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「シャーロック・ホームズ」シリーズ最後の作品が間もなく米国で著作権保護期間満了

米国で「シャーロック・ホームズ」シリーズ最後の作品の著作権保護期間が間もなく満了し、2023 年 1 月 1 日にはパブリックドメインになる (The Verge の記事)。

シャーロック・ホームズシリーズの作者アーサー・コナン・ドイルは 1930 年に死去しており、著作権保護期間が作者の死後 70 年の英国では既に全作品の保護期間が満了している。一方、米国では 1977 年までに公表された作品の著作権保護期間が公表から 95 年となるため、1927 年に公表された作品の保護期間は 2022 年末までとなる。

米国で 2023 年 1 月 1 日にパブリックドメインとなるシャーロック・ホームズシリーズ最後の作品は、短編集「シャーロック・ホームズの事件簿」収録の「The Adventure of Shoscombe Old Place (ショスコム荘)」と「The Adventure of the Veiled Lodger (覆面の下宿人)」の 2 作品。2023 年以降も著作権保護期間の続くドイル作品もあるが、ホームズに関連する作品は制作・公開しやすくなるだろう。

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米著作権局、AI がアートワークを生成したグラフィックノベルを著作権登録

AI でアートワークを生成したグラフィックノベルが米著作権局で著作権登録されたそうだ (Ars Technica の記事作者の Instagram 投稿)。

この作品「Zarya of the Dawn」は Kris Kashtanova 氏がストーリーを書き、画像生成 AI プログラム Midjourney で生成したアートワークを取捨選択してレイアウトしたものだという。

AI の生成した絵画の著作権登録を拒否したことが話題になった米著作権局だが、あくまで AI を著作者とすることを拒否したのであって、AI を使用して作品を制作した人間を著作者として認めないわけではない。Kashtanova 氏は AI でアートワークを生成したと説明しつつ、自身を著作者として著作権登録を申請したため、認められて当然の申請だったともいえる。

アルゴリズムによる芸術作品生成は 1960 年代から行われており、生成された作品が過去に著作権登録されていた可能性も高い。ただし、最近注目を浴びる画像合成モデルによる作品の著作権登録が公表されるのは初とみられる。

Zarya of the Dawn は AI Comic Books で無償公開されている。

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YouTube、Content ID の申し立てに対する反論のプロセスを大幅に迅速化

headless 曰く、

YouTube が Content ID の申し立てに対する反論のプロセスを大幅に迅速化する変更を発表している (YouTube ヘルプの記事9to5Google の記事)。

これまで、Content ID の申し立てを受けたクリエイターが反論する場合、申立人には異議申し立て再審査請求それぞれについて 30 日間の回答期限が与えられていた。変更が適用されると、再審査請求に対する回答期限が 7 日間となる。また、異議申し立てに対する回答期限は変わらないものの、動画をブロックする Content ID の申し立てに対しては異議申し立てを飛ばして直接再審査請求にエスカレーションする新しいオプションが選択可能になる。これにより、誤った Content ID の申し立ての解決が迅速化し、ブロックされた動画もすぐに復活するようになる。

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無断スキャンした書籍を公開するInternet Archiveと出版社との裁判、双方が略式判決を要求

権利者に無断でスキャンした書籍を貸し出す Internet Archive を米国で複数の出版社が訴えている裁判で、原告被告双方が連邦地裁判事に略式判決を求める書状を送っている (TorrentFreak の記事被告側の書状: PDF原告側の書状: PDF)。

Internet Archive の Open Library では所有する紙の書籍をスキャンして貸し出すサービスを行っている。同時貸し出しを制限する Controlled Digital Lending (CDL) という仕組みも導入しているが、COVID-19 パンデミック初期の 2020 年 3 月には閉鎖した図書館に代わって電子書籍を貸し出す National Emergency Library (NEL) として貸出数の制限を 12 週間にわたって解除した。Internet Archive 側はフェアユースを主張しているが、同年 6 月には著作権侵害としてアシェットやハーパーコリンズなどの大手出版社が提訴した。

今回 Internet Archive 側が判事に送った書状では、サービスが非営利であり、CDL により所有する紙の書籍の数に貸出数を制限していること、大半が出版から 5 年以上経過した書籍であること、貸し出しているのは正規に購入した書籍であり、出版社に損害を与えていないことなどを理由にフェアユースを主張している。また、2020 年春の状況を踏まえれば NEL もフェアユースであるとして、Open Library と NEL のフェアユースを認める略式判決を求めている。

一方、出版社側が判事に送った書状では、Internet Archive が 2019 年にオンライン最大の古本販売業者を買収して大量の書籍をフィリピンや中国に送って電子化するなど、産業規模で海賊版電子書籍を製造していると指摘。Google Books 判決 (書籍の無断スキャンはフェアユースと判断されたが、利用目的は全文検索とスニペット表示に限られる) では印刷された書籍から電子書籍を作ることは現著作物の権利者が占有する二次的著作物を作る権利にあたるとの判断が示されたと主張する。また、電子書籍化は変形的使用に当たらず、無料提供により購入する可能性が低くなるため著作物の価値を低下させることなどを挙げ、フェアユースにあたらないことを認める略式判決を求めている。

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米上院議員、著作権保護期間を最長 56 年間に短縮する法案

米国のジョシュ・ホーリー上院議員は 10 日、著作権保護期間を最長 56 年間とする「Copyright Clause Restoration Act of 2022」法案の提出を発表した (プレスリリースTorrentFreak の記事The Verge の記事法案: PDF)。

法案は米 1909 年著作権法の著作権保護期間 (28 年 + 延長 28 年) を復活させるもので、施行後に発生する著作物に適用されるほか、大手エンターテインメント企業の保有する著作物には遡及的に適用される。具体的には北米産業分類システム (NAICS) コード71 (芸術・エンターテインメント・リクリエーション) またはコード 5121 (映画とビデオ) に区分される産業、もしくはこれらのコードに区分される活動を相当量行う、市場価値 1,500 億ドル以上を保有する者が遡及的適用の対象となる。

消費者保護の観点立った法案多いホーリー氏だが、今回のプレスリリースでは特別な著作権保護の特権により多額の収入を得る一方で活動家への迎合を強めているなどとディズニーを批判し、共和党が大企業をもうけさせる時代は終わったなどと述べている。ディズニーの特権を奪ってクリエイティビティとイノベーションの新しい時代を開く時だとも述べているが、共和党が少数派の上院で可決する可能性は低く、フロリダ州のいわゆる「Don't Say Gay」法案に反対したディズニーへ政治的圧力をかけるための法案とみられている。

また、米国が加盟するベルヌ条約では個人の著作物について、少なくとも著作者の死後 50 年間は保護期間とするよう定めている。今回の法案では著作者が創作後 6 年以上経過して死去した場合の保護期間が死後 50 年未満となり、ベルヌ条約に抵触することにもなる。

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「スーパーマリオ」アニメ映画のネタバレ投稿、Reddit から削除される

公開が 2023 年春に延期された「スーパーマリオ」のアニメ映画について、著作権者の要請で Reddit からネタバレを主張する投稿が削除された (TorrentFreak の記事)。

元の投稿には現在、サードパーティの著作権主張に応じて削除した旨が表示されているだけで、具体的な削除理由や削除要請者は不明だ。TorrentFreak が Reddit に問い合わせたが、追加の情報は得られなかったという。ただし、元の投稿に映画のセリフや画像など直接的な著作物の一部らしきものは含まれておらず、その内容が正確かどうかは不明だが、少なくともネタバレが削除要請の対象になったとみられる。削除要請は無関係な第三者から送られた可能性もあるが、その場合は Reddit 側が簡単に応じるとは思えないので、任天堂または映画会社から送られたものと TorrentFreak は予想する。

問題は実際にネタバレが著作権侵害にあたるかどうかという点だが、過去にテレビドラマ「ツイン・ピークス」のあらすじを含む書籍が著作権侵害にあたると認められた判例があり、それを根拠としてネタバレ記事に削除要請する権利者もいるようだ。日本ではネタバレサイトの運営者が書類送検されているが、こちらは漫画のセリフをほぼすべて文字起こしして掲載していたというものなので、状況が異なる。

逆にネタバレがフェアユースと認められることもあるが、投稿者側が反論を用意できなければ削除されたままになってしまう。そのため、DMCA 削除要請が「スーパーマリオ」映画の内容を予想する投稿を止めるのに適切かどうかは別として、手早く問題を解決できるツールとして使われているようだ。

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米著作権局、AI が生成した絵画の著作権登録を 3 回にわたって拒絶

米著作権局が AI による絵画作品「A Recent Entrance to Paradise」の著作権登録を拒絶し、2 度にわたって請求された再審査でも登録拒絶が適切だと判断している (著作権局審判部の意見書The Verge の記事)。

この作品は発明家の Steven Thaler 氏が開発したコンピューターアルゴリズムにより自律的に絵画を生成するという機械「Creativity Machine」を著作者として著作権登録が申請されたもので、機械の所有者である Thaler 氏が権利者として記載されていたという。しかし、著作権局では著作権の主張に必要となる人間の著作者がいないとして、登録を拒絶した。

Thaler 氏は著作権登録に人間の著作者を必要とするのは違憲だなどと主張して再審査を要求。著作権局では再審査の結果、人間の著作者は継続的な著作権の主張に欠くことができず、作品の創造への人間のかかわりが示されていないことや、人間の著作者を必須とする判例を覆すつもりはないことを理由として登録拒絶を適切と判断した。そのため、Thaler 氏は上述の主張に加え、請負による著作物では会社など人間以外にも著作権が認められていると主張して 2 回目の再審査を要求した。

これを受けて著作権局審判部は、著作権法では寡婦・寡夫など人間にしかない家族関係が示されており、著作権登録には人間の著作者が必要であること、AI が生成した作品に著作権を認めないという意見は米特許商標庁 (USPTO) が実施した意見募集でも多数を占めていたことなどを挙げ、聖霊が作曲した音楽や猿が撮影した写真に著作権を認めないのと同様、AI が描いた絵画に著作権を認めないのは合法だと指摘した。

また、請負による著作物は契約により創作されるものであり、機械とは契約を結べないこと、請負による著作物の原則は誰が著作者であるかを示すだけで、著作権保護されるかどうかを示すものではないことを挙げ、Thaler 氏の 2 つ目の主張も否定した。これらの理由により登録拒絶は適切であり、これが著作権局として最終の判断になるとのことだ。

Thaler 氏は AI を特許の発明者として認めさせようとする活動も行っているが、米国では USPTO が特許出願書類に AI を発明者として記載することはできないと判断しており、連邦地裁も同様の判断を示している。英知的財産局 (IPO) や欧州特許庁 (EPO) も AI を発明者とした出願を認めていないが、南アフリカとオーストラリアでは認められている。

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米連邦地裁、多様性ある絵文字を送信できるアプリの著作権をAppleに侵害されたと主張する訴訟を棄却

headless 曰く、

米カリフォルニア北部地区連邦地裁の Vince Chhabria 判事は 16 日、iDiversicons というアプリを開発する Cub Club Investment (CCI) が Apple に著作権やトレードドレスを侵害されたと訴えていた裁判を棄却した (裁判所文書: PDFNeowin の記事9to5Mac の記事)。

iDiversicons は送る人の肌色に合わせた絵文字をメッセージで使用可能にするというもので、開発者は 2014 年にアプリを Apple に見せて提携の交渉をしたという。交渉は成立しなかったが、翌年には Unicode で絵文字の肌の色を変える仕組みが導入され、iOS がいち早く取り入れた。そのため、CCI は同社の絵文字を Apple がコピーし、ルック&フィールも酷似しているなどとして 2020 年に Apple を提訴している。

判事は Led Zeppelin の「Stairway to Heaven」が Spirit の「Taurus」の著作権を侵害していないと判断されたことなどを挙げて著作権法がすべてのコピーを禁じているわけではないとし、Windows 2.0 の GUI をめぐる Apple 対 Microsoft の裁判の連邦巡回区第 9 控訴裁判所判決に言及して表現の種類が限られている場合は実質的に同じものでなければ著作権を侵害したとは言えないと指摘。例えばサムズアップの絵文字の表現方法は限られており、肌色も現実的な色に限られる。

その結果、著作権侵害が認められる範囲は非常に薄く、iDiversicons と Apple の絵文字を並べて見比べた結果、著作権侵害には該当しないと判断したという。また、ルック&フィールの類似性についても、トレードドレス侵害として認められない機能面による部分が大きいと判断したとのこと。実際に CCI 側が Apple の棄却申立に反論した文書の中で絵文字を並べてそっくりだと主張しているが、最も似ているものを選んだと考えれば無理のある主張といえる。

CCI 側は訴状を修正することも可能だが、主張がほぼ全面的に否定されている現状では望み薄とみられる。

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ドイツの連邦地裁、広告ブロックソフトウェアの使用は Web サイトの著作権を侵害しないと判断

headless 曰く、

Adblock Plus の親会社 eyeo GmbH は 18 日、広告ブロックソフトウェアの使用はWebサイトの著作権を侵害しないとの判断をドイツ・ハンブルクの連邦地裁が示したことを発表した (eyeo のブログ記事 [1][2]TorrentFreak の記事)。

この裁判は広告ブロックが違法だと主張するAxel Springerがeyeoを訴えていたものだ。当初Axel Springerは広告ブロックが不当競争行為にあたるとしてeyeoを訴えたが、この主張を否定する判決がドイツ連邦最高裁で2018年に確定している。そのため、Axel Springer側は広告ブロックソフトウェアによるソースコードの改変が著作権侵害にあたるという主張に切り替え、新たな訴訟を提起していた。

これに対し、eyeo側は広告ブロックだけでなく多くのモダンブラウザーが備える追跡防止などのプライバシー機能やWebページの翻訳機能、アクセシビリティー機能なども著作権侵害になってしまうと反論。TorrentFreakによれば、連邦地裁はAdblock Plusが改変するのはブラウザー内で表示するコードのフローのみであり、コード自体は改変していないことから著作権法で定める著作物の「改訂」には当たらないと判断したという。Axel Springer側は判決を不服として控訴する意向を示しているとのことだ。

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「クマのプーさん」など 1926 年に出版された著作物が米国でパブリックドメインに

米国では 2022 年 1 月 1 日、1926 年に出版された文学・音楽等の著作物がパブリックドメインとなったほか、1923 年よりも前に出版された推定 40 万点の録音物がパブリックドメインになった (Public Domain Day 2022The Verge の記事)。

Public Domain Day 2022 では新たにパブリックドメインになった文学作品として、以下の 13 作品を取り上げている。
  • A・A・ミルン「クマのプーさん」
  • アーネスト・ヘミングウェイ「日はまた昇る」
  • ドロシー・パーカー「イナフ・ロープ」
  • ラングストン・ヒューズ「おんