゲノム改変(IGA)を行った動物について、食品および潜在的な医療用品の原料として初めて認可した(ニュースリリースFOODBEASTの記事The Vergeの記事)。

認可された「GalSafe pig」は、糖鎖の一種であるα-Galが細胞表面に生成されないようゲノムを改変したブタだ。α-Gal症候群(AGS)の人がα-Galを含む畜肉などを食べると、肉アレルギーとも呼ばれるアレルギー症状が引き起こされる。GalSafeはAGSの人が食べても安全な肉を供給できるほか、拒絶反応の問題を解決した医療用製品の原料として利用できる可能性がある。

FDAでは認可にあたり、GalSafeの肉を一般の人が食品として消費しても安全なことや、環境への影響が従来のブタと比べて大きくないこと、GalSafeのα-Galが数世代にわたって検出限界以下であることを確認したとのこと。ただし、AGSの人にアレルギー症状を引き起こさないかどうかについては確認しておらず、医療用途で使用する場合は別途認可を受ける必要がある。

GalSafe開発者は当初、肉をスーパーマーケットなどで販売するのではなく、通信販売で提供する計画を示しているとのことだ。

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福岡市内販売の春菊で基準値168倍の農薬が検出。21gで健康被害が出る量

福岡市は8日、福岡市青果市場で春菊の残留農薬検査を実施したところ、基準値の168倍となる8.4ppmの農薬が検出されたという(福岡市福岡市保健福祉局生活衛生部[PDF]毎日新聞)。

検出されたのは有機リン系殺虫剤のイソキサチオンで、体重60キロの人が21グラムを超えて食べた場合、よだれや涙、失禁、場合によってはけいれんなどの健康に影響を及ぼすおそれがあるとしている。該当するのは12月7・8日にJAくるめが出荷したもの。販売店や販売数量に関しても把握済み。すべて福岡市内での流通だと見られている。

西日本新聞によれば、一軒の組合員農家が、タマネギ栽培で使用していた害虫駆除用の農薬を、春菊に使用したことが原因だとしている(西日本新聞)。

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GABA増量したゲノム編集トマトが専門家会議で審議へ。1~2年で市場に登場か

あるAnonymous Coward 曰く、

ゲノム編集技術を使ったトマトが国内市場に登場する可能性が出てきた。開発されたトマトは血圧の上昇を抑える「GABA」を多く含んでいる点が特徴。筑波大発のベンチャー企業「サナテックシード」らが開発したもので、厚生労働省の専門家会議が月内に開かれるとしている(読売新聞)。

審議を経て市場に出回るようになるにはあと1~2年必要だという。読売新聞の記事によれば、ゲノム編集食品の条件を満たし、専門家会議の審議に必要なデータが揃えられたのは今回が初めてだそうだ。

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カイコは「二段階認証」を用いて食べられるクワの葉を見分けていた

昆虫は食べられる葉っぱをどのように見分けているのか。東京大学と東京農工大学の研究者らがカイコの観察・実験を行った結果、カイコは二段階認証をして葉っぱを識別していたそうだ(エピネシス)。

具体的には最初に口の近くにある小顋肢という味覚器官を葉に押し当てて触診、葉っぱにβ-ステロール、クロロゲン酸、カルセチンが含まれているかを確認しているという。カイコはこれらの化合物を1,000兆分の1という極低濃度であっても検出できるそう。

最初の認証を終えると試し噛みを行い、小顋肢の周辺にある小顋粒状体で糖を感知するという。この試し噛みにより、必要な量の糖が見つかった場合にのみクワの葉を食べるという仕様だそうだ。こうした触ってから試し噛みする行為は葉っぱを食べる昆虫に共通しているのだそうだ。

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シンガポール食品局、鶏細胞培養肉の販売を認可

米国のEat Just, Inc.,は1日、同社の鶏細胞培養肉がシンガポールで販売の認可を得たと発表した(プレスリリースStraits Timesの記事CNAの記事Voxの記事)。

同社はHampton Creek→Just→Eat Justと社名を変更しており、植物原料の卵液代用食品「Just Egg」や卵を使用しないマヨネーズ風スプレッド「Just Mayo」などを販売している。Just時代の2018年、鶏細胞培養肉「Just Meat」の市場投入計画を発表していたが、実現していなかったようだ。同社に限らず、細胞培養肉が当局から認可されるのは世界で今回が初だという。

