宗教上の理由でCOVID-19ワクチン接種を拒否するなら、アスピリンやアセトアミノフェンも禁止
米アーカンソー州コンウェイの地域医療システムでは宗教上の理由で COVID-19 ワクチン接種の免除を申請するスタッフに対し、アセトアミノフェンやサルブタモール、アスピリン、イブプロフェンといった一般的な医薬品30種類も使用しないという証明書 (誓約書) に署名させているそうだ (Becker's Hospital Review の記事、 Ars Technica の記事、 WebMD の記事、 9News の記事)。同システムでは季節性インフルエンザのワクチン接種も義務付けているが、免除申請数は COVID-19 ワクチンと比較にならないほど少ないという。宗教上の理由による COVID-19 ワクチンの接種拒否の増加は、COVID-19 ワクチンの開発・製造・試験に胎児細胞株が使われているという情報が広まったためとみられる。米国で食品医薬品局が使用を認めている COVID-19 ワクチンでは、ヤンセン (J&J) が開発・製造・試験に胎児細胞株を使用しており、ファイザー-バイオンテックとモデルナは試験に胎児細胞株を使用している(米ロサンゼルス郡公衆保健局の COVID-19 ワクチン情報ページ)。
胎児細胞株は中絶された胎児の細胞に由来するものだが、細胞は 1973 年と 1983 年に行われた 2 件の中絶手術の際に採取されたものであり、最近の中絶によるものではなく、ワクチン開発を目的とした中絶手術が行われることもない。完成したワクチンに胎児細胞が含まれることはなく、カトリック教会などは胎児細胞株を使用して開発・製造・試験されたワクチンの使用に倫理的な問題はないと述べているが、中絶胎児細胞に抵抗を感じる人も多いようだ。
しかし、胎児細胞株はワクチンだけでなくさまざまな医薬品の開発・製造・試験で用いられている。誓約書に記載された 30 種類の医薬品はすべていずれかの過程で胎児細胞株を使用しており、胎児細胞株を理由にワクチン接種を拒否するなら、これらの医薬品も使用できないことになる。誓約書の目的は宗教上の理由による接種拒否に偽りがないことの確認に加え、胎児細胞株が広く使われていることを教育する目的もあるという。誓約書に署名しない場合のワクチン免除は暫定的なものとなり、後日再び署名が要請されるとのことだ。
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