リーディングビュー

テルアビブ大学の研究者曰く、ARM の TrustZone のセキュリティ実装にはオープンな標準が必要

Samsung 製 Android スマートフォンで TrustZone OS (TZOS) の暗号機能に見つかった 2 件の脆弱性について、発見したイスラエル・テルアビブ大学のチームが論文 (PDF) と POC を公開している (The Register の記事Android Police の記事SlashGear の記事)。

ARM ベースの Android スマートフォンでは Android OS から独立して Trusted Execution Environment (TEE) 上で実行する TZOS にセキュリティ上重要な暗号機能が実装されるが、その暗号機能実装はベンダーに任されており、非公開でプロプライエタリな設計になっているという。研究チームは Samsung のフラッグシップデバイス Galaxy S シリーズを調査し、ハードウェアベースのキーストア (Keymaster TA) の暗号設計と実装を明らかにした。

2 件の脆弱性は Galaxy S9 の AES-GCM で見つかった IV 再利用の脆弱性 (CVE-2021-25444) と、より新しい Galaxy S10 / S20 / S21 でも IV 再利用攻撃を可能にするキーブロブダウングレード攻撃の脆弱性 (CVE-2021-25490)。前者は昨年 5 月に Samsung へ報告し、Galaxy S9 のほか Galaxy J3 Top / J7 Top / J7 Duo / TabS4 / Tab-A-S-Lite / A6 Plus / A9S を対象としたパッチが 8 月に公開されている。後者は 7 月に報告し、Android P 以降をプリインストールしたデバイスを対象としたパッチが 10 月に公開された。こちらのパッチではレガシーなキーブロブ実装が完全に削除されたとのこと。いずれの脆弱性も Galaxy S9 よりも古い S8 には存在しない。

今回の脆弱性は 1 億台程度の Samsung 製デバイスに適用されるのみだが、ベンダー各社が TZOS や TA (Trusted Application) のセキュリティや暗号の設計・実装を秘密にすることが危険な落とし穴になっている。各社はプロプライエタリシステムのリバースエンジニアリングの難しさに依存するのではなく、外部の研究者によって十分な検査ができるようにすべきだと研究チームは結論付けている。

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NFT、どう発音する?

headless 曰く、

The Verge の Corin Faife 氏が「NFT」を「neft」と発音することに決めたと主張している (The Verge の記事)。

3 音節の「NFT」は長過ぎて、繰り返されるとうっとうしいので、母音を足して短く発音できるようにしたいという趣旨だ。候補は neft のほか、「naft」「nift」「noft」「nuft」「nifty」「nafta」といったものが挙げられ、少なくとも 10 人のThe Vergeスタッフの意見を聞いて決定したとのこと。

日本語では「エヌエフティ―」が5音節、「ネフト」が3音節なのであまり短くなった気はしないが、スラドの皆さんは何と読むだろうか。

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Collins Dictionary が選ぶ 2021 年を代表する言葉は「NFT」

Collins Dictionary は 11 月 24 日、2021 年を代表する言葉「Word of the Year 2021」として「NFT」を選んだと発表した。 (Collins Dictionary Language Blog の記事Neowin の記事Mashable の記事Ars Technica の記事)。

NFT は Non-Fungible Token (代替不可能なトークン) の頭字語で、Collins Dictionary では略語として「アートワークやコレクターズアイテムの所有者を示すためにブロックチェイン上に記録されたユニークなデジタル証明書」、名詞として 「NFT によりその所有権が記録された資産」と定義している。2021 年はインターネットミームなどが NFT としてオークションに出品され、高額で落札されて注目を集めた。