同社の鶏細胞培養肉はニワトリの羽毛からとった細胞に植物性の栄養素を加えて培養したもの。抗生物質の使用や遺伝子組み換えなどは行わず、土地・水・エネルギーの使用量や温室効果ガス排出量を大幅に削減できるという。同社は細胞培養肉についてビールの醸造やパン酵母による発酵などと同様に安全だと説明しているが、今回シンガポール食品局(SFA)による徹底的な検証が行われ、SFAの新型食品に関する安全基準(PDF)を満たすことが確認されたとのこと。

Eat Justの鶏細胞培養肉は新しい「GOOD Meat」ブランドで展開され、近く小規模な市場投入を行う計画とのことだ。

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人間の採取が選択圧となり、目立ちにくい色に変わった植物

中国・横断山脈に自生するユリ科バイモ属のFritillaria delavayi(梭砂貝母)は人間の採取が選択圧となり、目立ちにくい色に変わっていったと考えられるそうだ(論文エクセター大学のニュース記事The Guardianの記事)。

バイモ属の植物は、鱗茎にアルカロイドを含むことから生薬として利用されるものも多い。日本薬局方ではアミガサユリ(Fritillaria verticillata)の鱗茎が「バイモ(貝母)」として収載されている。F. delavayiの鱗茎から作られる生薬「炉貝」は近年価格が上昇しており、採取圧が強まっているという。

中国科学院昆明植物研究所と英エクセター大学の研究チームが8地域で調査したところ、F. delavayiの葉の色は地域によって灰色~茶色~緑色と幅があり、採取が広く行われて採取圧が高い地域では背景となる現地の岩石の色に溶け込むような色になっていたそうだ。目立つ緑色の葉は採取圧の低い地域で見られ、土壌に大きな岩石が多いなど採取が困難な地域でも見られたとのこと。

草食動物に対する防御戦略として、数多くの植物が背景に溶け込むカモフラージュを行っていることは最近10年の間に確認されているが、調査を行った8地域に生息する草食動物は非常に少なく、アルカロイドを豊富に含むF. delavayiを草食動物が食べる可能性も低い。ただし、採取圧が選択圧となって色の変化を生んだことを確認するためには、草食動物の影響を確実に排除する必要がある。採取圧の低い環境による実験も長期的に価値のあるデータが得られる可能性があるとのことだ。

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市販の洗口液でヒトコロナウイルスを不活性化できる可能性を示す研究成果

headless 曰く、

市販の洗口液・うがい薬製品を使用することで、ヒトコロナウイルス(HCoV)を不活性化できる可能性を示す研究成果をペンシルベニア州立大学などの研究グループが発表している(ペンシルベニア国立大学のニュース記事SlashGearの記事論文)。

研究はSARS-CoV-2に対する不活性化効果の調査を目的としたものだが、SARS-CoV-2は高価で入手性が低く、バイオセーフティーレベル3の環境が必要となることから、ヒトコロナウイルス229e(HCoV-229e)を代用している。HCoV-229eとSARS-CoV-2は病原性が明らかに異なるが、同科のウイルスであり、非常に似通った構造を持ち、ともに呼吸器感染性ウイルスであることから、一般に代用として使われているとのこと。

実験はHCoVに感染させたHuh7細胞を試験管内で製品と混合し、常温で30秒・1分・2分後のウイルス活性を調べるというもの。使用した製品は有効成分別に過酸化水素(1.5%) 3製品、塩化セチルピリジニウム 1製品、シネオール+チモール+サリチル酸メチル+メントール 4製品のほか、ベタジン(ポビドンヨード)5%水溶液で、いずれも30秒で90%~99.99%のウイルスが不活性化されたという。

当初、シネオール+チモール+サリチル酸メチル+メントールを有効成分とする製品はListerine Antisepticのみで実験が行われたが、効果が特に高かった(30秒で99.99%以上)ことから同じ有効成分の3製品を追加したそうだ。追加した3製品は有効成分が同じにもかかわらず効果は若干低く、30秒で99%~99.99%となっている。

