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米著作権局、AI が生成した絵画の著作権登録を 3 回にわたって拒絶

米著作権局が AI による絵画作品「A Recent Entrance to Paradise」の著作権登録を拒絶し、2 度にわたって請求された再審査でも登録拒絶が適切だと判断している (著作権局審判部の意見書The Verge の記事)。

この作品は発明家の Steven Thaler 氏が開発したコンピューターアルゴリズムにより自律的に絵画を生成するという機械「Creativity Machine」を著作者として著作権登録が申請されたもので、機械の所有者である Thaler 氏が権利者として記載されていたという。しかし、著作権局では著作権の主張に必要となる人間の著作者がいないとして、登録を拒絶した。

Thaler 氏は著作権登録に人間の著作者を必要とするのは違憲だなどと主張して再審査を要求。著作権局では再審査の結果、人間の著作者は継続的な著作権の主張に欠くことができず、作品の創造への人間のかかわりが示されていないことや、人間の著作者を必須とする判例を覆すつもりはないことを理由として登録拒絶を適切と判断した。そのため、Thaler 氏は上述の主張に加え、請負による著作物では会社など人間以外にも著作権が認められていると主張して 2 回目の再審査を要求した。

これを受けて著作権局審判部は、著作権法では寡婦・寡夫など人間にしかない家族関係が示されており、著作権登録には人間の著作者が必要であること、AI が生成した作品に著作権を認めないという意見は米特許商標庁 (USPTO) が実施した意見募集でも多数を占めていたことなどを挙げ、聖霊が作曲した音楽や猿が撮影した写真に著作権を認めないのと同様、AI が描いた絵画に著作権を認めないのは合法だと指摘した。

また、請負による著作物は契約により創作されるものであり、機械とは契約を結べないこと、請負による著作物の原則は誰が著作者であるかを示すだけで、著作権保護されるかどうかを示すものではないことを挙げ、Thaler 氏の 2 つ目の主張も否定した。これらの理由により登録拒絶は適切であり、これが著作権局として最終の判断になるとのことだ。

Thaler 氏は AI を特許の発明者として認めさせようとする活動も行っているが、米国では USPTO が特許出願書類に AI を発明者として記載することはできないと判断しており、連邦地裁も同様の判断を示している。英知的財産局 (IPO) や欧州特許庁 (EPO) も AI を発明者とした出願を認めていないが、南アフリカとオーストラリアでは認められている。

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米連邦地裁、多様性ある絵文字を送信できるアプリの著作権をAppleに侵害されたと主張する訴訟を棄却

headless 曰く、

米カリフォルニア北部地区連邦地裁の Vince Chhabria 判事は 16 日、iDiversicons というアプリを開発する Cub Club Investment (CCI) が Apple に著作権やトレードドレスを侵害されたと訴えていた裁判を棄却した (裁判所文書: PDFNeowin の記事9to5Mac の記事)。

iDiversicons は送る人の肌色に合わせた絵文字をメッセージで使用可能にするというもので、開発者は 2014 年にアプリを Apple に見せて提携の交渉をしたという。交渉は成立しなかったが、翌年には Unicode で絵文字の肌の色を変える仕組みが導入され、iOS がいち早く取り入れた。そのため、CCI は同社の絵文字を Apple がコピーし、ルック&フィールも酷似しているなどとして 2020 年に Apple を提訴している。

判事は Led Zeppelin の「Stairway to Heaven」が Spirit の「Taurus」の著作権を侵害していないと判断されたことなどを挙げて著作権法がすべてのコピーを禁じているわけではないとし、Windows 2.0 の GUI をめぐる Apple 対 Microsoft の裁判の連邦巡回区第 9 控訴裁判所判決に言及して表現の種類が限られている場合は実質的に同じものでなければ著作権を侵害したとは言えないと指摘。例えばサムズアップの絵文字の表現方法は限られており、肌色も現実的な色に限られる。

その結果、著作権侵害が認められる範囲は非常に薄く、iDiversicons と Apple の絵文字を並べて見比べた結果、著作権侵害には該当しないと判断したという。また、ルック&フィールの類似性についても、トレードドレス侵害として認められない機能面による部分が大きいと判断したとのこと。実際に CCI 側が Apple の棄却申立に反論した文書の中で絵文字を並べてそっくりだと主張しているが、最も似ているものを選んだと考えれば無理のある主張といえる。