新語 7 つを含む 10 の 2021 年を代表する言葉のショートリストでは、テクノロジー関連用語 として NFT のほかに「metaverse (名詞: メタバース)」と「crypto (名詞、口語: 暗号通貨 cryptocurrency の短縮形)」が含まれているとのこと。そのほかショートリストに残った言葉は以下の通り。
  • double-vaxxed (形容詞、口語) : ある疾病に対するワクチンを2回接種した
  • hybrid working (名詞) : 自宅とオフィスなど複数の異なる環境で交互に仕事をすること
  • pingdemic (名詞、口語) : (COVID-19) 接触通知アプリにより広範囲の人々に送られる通知
  • climate anxiety (名詞) : 気候変動への懸念により苦痛を感じている状態
  • neopronoun (名詞) : 最近作られた代名詞、特に「xe」「ze」「ve」などジェンダーの明示を避けるよう作られたもの
  • Regencycore (名詞) : テレビドラマ「ブリジャートン家」でみられる英摂政時代 (1811~1820) の上流階級の衣服をイメージした服装
  • cheugy (形容詞、スラング) : 以前はかっこいい・ファッショナブルだと考えられていたが、今はそうではなくなっているもの

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Google、インカの人々が情報を記録したヒモ「キープ」のオンライン展覧会を公開

Google は 19 日、インカの人々が情報の記録に用いたヒモのオンライン展覧会「The Khipu Keepers」を Google Arts & Culture で公開した(The Keyword の記事)。

Khipu (キープ) は結び目という意味で、ヒモに作った結び目やその間隔、染色の違いで異なる意味を表す。結び目の種類は3種類 (single / long / figure-eight)。single は一重結び、figure-eight は8の字結びで、long は巻き付けるようにヒモの先を繰り返し輪の中に通して結び目を長くしたもののようだ。

現存するものの 85 % は数値情報の記録に用いられており、figure-eight が数字の 1、long の巻き数で数字の 2 ~ 9 を表し、結び目のないヒモが数字の 0 を表すこともわかっている。一方、残り 15 % は言語による情報が記録されているとみられるが、現在のところ解読できていない

The Khipu Keepers ではペルー・リマ美術館 (MALI) が 8 月 15 日まで開催している特別展「Khipus」オンラインツアーが体験できるほか、Khipu の歴史構造の解説ページなども用意されている。

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FBI の組織犯罪摘発用バックドア付きスマートフォン、中古として販売されて購入者を悩ませていた

headless 曰く、

6 月にオーストラリアで大量の逮捕者を出して話題となった米連邦捜査局 (FBI) のバックドア付き暗号化通信アプリ「AN0M」だが、闇市場で取引されていた端末が格安の中古として一般の人に売却されるというケースもあったようだ。そのような端末の 1 台を Motherboard が入手し、ハンズオンリポートを公開している(Motherboard の記事Ars Technica の記事XDA Developers の記事Android Police の記事)。

こういった端末では ArcaneOS と呼ばれる機能の制限された Android OS がプリインストールされており、正常に動作しない改造 OS だと思った購入者がモバイル関係のオンラインフォーラムで相談するケースもみられる。3 月には Android-Hilfe.de で Pixel 3a 購入者6 月には XDA Forum で Pixel 4a 購入者が相談していた。いずれのケースも最初の投稿は AN0M の存在が公表される前のことだ。Motherboard はオーストラリアでの購入者から Pixel 4a を入手しており、XDA Forum の相談者と条件が一致すると XDA Developers の記事でも指摘されているが、入手元は公表されていない。

端末には 2 種類の PIN が設定されており、その一つを入力すると通常の端末らしく見える「デコイ」モードに入る。このモードでは一般的なアプリが多数インストールされているように見えるが、実際にランチャーでアイコンをタップしてもアプリは起動しない。もう一つは AN0M モードに切り替えるためのもので、アイコンは「電卓」「時計」「設定」の3つのみ。電卓のアイコンをタップすると AN0M のログイン画面が表示されるという。

Ars Technica の記事に掲載されているスクリーンショットによると、「設定」アプリではストレージや位置情報、アカウントといった項目が削除されているようだ。その一方で、セキュリティ設定にはデコイモード用の PIN 設定や自動ワイプ設定、PIN 入力用キーパッドのランダム化設定などのオプションが追加されている。

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RNP 0.15.1、復号した鍵を保護せずに保存してしまう問題を修正