また、鼻腔洗浄の効果を調べるため、市販の鼻腔洗浄液(有効成分は炭酸水素ナトリウム+塩化ナトリウム)と、副鼻腔炎の治療に用いられるジョンソンベビーシャンプー1%水溶液を使用した実験も行われた。市販の鼻腔洗浄液で効果はみられず、ベビーシャンプー溶液では30秒で90%~99.9%、2分で99.9%~99.99%のウイルスが不活性化されている。

今回の研究は試験管内での実験結果に基づくもので、実際に口をすすいだ場合には結果が異なる可能性もある。口腔・鼻腔洗浄に一定のウイルス不活性化効果が期待できることが示されたとはいえ、実際に感染が抑制できるかについてはさらなる研究が必要になる。なお、Listerine Antisepticは国内で「薬用リステリン」として販売されている製品のようだが、発売元のジョンソン・エンド・ジョンソンはCOVID-19の予防や治療を意図した製品ではないと説明している。

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強烈な毒をもつふさふさの毛虫再び。米バージニア州で目撃例が増加

2014年頃に話題となったこともある「ふさふさ」毛虫が帰ってきてしまったようだ。ウイッグが何かのようにも見えるこの毛虫は蛾の一種であるサザン・フランネル・モスの幼虫で強い毒を持つ。現在、米バージニア州で相次いで目撃されており、バージニア森林局が見かけても近寄らないよう警告を出しているという(CNNナゾロジー)。

この毛虫は長い毛の中に毒針毛を持っており、万一触れてしまった場合、かゆみとともに発疹が置き、嘔吐や発熱、腫れなどが起きてしまうとされる。これまではテキサスやミズーリなどでは見られたものの、バージニア州で見かけることはまれだったようだ。目撃例が増えた原因は不明だが、気候変動に伴い昆虫の生息域も変化しているのではないかとしている。

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2020年ノーベル化学賞はゲノム編集ツールを開発した2氏が受賞

headless 曰く、

2020年のノーベル化学賞はドイツ・マックスプランク感染生物学研究所のエマニュエル・シャルパンティエ氏(フランス出身)と米カリフォルニア大学バークレー校のジェニファー・A・ダウドナ氏共同受賞した。授賞理由はゲノム編集手法の開発(プレスリリース一般向け情報詳細情報)。

シャルパンティエ氏は化膿レンサ球菌の研究をしていた際、これまで知られていなかった「tracrRNA」という分子を発見する。シャルパンティエ氏の論文はtracrRNAが細菌の自然免疫システム「CRISPR/Cas」の一部であり、DNAを切断することでウイルスを無力化するCas9タンパク質の機能を決定付けることを示した。この論文を発表した2011年、シャルパンティエ氏は講演に訪れたプエルトリコでダウドナ氏と偶然出会い、互いの研究内容を話し合った末に共同研究の開始を決める。共同研究では細菌がDNAを切断する「ハサミ」を試験管内で再現することに成功し、分子の構成要素を単純化して容易な使用を可能にした。

自然の状態で遺伝子のハサミはウイルスのDNAを認識して切断するが、2氏は再プログラムにより任意の位置でDNA分子を切断することが可能になることも証明。これによりCRISPR/Cas9がゲノム編集ツールとして利用できるようになり、基礎研究や病害虫に強い作物の開発、がんや遺伝病の治療法の研究など幅広い分野で爆発的に利用が進んでいる。2氏が開発した遺伝子のハサミはライフサイエンスの分野に新しい時代を開き、さまざまな形で人類に大きな利益をもたらしたとのことだ。

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2018年のノーベル化学賞、進化の力を利用した米国と英国の3氏が受賞 2018年10月04日
2017年のノーベル化学賞は低温電子顕微鏡法を開発した3氏が受賞 2017年10月05日

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2020年ノーベル生理学・医学賞はC型肝炎ウイルスを発見した米国と英国の3氏が共同受賞

headless 曰く、

2020年のノーベル生理学・医学賞は米国のハービー・J・オルター氏チャールズ・M・ライス氏および英国のマイケル・ホートン氏3氏が共同受賞した。授賞理由はC型肝炎ウイルスの発見(プレスリリース詳細情報)。

ウイルス性肝炎を引き起こす肝炎ウイルスには、飲み水などを通じて感染する急性のA型肝炎ウイルスのほか、輸血を通じて感染する慢性の肝炎ウイルスの存在が1940年代から知られていた。1967年にはバルーク・S・ブランバーグ氏が輸血を通じて感染するB型肝炎ウイルスを発見し、1976年ノーベル医学・生理学賞を受賞している。当時米国立衛生研究所(NIH)で輸血患者の肝炎発症を研究していたオルター氏は同僚とともに、新たにB型肝炎ウイルスが発見されたことで輸血による肝炎の症例が大きく減少する一方、引き続き多数の症例が出ていることを示す。A型肝炎ウイルスの検査法も同時期に開発されており、A型でもB型でもない未知の肝炎ウイルスの存在が明らかになった。

その後10年以上にわたって未知の慢性肝炎ウイルスは発見されなかったが、ホートン氏は同僚は感染したチンパンジーの血液から採取したDNAフラグメントのクローンと患者の血清を用い、ウイルスタンパク質をコード化するDNAフラグメントを特定。その後の研究でクローンはフラビウイルス属のこれまで知られていなかったRNAウイルスから派生したものであることが確認され、C型肝炎ウイルスと名付けられた。さらにホートン氏のグループはC型肝炎ウイルス感染者の血液を識別する方法を確立し、輸血による肝炎を大幅に減少させた。

ただし、この段階ではC型肝炎ウイルスが単独で肝炎を引き起こすのかどうかわかっていなかった。ライス氏は日本の国立がん研究センターの下遠野邦忠氏(当時)のグループと共同で、C型肝炎ウイルスの複製にかかわるゲノム領域を特定。C型肝炎ウイルスが輸血を通じて肝炎を引き起こすことが証明された。3氏によるC型肝炎ウイルスの発見は血液検査による感染防止や治療薬の迅速な開発を可能にした。現在のところC型肝炎ウイルスの撲滅には至っておらず、世界中で血液検査や治療薬を利用できるようにする取り組みが今後の課題になるとのことだ。

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農研機構、8月と11月の2回収穫する再生二期作に成功。ポイントは1回目収穫時の50センチの高刈り

農研機構が米の収穫量を飛躍的に高める手法を開発したそうだ(農研機構日本農業新聞)。

8月下旬と11月上もしくは中旬にもう一度収穫する再生二期作という手法によるもので、稲の収穫後に生えてくるひこばえを栽培して収穫する方法だという。実験は稲の生育期間が長い九州地域で実施された。九州では2回目の稲の収穫が可能であると考えられたためだという。

実験では4月に田植えして8月に収穫する1回目と11月に収穫する2回目でどの程度の収穫量が増えるかを実験したとしている。結果としては10アール当たり1.4トンの粗玄米収量となり、気象条件が良ければ、平均収量の約3倍に相当する1.47トンにも達するという。

ポイントとしては、1回目の稲の収穫時に約50cmという高い位置で収穫することだった模様。2作目に向けて茎葉や栄養分を残したことで、ひこばえの育成をしやすくしたとしている。農研機構によれば、世界的な食料需要の逼迫に対して、米の安定的な供給や加工用米の低コスト生産などにつながるとしている。

pongchang 曰く、

省力化、田起こしや田植えが1回で済む。田んぼに水を引くにもポンプなどの動力が居るが面積が半分になれば、固定設備も減らせる。選択と集中。こう書くと、自分の田んぼが使えない、減反面積が多くなると不利と思う農家は不安を募らせるだろうが、

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日本固有のチョウ、オガサワラシジミ絶滅か。日本固有のチョウでは初の絶滅になる可能性

小笠原諸島固有のチョウで国の天然記念物に指定されている「オガサワラシジミ」が絶滅した可能性が高いらしい(環境省NHK日経新聞)。

オガサワラシジミは外来種であるトカゲ、グリーンアノールの影響などで1989年ごろから個体数が急減していたという。そこで環境省と東京都が200絵年に小笠原諸島から個体を持ち帰り、多摩動物公園や新宿御苑などで繁殖を行っていた(オガサワラシジミ保護増殖事業計画[PDF])。

しかし、繁殖用に用意した個体は卵を産んでも孵化せず、8月25日までにすべて死んでしまったそうだ。野生のオガサワラシジミに関しても、2018年6月に小笠原諸島の母島で見つかったのが最後。絶滅と判定されれば、日本固有のチョウとしては初めての絶滅になるとのこと。なお、繁殖できなかった理由として、新宿御苑の個体はオスの精子の量が極端に減っていたためだという。近親交配による有害な遺伝子の蓄積が原因ではないかとしている。