CCI 側は訴状を修正することも可能だが、主張がほぼ全面的に否定されている現状では望み薄とみられる。

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ドイツの連邦地裁、広告ブロックソフトウェアの使用は Web サイトの著作権を侵害しないと判断

headless 曰く、

Adblock Plus の親会社 eyeo GmbH は 18 日、広告ブロックソフトウェアの使用はWebサイトの著作権を侵害しないとの判断をドイツ・ハンブルクの連邦地裁が示したことを発表した (eyeo のブログ記事 [1][2]TorrentFreak の記事)。

この裁判は広告ブロックが違法だと主張するAxel Springerがeyeoを訴えていたものだ。当初Axel Springerは広告ブロックが不当競争行為にあたるとしてeyeoを訴えたが、この主張を否定する判決がドイツ連邦最高裁で2018年に確定している。そのため、Axel Springer側は広告ブロックソフトウェアによるソースコードの改変が著作権侵害にあたるという主張に切り替え、新たな訴訟を提起していた。

これに対し、eyeo側は広告ブロックだけでなく多くのモダンブラウザーが備える追跡防止などのプライバシー機能やWebページの翻訳機能、アクセシビリティー機能なども著作権侵害になってしまうと反論。TorrentFreakによれば、連邦地裁はAdblock Plusが改変するのはブラウザー内で表示するコードのフローのみであり、コード自体は改変していないことから著作権法で定める著作物の「改訂」には当たらないと判断したという。Axel Springer側は判決を不服として控訴する意向を示しているとのことだ。

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「クマのプーさん」など 1926 年に出版された著作物が米国でパブリックドメインに

米国では 2022 年 1 月 1 日、1926 年に出版された文学・音楽等の著作物がパブリックドメインとなったほか、1923 年よりも前に出版された推定 40 万点の録音物がパブリックドメインになった (Public Domain Day 2022The Verge の記事)。

Public Domain Day 2022 では新たにパブリックドメインになった文学作品として、以下の 13 作品を取り上げている。
  • A・A・ミルン「クマのプーさん」
  • アーネスト・ヘミングウェイ「日はまた昇る」
  • ドロシー・パーカー「イナフ・ロープ」
  • ラングストン・ヒューズ「おんぼろブルース」
  • T・E・ローレンス「知恵の七柱」
  • フェリークス・ザルテン「バンビ」
  • ハリール・ジブラーン「Sand and Foam」
  • アガサ・クリスティ「アクロイド殺人事件」
  • エドナ・ファーバー「ショウボート」
  • ウィリアム・フォークナー「兵士の報酬」
  • ウィラ・キャザー「私の不倶戴天の敵」
  • D・H・ローレンス「翼ある蛇」
  • H・L・メンケン「Notes on Democracy」

米国では 1977 年までに出版された著作物の場合について、出版から 95 年の著作権保護期間を定めているため、1926 年に出版された著作物が 1 月 1 日にパブリックドメインとなった。「バンビ」は 1923 年に出版されているが、1926 年の再出版時に米国での著作権表記が行われたため、米国では 1926 年出版扱いとなっている。音楽作品でも同様、1977 年までに公表された作品には 95 年の著作権保護期間が適用されるため、1926 年に初演されたプッチーニのオペラ「トゥーランドット」も今回ようやくパブリックドメインとなった。

日本では著作者の死後 50 年または 70 年の著作権保護期間を定めており、2018 年時点で戦時加算を含めて 50 年の著作権保護期間が満了していなかった作品は 70 年間となる。そのため、「クマのプーさん」などの著作権保護期間が既に満了している一方で今年新たにパブリックドメインとなる作品はなく、「日はまた昇る」など上記作品の半分は著作権保護期間が満了していない。

日本の作家の作品でも今年パブリックドメインとなる作品はないが、青空文庫では著作者自身の希望による3作品(円城塔「鉄道模型の夜」、澤西祐典「くじらようかん」、福永信「三重塔にて」)を1月1日に新規公開しており、2日には尾崎士郎訳の「現代語訳 平家物語 01 第一巻」、3日には鴨長明作・佐藤春夫訳の「現代語訳 方丈記」を新規公開している (そらもよう)。

米国ではこれまで録音物に関しては、1972 年 2 月 15 日以降に録音された著作物のみが連邦法で保護されていたが、2018 年に成立した Music Modernization Act (MMA) で古い録音物にも著作権保護が拡大された。今回の 1923 年以前に出版された録音物のパブリックドメイン化が MMA 適用の第 1 弾であり、パブロ・カザルスが演奏したバッハの無伴奏チェロ組曲第 3 番の第 5 曲や、セルゲイ・ラフマニノフが演奏したクライスラーの「愛の悲しみ」など、多数の録音がパブリックドメインとなった。