Thunderbird 78.8.1~78.10.1がインポートしたOpenPGP秘密鍵を暗号化せずに保存する問題でRNPの脆弱性(CVE-2021-33589)が発覚し、修正版のRNP 0.15.1がリリースされている(RNPのアドバイザリーThe Registerの記事)。

RNPの説明によれば、鍵を復号する2つの方法のうち、rnp_key_unlock が鍵の保護設定を上書きせず一時的に復号するのに対し、rnp_key_unprotect は鍵の保護設定を上書きするため、鍵のデータが保護されていない状態で保存される。しかし、RNP 0.15.1よりも前のバージョンでは、rnp_key_unprotect 実行後に rnp_key_protect を実行しても、鍵の保護状態が再設定されないのだという。RNP 0.15.1以降では、 rnp_key_unprotect で保護が解除された鍵を rnp_key_protectが再度保護する機能が実装されたとのこと。なお、ThunderbirdではRNPとは別にThunderbird 78.10.2で修正されているため、最新版にアップデートすればいい。

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Microsoft、HTTPでのナビゲーション時に自動でHTTPSへアップグレードする機能をMicrosoft Edge 92に追加する計画

MicrosoftはHTTPでのナビゲーション時に自動でHTTPSへアップグレードする機能をMicrosoft Edge 92に追加すべく開発を進めているそうだ(Microsoft 365 ロードマップOn MSFTの記事BleepingComputerの記事)。

詳細は記載されていないが、セキュリティ向上のためHTTPSをサポートする可能性のあるドメインにHTTPでアクセスした場合、自動でHTTPSにアップグレードするオプションを追加する計画だ。さらにすべてのドメインでHTTPSアクセスを試行する設定も可能になるという。よりセキュアな接続を使用することで、中間者攻撃などを防ぐことが可能になる。なお、Microsoft Edge Canaryは既にバージョン92となっているが、オプションはまだ追加されていないようだ。

現在では多くのWebサイトがHTTPSをサポートしており、HTTPプロトコルを指定またはプロトコルを省略してアクセスした場合に自動でHTTPSにリダイレクトするWebサイトも多いが、Internet ArchiveのようにリダイレクトしないWebサイトもある。ブラウザー側でHTTPSへの自動アップグレードをサポートすればセキュリティは向上するが、エラー発生時の処理も必要となる。Google Chromeではプロトコルを省略してURLを入力した場合のデフォルトをHTTPSにする計画が進められている。

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Microsoft、5月10日からSHA-2アルゴリズムへ全面移行

Microsoftは14日、SHA-2アルゴリズムへの全面移行計画を発表した(Windows IT Pro Blogの記事KB5003341)。

太平洋時間5月9日16時(日本時間5月10日8時)にMicrosoftのSHA-1の信頼されたルート証明書機関は失効し、Microsoftの主要なプロセスとサービスはTLS証明書やコード署名、ファイルハッシュを含めてSHA-2アルゴリズムのみを使用するようになる。そのため、SHA-1でのみ署名されたアプリケーション実行やドライバーインストールで警告が表示されたり、エラーが発生したりすることがある。

SHA-1にはセキュリティやパフォーマンスの問題があり、SHA-2への移行が進められている。主要なWebブラウザーでは2017年までにSHA-1証明書を廃止しており、Microsoftは2019年からWindowsの更新プログラムでSHA-2のみを使用しているほか、昨年8月にはダウンロードセンターでSHA-1コンテンツの提供を終了した。

影響を受けるSHA-1証明書はMicrosoftのSHA-1の信頼されたルート証明書機関にチェーンしたものだけであり、個別にインストールしたエンタープライズや自己署名のSHA-1証明書は影響を受けない。ただし、Microsoftでは組織で使用する証明書もSHA-2への移行を強く推奨している。

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Linux Foundation、無料のソフトウェア署名サービス「sigstore」を発表

headless 曰く、

Linux Foundationは9日、無料のソフトウェア署名サービス「sigstore」を発表した( プレスリリースBetaNewsの記事Neowinの記事The Registerの記事)。