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WHOがアフリカ大陸からのポリオ撲滅を宣言。のこすはアフガニスタンとパキスタンの2カ国

あるAnonymous Coward 曰く、

世界保健機関 (WHO) は25日、ナイジェリアで野生株のポリオウイルス感染が終息したとして、これをもってアフリカ大陸からポリオを根絶したと宣言した(BBCの記事, CNNの記事, NHKの記事, Gigazineの記事)。

ポリオは手足の麻痺といった症状が現れるウィルス性の病気で、自然宿主は人間だけで、患者の糞から感染する。5歳以下の子供に多発したことから小児麻痺とも呼ばれており、日本でも1960年代までは流行が続いていた。有効な治療法は無いが、ワクチンで予防できることから接種が進み、世界の多くの国で根絶へと至っていた。

アフリカで最後まで残ったナイジェリアでは、2003年にワクチンのボイコット運動が起きて大流行が起きるなどして対策が停滞、また北部では武装勢力の活動により医療活動が行えないなどの問題が起きていた。しかし2015年のワクチンキャンペーンを機にワクチン接種が進み、今回の根絶宣言へと至ったとのこと。世界でウィルスが残るのは、後はアフガニスタンとパキスタンの2カ国だが、こちらも武装勢力の支配地域ではワクチン接種が難しいことが壁となっているようだ。

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製品評価技術基盤機構、新型コロナウイルスに有効な消毒物資の評価結果を公表。次亜塩素酸水は拭き掃除と掛け流しに限定 2020年07月01日
WHO「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言 2020年02月01日
米国政府、合成生物学の進歩で生物兵器対策の準備が必要と判断 2018年06月26日
米州が麻疹の排除地域と認定される 2016年10月02日

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トノサマバッタを大群化させる誘引物質が特定される

トノサマバッタが大群化する誘引物質として、中国科学院の研究チームが4-ビニルアニソール(4VA、4-メトキシスチレンとも)を特定したそうだ(Natureの記事Ars Technicaの記事論文アブストラクト)。

トノサマバッタはサバクトビバッタと同様に密度が高い環境では孤独相から群生相へと変化し、大群で移動して農作物を食べ尽くす蝗害の原因となる。以前から大群化には集合フェロモンがかかわると考えられていたが、誘引物質は特定されていなかった。

研究チームはトノサマバッタが発する35の化学物質を調べ、群生相のトノサマバッタが高濃度で発する少ない6物質を特定。このうち、4VAのみが強い誘引作用を示したという。4VAは群生相のトノサマバッタのみが発するが、群生相・孤独相ともに齢数・性別を問わずに誘引し、孤独相のトノサマバッタでも4~5匹の密集で発するようになったとのこと。これにより、密度が高くなればなるほど4VAの濃度が高まり、さらにトノサマバッタを誘引して群れが大きくなっていくというポジティブフィードバックループが生まれる。

4VAは揮発性物質であり、人間は甘い香りだと感じる。研究チームではトノサマバッタの触角を調べ、群生相・孤独相ともに4VAに強く反応する嗅覚ニューロンを特定した。さらに嗅覚受容体OR35が4VAで選択的に強く活性化することを確認している。ゲノム編集技術CRISPR-Cas9を用いてOR35遺伝子を欠落させたところ、トノサマバッタは4VAに反応しなくなったという。また、粘着式トラップを使用した実験でも4VAの誘引効果を確認している。実験での誘引効果は控えめなものだったが、より効果的なトラップの開発につながることが期待される。

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汗によって発電する電子スキンが開発中。代謝物をモニターしてをBluetooth経由で伝達できる能力も

あるAnonymous Coward 曰く、

汗っかきの人がメリットの多いらしい技術が登場したそうだ。米カリフォルニア工科大学の研究チームは、汗から発電する電子スキン「PPES(Perspiration-Powered Electronic Skin)」なるものを開発したという(ITmedia)。

このPPESは、伸縮性や耐久性に優れており、汗から効率的にエネルギーを抽出するバイオ燃料電池を搭載しているという。この電池の発電力で電子スキンのデータをBluetooth経由で伝達できる能力もあるらしい。被験者の運動中の代謝物をモニターし、スマートフォンに転送する実験にも成功しているそうな。

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Excelの自動書式変換を避けるため、遺伝子シンボルが変更される

Microsoft Excelなど表計算ソフトウェアの自動書式機能により遺伝子シンボルが日付などの誤った値に変換されてしまうことを防ぐため、HUGO Gene Nomenclature Committee(HGNC)のガイドラインが変更されたそうだ(The Vergeの記事論文アブストラクト)。

自動書式機能では入力されたデータが特定の種類だと認識した場合、自動で書式を設定する。そのため、「membrane associated ring-CH-type finger 1」の遺伝子シンボル「MARCH1」が「1-Mar」に変換されてしまう。書式だけでなくデータ自体も「1/3/2001」のように変換されてしまうため、復元は困難だ。2016年には、遺伝子のリストを使用する論文の20%で遺伝子シンボルが誤った値に変換されたまま掲載されているとの調査結果も発表されている。このような問題の回避方法として、事前にセルの書式設定で「文字列」を選択しておくなどの方法が知られているが、自動書式自体を完全に無効化することはできなかった。

遺伝子シンボルは遊び心あふれる科学者たちの楽しみでもあり、無意味に別の単語と紛らわしいものも多い。そのため、ヒトの遺伝子シンボル27個はこの1年ほど、自動書式に影響を受けないような文字列への置き換えが進められていたのだという。たとえば「MARCH1」は「MARCHF1」に変更されており、「septin 2」を示す遺伝子シンボルは「SEPT2」から「SEPTIN2」に変更されている。このほか、検索を容易にするため「CARS」は「CARS1」に、「WARS」は「WARS1」に置き換えられ、侮辱的な表現になることを避けるための変更も行われているが、ソフトウェアが引き起こす問題の対策としてガイドラインが変更されたのは今回が初めてとのことだ。🧬

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Excelの自動書式により、遺伝子のリストを使用する論文の約20%に誤った遺伝子シンボルが掲載されているとの調査結果 2016年08月28日

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ヒトの精子が回転により前進するという研究成果

英ブリストル大学とメキシコ国立自治大学の研究グループによると、ヒトの精子は渦を巻くように回転することで液体中を進んでいることがわかったそうだ(ブリストル大学のプレスリリースArs Technicaの記事論文動画)。

アントニ・ファン・レーウェンフックが顕微鏡で初めて観察して以来、ヒトの精子は鞭毛を(左右)対称に振り、ヘビやウナギのようにうねって前に進むと考えられていた。しかし、研究グループが最新の3D顕微鏡を用いて調べたところ、精子は一方向にのみ回転する非対称の動きでらせん状に前進する様子が観察されたという。従来(2D)の顕微鏡でこの様子を観察すると、鞭毛を左右対称に振っているように見える。コンピューターを使用する現在の精液分析システムでも精子の動きを2次元的にしかとらえられない点は変わらず、精子がうねるように前進すると350年近くにわたって信じられてきたとのことだ。

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ISSで行われた3D磁気バイオプリンターによるヒトの軟骨組織構築実験

headless 曰く、

やや旧聞となるが、国際宇宙ステーション(ISS)で行われた3D磁気バイオプリンターによるヒトの軟骨組織構築実験について、ロシアの研究グループが成果を発表している(論文SlashGearの記事Daily Mail Onlineの記事Tech Exploristの記事)。

3D磁気バイオプリンターは組織の造形に足場を使用せず、磁気を利用して細胞組織を造形する。現在の3Dバイオプリンターで主流となっている押し出し・インクジェット・レーザーといった方式と比べ、より高速でより複雑な構造を構築できるが、地球上では重力による制約があるという。今回の実験で使用した3D磁気バイオプリンター「Bioprinter Organ.Aut」は常磁性のガドリニウム(Gd3+)化合物を造形に使用する。Gd3+化合物はMRI造影剤として認可されているものだが、地球上の重力下での細胞組織形成に十分な濃度では細胞毒性がある。そのため、微小重力下のISSは望ましい環境といえる。

Bioprinter Organ.Autを開発した3D Bioprinting Solutionsは、ロシアの民間医療機関INVITRO傘下の研究所で、今回の研究も主導している。Bioprinter Organ.Autは2018年10月打上げのソユーズMS-10に乗せられていたが打上げ失敗により失われ、同年12月打上げのソユーズMS-11で改めてISSへ送られた。今回の成果を報じるニュース記事では1年以上前に地球へ帰還したオレグ・コノネンコ宇宙飛行士が作業する写真が使われているが、実験そのものは2018年12月に行われたものだという。コノネンコ宇宙飛行士は3D Bioprinting Solutionsの3Dバイオプリンターを使用した牛肉の培養実験も担当している。

原料となる組織スフェロイドはバイコヌール宇宙基地の生物学研究所で人の軟骨細胞から作られ、熱可逆性ハイドロゲル(メビオールゲル)とともに容器に密封されてISSへ送られた。ISSでは容器に常磁性物質を注入してから冷却し、スフェロイドが自由に動けるようメビオールゲルをゾル化。Bioprinter Organ.Autで1時間処理を実行したのち、37℃に温度制御された部屋へ移して組織形成と細胞融合を2日間継続させた。生成された軟骨組織はホルマリン漬けにされ、2週間後にソユーズMS-09で地球へ届けられている。この軟骨組織を地球上で分析したところ、数学的予測モデルやコンピューターシミュレーションで得られた結果とよく一致したそうだ。今回の研究成果は、進化する造形的生体組織構築分野での研究の道を開くものになるとのこと。ISSではより複雑な組織の構築実験も進められているようだ。

なお、KFCと3D Bioprinting Solutionsは、3Dバイオプリンターによるチキンナゲットの開発で提携することを発表している。2020年秋にはモスクワで製品テストを行う計画があるという具体的なものだ。KFCのWebサイトではプレスリリースがなぜか一時削除されたのちに復活したのだが、現在もプレスリリースが表示される前にいったん「NOT FOUND」という文字が見える(KFCのプレスリリース3D Bioprinting Solutionsのプレスリリース)。

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南鳥島海底のレアアースは魚が起源、ほかにも超高濃度レアアース泥が存在する可能性

南鳥島周辺の水深6000メートルの海底には、レアアースを豊富に含む「レアアース泥」が存在していることが分かっており、産業技術総合研究所や海洋研究開発機構などが自律型無人潜水艦を使った調査を進める方針だ(日経新聞)。こういった超高濃度レアアース泥にはレアアースを集める特性を持つ魚の骨が多数含まれていることが分かっていたが、このレアアース泥は地球の寒冷化によって生まれたことが最近の研究で分かったそうだ(東京大学大学院リリース朝日新聞)。

東京大学大学院の研究グループは、年代決定法を用いて、レアアース泥が約3,450万年前に生成されたことを特定した。その発表によれば、この時代は地球規模の寒冷化が始まり、海洋大循環が強まった。その結果、海山周辺の海に大量の栄養塩をもたらし、周辺で魚類が急激に増えたものとしている。さらに、同様の地形と条件を持つ海山を調査すれば、ほかにも高濃度レアアース泥が見つかる可能性が高いという。

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DNA検査サービス23andMe調べ、O型は他の血液型よりもCOVID-19の影響を受けにくい

DNA検査サービス23andMeが進めているCOVID-19と人間の遺伝子に関する大規模な研究で、血液型がO型の人は他の血液型の人よりも感染しにくいことを示唆するデータが得られたそうだ(23andMe Blogの記事)。

血液型による感染しやすさや症状の深刻度を調べる研究はこれまでにも行われており、O型のリスク低いことも既に示されている。ただし、これらの研究は調査対象が千人規模だったのに対し、23andMeは数十万人規模で調査を行っているという。

回答者のうち陽性と診断された人の割合はO型で1.3%、A型で1.4%、B型とAB型で1.5%となっている。医療関係者など感染者と接触する可能性の高い人や感染者との接触が確認された人に限定するとO型は3.2%だったのに対し、A型は3.9%、B型は4.0%、AB型は4.1%となる。Rh陽性のO型のみ感染しにくいという研究成果(PDF)も発表されているが、23andMeの研究ではRh型による違いはなかったとのこと。

A/B/AB型の陽性者率に統計学的な違いはなく、年齢や性別、人種などによる調整後も関係は維持されたそうだ。調整後の値でみると、O型のグループは他の血液型グループと比べてCOVID-19検査で陽性になる可能性が9~18%低く、感染者との接触がある人の場合でも13~26%低かったという。また、インフルエンザ様疾患の症状が出た陽性者のうち、重症化する可能性も1%~21%低かったとのことだ。

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