電源を切った iPhone でマルウェアを実行する手法
headless 曰く、電源を切った iPhone でマルウェアを実行する手法について、ドイツ・ダルムシュタット工科大学の研究グループが研究成果を発表している (論文アブストラクト、 HackRead の記事、 ACM WiSec 2022 でのプレゼンテーション動画)。
iOS 15 以降では電源をオフにしてから 24 時間後まで「探す」ネットワークが利用でき、iOS 15.2 以降ではバッテリー残量がなくなって電源が切れた状態の省電力モードでも 5 時間後まで「探す」ネットワークが利用できる。また、iOS 14 以降ではウォレットアプリに入れたカードやパス、キーが省電力モードで利用できる。つまり、電源が切れた (ように見える) iPhoneでも、予備電力が消耗しない限り一部の機能は稼働し続けていることになる。
研究グループが調査したところ、稼働し続けるモジュールはBluetoothとNFC、超広帯域 の 3 つであることが判明する。NFC と超広帯域のファームウェアは署名されているが、Bluetooth のファームウェアは署名されておらず、CRC をチェックするのみだという。iPhone が採用する Broadcom の Bluetooth チップにはファームウェアに RAM 上でパッチを適用する Patchram という機能があり、電源が切れた iPhone で Bluetooth チップへ容易にマルウェアを読み込ませ、実行させることが可能とのこと。
なお、研究グループが分析に使用したツール InternalBlue は脱獄した iOS を必要とするが、Bluetooth ファームウェアのパッチに iOS の脱獄が必要かどうかは明記されていない。ただし、脱獄ユーザーが少ないにもかかわらず、研究グループはハードウェアベースでバッテリーを切断できるスイッチの必要性を訴えており、非脱獄 iPhone を攻撃することも可能とみられる。
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