リリースするソフトウェアにデジタル署名する場合、鍵の管理や侵害発生時の失効処理、安全な公開鍵とハッシュの配布などに困難が伴うため、実行しているオープンソースプロジェクトは非常に少ない。sigstoreはすべてのソフトウェア開発者やソフトウェアプロバイダーが無料で容易に導入可能な署名サービスを提供し、サプライチェーンの安全性を高めるため、Red HatやGoogle、パデュー大学が中心となって設立された。sigstoreはコミュニティにより開発され、証明書を耐タンパー性のある公開ログに記録することで、ソフトウェア成果物への署名を安全に行うことが可能となる。

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ジョン・マカフィー、暗号通貨関連の詐欺などで起訴される

米司法省は5日、「サイバーセキュリティのレジェンド」ことジョン・マカフィー氏とその暗号通貨チームのエグゼクティブアドバイザーを暗号通貨に関連する詐欺やマネーロンダリングの共謀罪で起訴したことを明らかにした(プレスリリースThe Vergeの記事Mashableの記事Ars Technicaの記事)。

訴状によれば、マカフィー氏は自身が購入したことを隠して暗号通貨をソーシャルメディアで宣伝し、価格が上昇すると売却していたほか、新規暗号通貨発行(ICO)実施者から報酬を得ていることを隠してソーシャルメディアで宣伝していたという。マカフィー氏が宣伝した暗号通貨の価値は急上昇するもののすぐに下落して投資家に損害を与える一方、マカフィー氏とその暗号通貨チームは詐欺的行為により1,300万ドル以上を得たとされる。

マカフィー氏は米国での脱税および申告漏れにより昨年スペインで逮捕されており、現在も米国への身柄引き渡し待ちで収監されている。アドバイザーは4日にテキサス州で逮捕されたとのこと。本件に関しては別途、米商品先物取引委員会(CFTC)が民事訴訟を提起している(PDF)。

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RSA暗号を破壊するとの論文が発表されるも「ほぼ誤報」とみられる

数学者で暗号学者であるClaus Peter Schnorr氏の発表した未査読の論文が話題となっている。この論文はRSA暗号を破壊するレベルで劇的に高速化したアルゴリズムを開発したとするものだ。筆者であるClaus Peter Schnorr氏はドイツ・フランクフルト大学の有名な暗号の専門家として知られていることからも大きな話題を呼んだようだ。RSA暗号技術はHTTPS、VPN、SSHなどにも使用され、現在のネットのセキュリティにおいて重要な役割を持つことから、仮に論文の内容が正しかった場合は大事になりかねない(未査読の論文The Daily Swigheise online)。

結論からいうとおそらくは誤報である可能性が高い。heise onlineの記事によれば、もともとアップロードされた論文がドイツ語の混ざった誤記などがあるものだった上、作者のSchnorr氏が3月3日に最終改訂版としてアップロードしたものも、Googleの暗号研究者であるSophieSchmieg氏などによって多くの数学的矛盾が指摘されている。記事によれば、Schnorr氏は比較的小さな数に対してのみ計算を実行した可能性があるという(SophieSchmieg氏のツイート)。

国内で話題のきっかけになった情報セキュリティの研究者のTsukasa #01氏の関連する新たなツイートでは、

【重要】RSA 破壊を主張する未査読論文ですが、現状再現成功の報告なし (失敗報告あり https://github.com/lducas/SchnorrGate)。また証明内の誤りを指摘する意見 (https://crypto.stackexchange.com/questions/88582/does-schnorrs-2021-factoring-method-show-that-the-rsa-cryptosystem-is-not-secur) もあり。どう少なく見積もっても、未査読論文を不適切なまでにセンセーショナルに扱ってしまいました。申し訳ありません。

としている。なお、同氏の話題のきっかけとなった関連ツイートも一応記載しておくとこちらになる(該当ツイート)。

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Microsoft、DirectXエンドユーザーランタイムにSHA-2で署名し直して提供再開