2024 年以降は 1923 年 ~ 1972 年の録音物が順次パブリックドメインに加わっていく。保護期間は 1923 年 ~ 1946 年に出版された録音物が 100 年、1947 年 ~ 1956 年に出版された録音物は 110 年となり、1957 年 ~ 1972 年 2 月 15 日までに録音された録音物はすべて 2026 年 2 月 15 日で保護期間が満了する。

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マレーシア下院、ストリーミング技術の提供等を違法化する法案を可決

headless 曰く、

マレーシア下院がストリーミングによる著作権侵害を違法化する著作権法改正案を可決したそうだ (TorrentFreak の記事FMT の記事法案: PDF)。

改正案ではストリーミング技術の製造・輸入・販売・配布・サービス提供等により著作権を侵害する行為が禁られる。違反者には 1 万リンギット以上 20 万リンギット未満の罰金または、20 年未満の実刑、もしくはその両方が科せられる。ストリーミング技術はソフトウェア・ハードウェアの両方を含み、違反に企業がかかわる場合はその経営陣や重役等も責任を問われることになる。他にも著作権侵害行為をより効果的に取り締まれるようにする条項が盛り込まれており、マレーシアのマラケシュ条約/a>加盟に向けた準備でもあるとのことだ。

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米連邦地裁、Cloudflare が著作権侵害サイトにサービスを提供しただけでは侵害に重大な貢献をしたとはみなされないと判断

headless 曰く、

米カリフォルニア北部地区連邦地裁の Vince Chhabria 判事は 6 日、Cloudflare が著作権侵害サイトにサービスを提供しても著作権侵害に重大な貢献をしたとはみなされないとの判断を示した (裁判所文書: PDFTorrentFreak の記事Ars Technica の記事)。

この裁判はよくある著作権侵害裁判ではなく、ウェディングドレスの製造会社と販売会社が Cloudflare を訴えているものだ。侵害サイトは原告のウェディングドレス写真を掲載して注文を受け、偽物を販売して原告に損害を与えていた。

原告は侵害サイトの閉鎖に成功するものの、そのたびに新しい侵害サイトが立ち上がるという状況だったという。多くの侵害サイトが Cloudflare の CDN サービスやセキュリティサービスを利用していたことから、原告は Cloudflare が著作権侵害に重大な貢献をしていたと主張する。

著作権侵害への貢献に対する責任を問うには、著作権侵害の事実を知っており、かつ貢献度が大きいか、侵害を誘発したことを示す必要がある。しかし、単純にサービスを提供していただけで大きな貢献とはみなされず、侵害サイトへのアクセスを大幅に増加させたり、侵害の欠かせないステップであったりすることが要件となる。

しかし、原告側は CDN サービスによるパフォーマンス向上が侵害を促進したとの証拠を示しておらず、CDN サービスを使用しなくても侵害サイトへのアクセスは可能であることから欠かせないステップともみなされない。また、侵害サイトにアクセスするユーザーから見て Cloudflare のセキュリティサービス使用の有無による違いはなく、侵害サイトの問題を Web ホストへ訴えるのが困難になるということもない。

そのため、判事は Cloudflare 側に責任を問われるような著作権侵害への重大な貢献はなかったと判断。原告側の略式判決請求を却下し、被告側の略式判決請求を認めた。

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作曲家ジョージ・ガーシュインの曲の一部が再び著作権料徴収の対象に

ある Anonymous Coward 曰く、

作曲家ジョージ・ガーシュインの作品は著作権保護期間が満了してパブリックドメインとなっていたが、ジョージの兄アイラ・ガーシュインとの共同著作物と確認された曲が再び著作権保護の対象となった (JASRAC のプレスリリースNHK ニュースの記事)。

ジョージとアイラの共同著作物として確認された曲に関しては、2022 年 1 月 1 日より JASRAC が使用料を徴収する。「サマータイム」は対象、「ラプソディ・イン・ブルー」は対象外など曲によって扱いに違いがあるため、詳細や対象曲については上記 JASRAC のプレスリリース及びそのリンク先 PDF を確認されたい。

米国では 1977 年までに出版された著作物の保護期間が 95 年のため、ガーシュウィンの作品は「ラプソディ・イン・ブルー」 (1924年) など初期の作品を除く大半が現在も著作権保護の対象となっている。日本ではジョージ (1937年没) の作品の著作権保護期間が死後 50 年 + 戦時加算で 1998 年 5 月に満了している。オペラ「ポーギーとベス」やミュージカル作品などのソングに関しては、これまでアイラ (1983年没) が作詞した作品の歌詞部分のみ、JASRAC が著作権管理していた。

今回アイラが音楽部分の共同著作者と確認されたことで音楽部分の著作権保護が復活し、アイラの死後 70 年が経過する 2053 年まで保護期間となる。また、「ポーギーとベス」ではアリア「サマータイム」など 5 曲が音楽・歌詞ともにパブリックドメインとなっていたが、アイラが歌詞部分でも共同著作者となったため、すべての著作権保護が復活した。「ポーギーとベス」序曲など、歌詞のない音楽要素の著作権保護も復活しているので注意が必要だ。

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DMCA 迂回禁止条項違反を主張する怪しい削除要請、著名サイトもターゲットに

実在するかどうかも怪しい「Video Industry Association of America」という団体が Google に対し、米著作権法 1201 条 (DMCA 迂回禁止条項) 違反による検索インデックスからの削除要請を多数送っているようだ(TorrentFreak の記事)。

Google は 1201 条違反を主張する削除要請を受けた場合、512 条に基づく通常の削除要請(いわゆる DMCA 削除要請)とは別に処理を行う。そのため透明性リポートには記載されないが、Lumen には削除要請のアーカイブが保存される。同団体名で Google に送られた削除要請は過去 2 か月間で 200 件を超える。

TorrentFreak が同団体を知ったのは、米著作権局の偽物が同団体に代わって Google に送ったという削除要請だ。米著作権局は一連の削除要請がなりすましによるものだと確認している。同団体が送った削除要請の説明は「Video Industry Association of America に代わってこれらのコンテンツを削除するよう強く申し立てる」といった部分を含め、偽の著作権局が送った削除要請とほぼ同じ内容だ。ただし、同団体が送った削除要請の一部では説明の冒頭にロシア語が追加されている。

削除要請の対象には著作権者が問題視するリッピングツールなどのサイト URL も含まれるが、インターネットプロバイダーやニュースサイトなど著作権侵害と無関係な URL も多数含まれる。Google はほとんどの削除要請を無視しているが、一部の小規模なニュースサイトは Google の検索結果から消える結果となった。

現在は復活しているようだが、同団体の削除要請により Google のインデックスから一時削除された Fossbytes によれば、削除要請の送信地はロシアだったという。なお、DMCA 削除要請による削除とは異なり、1201 条違反による削除要請には異議申し立ての方法が用意されておらず、いったん削除されると復活は簡単ではないとのことだ。

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意外と多い localhost の DMCA 削除要請、Google は1回だけ削除していた

headless 曰く、

普通なら単なる間違いだと考えられる localhost に対する DMCA 削除要請だが、Google は過去 8 年間で検索結果から 400 件の URL 除外を求めるリクエスト 24 件を受け取っているそうだ(Google 透明性レポート)。

localhost の URL を含む削除要請は 2018 年まで年に数件ペースで送られており、最近は少なくなっていたが、7 月 22 日にウクライナの知的財産保護企業 Vindex がウクライナのテレビ局 Trk Ukraina を著作権者として送った削除要請に含まれている(Google 透明性レポート: リクエスト 11953839TorrentFreak の記事 )。

Google 透明性レポートによれば削除要請を受けた localhost URL のうち 22.5 % が削除されたことになっているが、削除されたのは 2013 年 7 月 2 日付の最も古い削除要請に含まれる 90 URL のみで、以降はすべて却下されている。2013 年 7 月 2 日に送られた別の削除要請でも localhost の 108 URL を対象にしており、最初の削除要請と似たようなパターンの URL になっているが、こちらは 1 件も削除されていない。

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ものみの塔が YouTube のレゴアニメクリエイターを訴えている裁判、3 年かけても名前もわからず

headless 曰く、

ペンシルベニア州のものみの塔聖書冊子協会 (ものみの塔) が動画の著作権について 2018 年から YouTube クリエイター「kevin McFree」と争っているのだが、3 年かけても全く進んでいないそうだ(TorrentFreak の記事)。

kevin McFree チャンネルの動画は架空のエホバの証人の街「DubTown」を舞台にしたレゴアニメ。一見子供向けだが大人向けで、エホバの証人の厳しすぎる戒律を元信者の目から軽いユーモアを込めて描いているという。

問題の動画は 2018 年に公開されたもので、7 分半にわたってエホバの証人の未公開動画が使われていたという。ものみの塔はエホバの証人の著作権管理団体として、米デジタルミレニアム著作権法 (DMCA) に基づく文書開示令状 (PDF) を取得。この令状で Google / YouTube に McFree の個人情報を開示させようとしたが、McFree 側が異議を申し立てたために情報は開示されず、動画が削除されるにとどまった。

それからおよそ 2 年経過した 2020 年 8 月、判事は McFree 側の令状破棄の申立を受理したが、11 月から審理は中断している。原告側は 5 月に McFree を相手取った本格的な著作権侵害訴訟を提起しているが、被告について判明している情報は英国在住の英国市民であることと Gmail のアドレスのみであり、本名も住所も不明のままだ。

令状破棄の申立が保留になっていることから YouTube が被告に関する情報を開示する可能性はなく、裁判所の書記官は本名がわからない限り召喚状を発行しないという。原告側は裁判の進め方について判事に協議を求めた (PDF)が、判事は協議の必要がないと拒否し、令状破棄に関する別の判事の判断を待つしかないなどと述べているとのことだ。

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自サイトに著作権を侵害されたと主張する DMCA 削除要請

headless 曰く、

自動処理による誤った DMCA 削除要請には単にタイトルが同じだけといったものから間違った理由の全くわからないものまでさまざまだが、自サイトに著作権を侵害されたという斬新な削除要請が登場した(TorrentFreak の記事削除要請[1][2])。

削除要請は韓国のウェブトゥーンサイト Toomics が Google に送ったもので、同サイト掲載作品「Sweet Bitter Love」「You Have The Wrong Person」の著作権が侵害されているとしてWeb検索結果のインデックスから削除するよう要請する内容だ。類似タイトルのブログ記事やニュース記事、歌詞などは当然のように多数含まれており、モーツァルトの「魔笛」「魔笛」に登場する夜の女王のレシタティーヴォとアリアに関する英語版Wikipedia記事Collins Dictionary の伊英辞典の見出し語「così」独英辞典の見出し語「ich」といった全く無関係そうな URL も含まれる。

Toomics は各作品を多言語で公開しており、著作権を侵害されたオリジナルとして記載されているのは英語版だ。一方、著作権を侵害する自サイトのページには同じ作品が掲載されており、他言語版サブドメインのみ異なる英語版が含まれる。

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JASRACによる音楽教室からの著作権料徴収を巡る裁判、控訴審では教師と生徒で判断が別れる

ヤマハ音楽振興会などおよそ250の事業者が、音楽教室での授業によって楽曲の著作権使用料を徴収されるのは不当だとして、日本音楽著作権協会(JASRAC)を訴えていた裁判で、2審の知的財産高等裁判所は、JASRAC側一部敗訴の判決を言い渡した。一審の東京地裁では、生徒や講師の演奏には著作権が及ぶと判断していた(JASRACプレスリリース[PDF]、、音楽教育を守る会朝日新聞FNNプライムオンライン日経新聞テレ東NEWS)。

今回の裁判では音楽教室における演奏が「公衆に聞かせる目的の演奏」であるかが主な争点となった。判決では先生の演奏と生徒の演奏とに分けて判断が行われた。東京高裁は生徒の演奏目的は、「演奏技術の向上で自らのために行うものだ」と判断。演奏権の侵害には当たらないとし、生徒の演奏には著作物使用料が発生しないとした。

一方で、同じレッスンの中における教師の演奏には著作物使用料を支払う必要があるとしている。原告側は今後の方針については、意見を集約した上で決めるとしている。JASRAC側は最高裁への上告を検討する方針を示している。

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Adobe、MS-DOS版Acrobat Reader 1.0の「海賊版」へのリンクにDMCA削除要請

headless 曰く、

MS-DOS版Acrobat Reader 1.0のダウンロードページへのリンクを含むツイートにDMCA削除要請が届いたと、F-SecureのMikko Hypponen氏が報告している(Hypponen氏のツイートTorrentFreakの記事)。

問題のAcrobat Reader 1.0はビンテージソフトウェアのオンライン博物館「WinWorld」で公開されているもので、Adobeの許可は得ていないとみられる。ダウンロードページの説明によると、1994年にリリースされたAcrobat Reader 1.0は唯一MS-DOS版が存在するバージョンであり、唯一無償配布されなかったバージョンでもあるという。

Hypponen氏はリンクを5年前に投稿していたのだが、5年前のツイートを再投稿するTwitterボット(@mikko__2016)による投稿が網にかかったようだ。削除要請を送ったのはAdobeの海賊版対策パートナーIncoproで、自動処理によるものかどうかは不明だ。元のツイートに対しては短縮リンク(https://t.co/tbAT0CH25o)のみが削除要請の対象になっており、短縮リンクも削除されていない。また、WinWorldのダウンロードページも無事だ。

Incopro(Adobe)が27年前のソフトウェアを本気で海賊版として削除させようとしているのかどうかは不明だが、博物館に収蔵すべきソフトウェアであり、DMCAの対象ではないとHypponen氏はTorrentFreakに語り、必要があればAdobeと争う構えを見せたとのことだ。

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EU司法裁判所、外部サイトのコンテンツを埋め込み表示する行為は公衆送信にあたると判断

EU司法裁判所は9日、あるWebサイトが権利者の許諾を得て一般公開している著作物であっても、他のWebサイトがフレーム内に埋め込み表示する行為は原則として公衆送信に該当するとの判断を示した(裁判所文書SPKのプレスリリースTorrentFreakの記事)。

この裁判はデジタルライブラリーサイトDeutsche Digitale Bibliothek (DDB)を運営するドイツの文化財団Stiftung Preußischer Kulturbesitz (SPK)がビジュアルアート関連の著作権管理団体Verwertungsgesellschaft Bild-Kunst (VG Bild-Kunst)を訴えているものだ。

DDBは博物館などのWebサイトと連携したデジタルショーケースとして機能し、アート作品に関してはプレビュー用の低解像度画像のみを保持している。著作権保護された作品については著作権者の許諾を得ているが、VG Bild-Kunstが外部サイトで埋め込み表示されないようにする技術的保護手段の適用を許諾条件として要求したため、SPKは不当な要求だとしてドイツ国内で訴訟を提起した。

裁判では外部サイトによる埋め込み表示が公衆送信に該当するかどうかが争点となっており、公衆送信に該当する場合、VG Bild-Kunstの許諾条件は正当ということになる。そのため、公衆送信権を定める欧州指令2001/29/ECをどのように解釈すべきか、ドイツ連邦最高裁判所がEU司法裁判所に事前判決を求めていた。EU司法裁判所は既に公開されているコンテンツにハイパーリンクを張る行為について、無償で合法的に一般公開されているコンテンツなら公衆送信に該当せず著作権侵害コンテンツであることを知っている場合は公衆送信に該当するとの判断を過去に示しているが、埋め込み表示に関しては今回が初の判断となる。

本件に関しては昨年9月、ページを開いた時にコンテンツが自動で表示される場合は公衆送信となり、リンクをクリックした場合のみコンテンツがフレーム内に表示される場合は公衆送信にならないという見解をEU法務官が示している。一方、EU司法裁判所の判断は、コンテンツが表示されるタイミングにかかわらず、外部サイトでの埋め込み表示を回避するための技術的保護手段を権利者が採用または要求した場合、外部サイトでの埋め込み表示は2001/29/ECが定める公衆送信に該当すると判断した。

今回の判決を受けてSPKでは、最終的にはドイツ連邦最高裁判所の判断待ちとしつつ、著作者の中にはより広く作品が知られることを望む人も多いとし、著作権管理団体により一律に許諾条件が定められるべきではないとの見解を示している。

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米連邦地裁、CorelliumのiOS仮想化サービスはフェアユースと判断

headless 曰く、

米フロリダ南部地区連邦地裁のRodney Smith判事は12月29日、セキュリティ企業Corelliumが提供するiOS仮想化サービスはフェアユースにあたり、Appleの著作権を侵害しないとの判断を示した(裁判所文書: PDFHackReadの記事Ars Technicaの記事The Vergeの記事)。

CorelliumのiOS仮想化はAppleが無償提供しているiOSのソフトウェアイメージ(IPSWファイル)をダウンロードして利用するもので、製品にAppleのコードは含まれない。製品のターゲットは脆弱性調査を行うセキュリティ研究者となっており、App Storeや音声通話、カメラといった一般ユーザー向けの機能は利用できない。アプリ開発者に有用な機能は含まれるが、アプリ開発者には訴求しない価格設定になっているという。Appleは2018年にCorellium買収について交渉を行っていたが、最終的に買収金額が折り合わず、交渉は打ち切られている。AppleがCorelliumを訴えたのは翌2019年8月のことだ。

Appleの訴えの主なポイントは、CorelliumによるiOSの著作権侵害と、デジタルミレニアム著作権法(DMCA)1201条(迂回禁止条項)違反の2点だ。Apple側はDMCA迂回禁止条項違反について略式判決を請求していた。一方、Corellium側は著作権保護の対象となるApple製品の要素の利用がフェアユースに相当し、DMCA迂回禁止条項の免除対象になるなどと主張して略式判決を請求していた。

Smith判事はまず、CorelliumによるiOSの利用がフェアユースに相当することを確認し、Corelliumの略式判決請求を一部認めた。一方、DMCA迂回禁止条項違反の有無に関しては、両者の略式判決請求を却下している。

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「グレート・ギャツビー」など1925年に出版された著作物が米国でパブリックドメインに

headless 曰く、

米国では2021年1月1日、1925年に出版された著作物がパブリックドメインとなった(Center for the Study of the Public Domainの記事The Vergeの記事)。

1925年は文学作品の当たり年と考えられており、スコット・フィッツジェラルドの「グレート・ギャツビー」やバージニア・ウルフの「ダロウェイ婦人」、アーネスト・ヘミングウェイの「われらの時代 (In Our Time、1925年版)」、フランツ・カフカの「審判」など、数多くの作品が世に出されている。

多くの国では著作者の死後50年または70年の著作権保護期間を定めており、フィッツジェラルド(1940年没)やウルフ(1941年没)、ヘミングウェイ(1961年没)、カフカ(1924年没)の作品はすべてパブリックドメインとなっている。しかし、米国では1977年までに出版された著作物の保護期間が95年のため、まだ全作品がパブリックドメインにはなっていない。「シャーロック・ホームズ」シリーズ最後の10作品で複雑に変化したホームズの人物像が著作権保護されるという主張は、米国で作者アーサー・コナン・ドイル(1930年没)晩年の作品が著作権保護期間内であることによるものだ。

このほか、米国ではハロルド・ロイドやバスター・キートンの複数の映画作品や、ジャズのスタンダード曲「スウィート・ジョージア・ブラウン」など、著作権保護期間が死後70年のEUなどでは作家ジョージ・オーウェルやバーナード・ショー、作曲家クルト・ワイルなどの作品、死後50年のカナダなどでは音楽家ジミ・ヘンドリックスやジャニス・ジョプリン、作家三島由紀夫などの作品がパブリックドメインに加わった。

なお、日本では第二次世界大戦後に出版されたヘミングウェイ作品は2012年にパブリックドメインとなったが、2018年に著作権保護期間が死後50年から死後70年に延長されたため、この時点で戦時加算により著作権保護期間が満了していなかった「われらの時代」などの作品は現在も著作権が存続している。また、昨年末で作者の死後70年を経過した著作物はすべて2018年までに死後50年の著作権保護期間が満了しており、今年日本で新たにパブリックドメインとなる作品は存在しない。ただし、作品がより多くの国でパブリックドメインになることで利用しやすくなり、映像化などが活発化する可能性もある。

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音楽出版社BMG、ものみの塔に著作権侵害で訴えられる

音楽出版社BMG Rights Managementが11月に発売したアルバムで著作物が無断で使われたとして、ペンシルバニア州のものみの塔聖書冊子協会がBMG USやBMG UKなどを米ニューヨーク南部地区連邦地裁に提訴した(TorrentFreakの記事訴状: PDF)。

このアルバムはアレッド・ジョーンズの「Blessings」で、ものみの塔が著作権を持つ楽曲「Listen, Obey, and Be Blessed (邦題: 聞いて従い,神の祝福を得る)」が収録されている。ものみの塔は宗教団体エホバの証人の著作権管理団体であり、教義により著作物を(a)商業化しない、(b)他の宗教に関連するものとともに使うことを認めない、(c)クリスマスの祝いとともに使うことを認めない、といった決まりがあるという。

しかし、アルバム「Blessings」は商業作品であり、宗教間を結びつけるアルバムという趣向で異なる複数の宗教の宗教曲が合わせて収録されているほか、クリスマスアルバムとして宣伝されている。ものみの塔ではアルバム発売前、楽曲を使用しないようアレッド・ジョーンズに連絡したところ、BMG UKがドイツの著作権団体GEMAから著作物の使用許諾を得たと回答。ところが、ものみの塔はGEMAに著作物をライセンスしておらず、GEMAは権利がないためBMGの申請を却下していたことが判明する。

さらなる問い合わせにBMG UKは、米著作権法115条に基づく強制使用許諾の手続きをBMG USが進めていると回答したが、要件となる事前の通知が行われておらず、強制使用許諾は成立しない。その結果、BMGは著作権を侵害しただけでなく、ものみの塔が教義に反する著作物使用を許可したとの誤った印象を与えて信用を失わせたなどとして、事前および恒久的な差止や損害賠償などを求めている。

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EU法務官、ISPは海賊版ファイル共有者の情報を著作権トロールに渡す必要はないとの見解

headless 曰く、

ISPは海賊版ファイル共有者の情報を著作権トロールに渡す必要はないとの見解をEU法務官が示している(意見書TorrentFreakの記事)。

本件はキプロスのMircom International Content Management & ConsultingがベルギーのISP 3社を相手取り、同社が欧州で権利を持つ映画の海賊版をBitTorrentで共有したユーザーについて、IPアドレスなどの情報を開示するよう訴えている裁判に関連するものだ。ベルギーの裁判所では3社に情報開示を命じたが、3社が上訴したため、EU司法裁判所の事前判断を求めている。

EU法務官は意見書で、「著作権トロール (copyright troll)」について、保護されている著作物の権利を取得する一方で著作物を利用することはなく、海賊版利用者から和解金を得ることを主な収入源にしている者と定義。このような著作権トロールが法廷に訴えるのはISPなどから海賊版利用者の情報を得るためであり、実際に海賊版利用者を訴えることはないとも指摘する。

意見書ではMircomが著作権トロールに相当すると指摘し、EU指令2004/48/EC第4条(b)で定める法的救済の申請などが著作権トロールには認められないことや、EU加盟各国の裁判所は同指令第8条で定める情報開示の要求が不当だと判断した場合は拒否することなどの判断を示すよう、EU司法裁判所に求めている。

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ファイル共有合法化を求める欧州市民イニシアチブ「Freedom to Share」

ファイル共有の合法化を求める欧州市民イニシアチブ「Freedom to Share」が署名集めを開始した(TorrentFreakの記事プレスリリース)。

Freedom to Shareは個人の使用および非営利目的に限り、著作権や隣接著作権、データベース権で保護された著作物やその他の素材を含むファイルについて、権利者の権利と科学や文化に関する普遍的権利とのバランスをとりつつデジタルネットワーク経由で共有することの合法化を目指しているという。

欧州市民イニシアチブ(ECI)はEU加盟国7か国以上の市民による市民委員会が100万人以上の署名を集めることで、欧州委員会に立法化を提案することができる制度。欧州委員会では5月にFreedom to ShareのECI登録を承認しており、1年間かけて必要数の署名が集まれば立法化が検討されることになる。Freedom to Shareは欧州各国の海賊党やWikimedia Italiaなどが支援しているとのことだ。

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知的財産侵害市場に関する米通商代表部の意見募集が米国外市場に限定されなくなったことにFacebookなどが反論

米通商代表部(USTR)による知的財産侵害市場に関するスペシャル301条2020年版報告書「2020 Special 301 Out-of-Cycle Review of Notorious Markets」の意見募集で、知的財産侵害市場が米国外に限定されなくなったことに対しFacebookなどが反論している(意見リストTorrentFreakの記事)。

もともと報告書は米国外の知的財産侵害市場に関するものだが、以前から米企業のAmazonやCloudflareなどを名指しする意見も寄せられていた。このような意見が報告書に取り入れられたことはなかったが、2019年版報告書ではAmazonの米国外ドメインが知的財産侵害市場として記載された。しかし、2020年版の意見募集では米国外に限定されなくなったことで、米企業を知的財産侵害市場として名指しする意見とそれに対する反論が目立つようになっている。

AmazonInternet Associationなどは各社による知的財産保護対策を挙げて反論しているが、FacebookComputer & Communications Industry Associationはそれに加え、米国市場を加えること自体が報告書の目的に合わないとする反対意見を提出している。特にFacebookでは、報告書の目的は知的財産保護システムの整っていない外国への対策を行うためのものであり、米企業のFacebookを加えようとすることは米国の知的財産保護システムが不十分だと指摘するようなものだと主張している。

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