あるAnonymous Coward 曰く、

先日、SHA-1署名されたコンテンツのダウンロードセンターからの提供中止に伴い、SHA-1署名されたDirectX SDKとDirectXエンドユーザーランタイムもダウンロードセンターから削除されたが、影響の大きさをかんがみてか、これらのダウンロードはSHA-2で署名され直して提供が再開された模様である。

なおタレコミ時点では、DirectXエンドユーザーランタイムWebインストーラー日本語版のダウンロードページおよびそのページへの短縮リンクは復活していないが、英語版のページからダウンロードできる。以前からどの言語版のページでもダウンロードできるファイルは結局同じだったので、とくに問題はない。

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秘密計算技術の普及を目的とする「秘密計算研究会」

nagazou 曰く、

NECなどの3社が2月18日「秘密計算研究会」を立ち上げたと発表した。この研究会はデータを暗号化したまま運用する「秘密計算」の普及を目的とした組織であるという。参加企業はNEC、デジタルガレージ、ソフトウェア開発企業のレピダム(秘密計算研究会ITmediaTECH+)。

公式サイトによれば、

秘密計算は、高度な暗号理論を用いて、データを暗号化した状態のままでデータベース処理、統計分析、AIによる分析などができる技術です。データ保護性が非常に高いクラウドサービスや、複数組織のデータを安全に共有・統合して1つのビッグデータとして利活用できるシステムを実現する技術として、期待されています。

とのこと。

秘密計算には「秘密分散」や「準同型暗号」を元に下した異なる方式が複数存在しているが、それぞれ独立して研究されてきたことから、安全性や性能などを一定のの基準で定量的に評価する方法が確立されていなかったという。秘密計算研究会は秘密計算における評価基準を策定し、秘密計算がクラウドなどの社会インフラ上に広く実装されることを目指すとしている。

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リリース直後に深刻な脆弱性が見つかったLibgcrypt 1.9.0、バージョン1.9.1への更新が呼び掛けられる

headless 曰く、

1月19日にリリースされたオープンソースの暗号ライブラリLibgcrypt 1.9.0で深刻なヒープバッファーオーバーフロー脆弱性(CVE-2021-3345)が見つかり、29日に修正版のバージョン1.9.1がリリースされた(アナウンスProject Zero - Issue 2145The Registerの記事)。

GoogleのProject Zeroが発見した脆弱性は汎用ブロックバッファー抽象化コードに含まれており、ブロックバッファー内で占有されたスペースがアルゴリズムのブロックサイズを超えることがないという誤った前提が原因で、データを復号する際に発生する。オーバーフローするバッファーは直後に呼び出される関数のポインターと隣接しているため、容易に悪用が可能だという。

Project Zeroから1月28日に連絡を受けたGnuPG Projectは翌29日に使用中止の呼び掛けを行い、数時間後にバージョン1.9.1をリリースしている。バージョン1.9.0がリリースされたのは1月19日だが、脆弱性は1.9の開発段階でおよそ2年前に導入されていたそうだ。そのため、1.8 LTSブランチは影響を受けないが、GnuPG Projectでは少なくともバージョン1.8.5以降を使用するよう求めている。

リリース直後ということもあって影響範囲は広くないが、既にバージョン1.9.0を使用していたGentooや、macOS用パッケージマネージャーのHomebrewでは対策が行われている。Fedora 34にもバージョン1.9.0が含まれていたが、正式リリース前だったため影響は小さかったとのこと。ただし、バージョン1.9.1では脆弱性修正と無関係な変更も行われており(リリースノート)、Intel CPUでコンパイルエラーが発生するという問題も確認されているとのことだ。

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カザフスタン政府発行のルート証明書、中間者攻撃が判明して各社ブラウザーにブロックされる

headless 曰く、

カザフスタン政府が再び独自のルート証明書を発行して中間者攻撃を行っていたことが判明し、MozillaやApple、Google、Microsoftのブラウザーが証明書のブロックを開始したそうだ(Mozillaブログ Open Policy & Advocacyの記事Ars Technicaの記事ZDNetの記事Mac Rumorsの記事)。

カザフスタンでは2019年にも政府発行のルート証明書による中間者攻撃が判明して各社のブラウザーでブロックされている。今回、カザフスタン政府はサイバー攻撃増加を理由に首都ヌルスルタンで12月6日から訓練を行うと発表し、特定の国外Webサイトへのアクセスに問題が発生した場合はセキュリティ証明書をインストールすれば解決すると説明していた。

しかし、この証明書を用いてカザフスタン政府がFacebookやGoogle、Instagram、Mail.ru、Twitter、VK、YouTubeなどのドメインへのトラフィックを傍受していることが明らかになり、各社ブラウザーで証明書がブロックされる結果となった。証明書のブロックにより、カザフスタンから対象ドメインにアクセスしようとするとエラーメッセージが表示されることになる。Mozillaでは影響を受けるユーザーに対し、VPNの使用やTor Browserの使用を推奨している。

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ゾディアックキラーの暗号 Z340 が解読される

headless 曰く、

ゾディアックキラーの暗号 Z340 が米国・オーストラリア・ベルギーのプログラマー3人により、51年の時を経て解読された(ZodiacKillerCiphers.comの記事ZodiacKillerFacts.comの記事Motherboardの記事The Registerの記事FBI SanFranciscoのツイート動画)。

ゾディアックキラーは米国・カリフォルニアで1960年代末に発生した未解決連続殺人事件の犯人で、1969年と1970年に合計4件の暗号を新聞社などに送っている。1969年8月に届いた408文字・記号の Z408 は1週間ほどで解読されているが、1969年11月に届いた340文字・記号の Z340 は長年にわたって解読が試みられたものの決定的な解読結果は出ていなかった。なお、1970年に届いた Z13 と Z32 は短すぎるため、他に情報がなければ解読はできないと考えられている。

Z340 の解読は、ゾディアックキラーの暗号に関するWebサイトZodiacKillerCiphers.comを運営する米国のDavid Oranchak氏がオーストラリアのSam Blake氏とベルギーのJarl Van Eycke氏の協力を得たことで実現した。Blake氏が65万種以上の並べ替えパターンを列挙し、Van Eycke氏による暗号解読ソフトウェアAZdecryptで処理していくうち、ゾディアックキラーが原文を3分割してから並べ替えていたことが判明したという。

暗号の主な内容としては、テレビ番組に電話出演したゾディアックキラーを名乗る人物は自分ではないこと、その人物がガス室を恐れていると述べたことに対し、死ねば楽園に行けるので自分はガス室を恐れていないことなど。この解読結果は米連邦捜査局(FBI)にも送られ、FBIがZ340初の有効な解読結果だと認めている。

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デジタル通貨提供を目指すLibra Association、Diem Associationに名称変更

headless 曰く、

Libra Associationは1日、名称をDiem Associationへ変更することを明らかにした(プレスリリースSlashGearの記事The Vergeの記事)。

Facebookなどにより昨年設立されたLibra Associationは今年前半にデジタル通貨「Libra」の運用開始を目指していた。しかし、Facebookが中心となっていること各国政府からの懸念が相次ぎ、いまだに運用は開始されていないが、来年にも限定的な運用を開始する見込みだと先週Finantial Timesが報じていた。

Diem Associationによれば、新しい名前はプロジェクトにとって新しい日(Diem)を示すものだという。Libra Associationでは初期メンバー28団体のうち決済企業の多く参加を取りやめるなど一時は20団体まで減少していたが、現在は27団体となっている。ただし、5月の段階と比較するとTagomiが抜けてBlockchain Capitalが加わっている。

Webサイトのドメインもlibra.orgからdiem.comに変わっており、libra.orgへのアクセスはdiem.comにリダイレクトされる。サイトの内容はほぼ変わっていないようだが、日本語版を含む複数の言語版が用意されていた旧サイトとは異なり、現在のところ英語版のみとなっている。

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Let's Encrypt、ルート証明書切り替えに向けて古いAndroidへの対策を呼びかけ

Let's Encryptがルート証明書の切り替えに向け、古いバージョンのAndroidへの対策をサイトオーナーとユーザーに呼びかけている(Let's Encryptのブログ記事The Registerの記事)。

5年前にLet's Encryptが立ち上げられた際にはIdenTrustのクロス署名を得たルート証明書「DST Root X3」を使用することで、メジャーなソフトウェアプラットフォームすべてで信頼される証明書をすぐに発行することが可能だったという。しかし、DST Root X3は2021年9月1日に失効する(ただし、実際に証明書を見ると有効期限は日本時間2021/9/30 23:01:15となっている)。他のCAからクロス署名を得た証明書を使い続けることはリスクが高いため、Let's Encryptでは既に独自のルート証明書「ISRG Root X1」を発行している。このルート証明書はメジャーなソフトウェアプラットフォームから信頼されているが、2016年以降更新されていないソフトウェアには信頼されない。Androidではバージョン7.1.1よりも古いバージョンが該当するとのこと。

Androidは更新されない古いバージョンが多数存在することで知られるが、Android Studioのデータによると9月時点でAndroid 7.1よりも古いバージョンのシェア合計は33.8%(StatCounterの10月分Androidバージョン別シェアデータでは18.87%)だったという。DST Root X3が失効するまでにAndroidの古いバージョンが使われなくなることは期待できないため、Let's Encryptでは早めに情報を提供することでサイトオーナーと古いバージョンのAndroidユーザーに事前の対策を促している。

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東芝が量子暗号通信を事業化へ。2035年度に世界市場シェア25%を目指す

東芝は7月に量子暗号通信網の共同研究開発の話をしていたが、10月19日には「量子暗号通信」を使った事業を始めると発表した。量子暗号通信を使ったシステムインテグレーション事業は日本では初めてだとのこと(東芝ITmedia日経新聞)。

東芝によれば、専用の光ファイバーを使用して2点間をつないで通信する「長距離用途向け」のものと既存の光ファイバー網を利用する「多重化用途向け」の2種類の量子鍵配送プラットフォームを開発しているという。専用システムでは伝送距離120kmを300kbpsで伝送でき、既存光ファイバー網利用タイプでは伝送距離70kmで速度は40kbpsになるとしている。

盗聴に強いとされる量子暗号通信を使うことで、安全保障や金融、医療分野などへの活用を計画しているという。2025年度までに日本だけでなく海外などでの展開も計画している。35年度に世界市場のシェア25%獲得を目指すとしている。

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Microsoft、Microsoft Edge 85以降でSHA-1証明書の使用を可能にする新たな(かつ非推奨の)グループポリシーを追加

headless 曰く、

MicrosoftがMicrosoft Edge 85以降を対象に、限定的ながらSHA-1証明書で保護された接続を許可できるようにするグループポリシーを追加していたようだ(Microsoft Edge - ポリシーMicrosoft Tech Communityの記事The Registerの記事ビジネス向けEdge ダウンロードページ)。

SHA-1証明書で保護された接続が許可される条件となるのは、ローカルにインストールされたルート証明書にチェーンした有効なSHA-1証明書であること。ポリシーは既存のアプリケーションとの互換性を保つためにSHA-1証明書を必要とする企業のために追加されたといい、Active Directoryドメインに参加しているWindowsインスタンスやデバイス管理に登録されているWindows 10 Pro/Enterpriseインスタンス、MDMを使用するmacOSインスタンスのみが利用できる。

Internet Explorer 11とレガシーMicrosoft Edgeでは2017年からSHA-1証明書をブロックしており、新ポリシーは追加時点で非推奨という珍しいことになっている。MicrosoftではSHA-1チェーンが安全ではないことを周知するためにポリシーをセキュリティベースラインに追加しており、一刻も早くSHA-1証明書への依存から脱却するよう呼びかけている。このポリシーは2021年中頃リリースのMicrosoft Edge 92で削除される予定とのことだ。

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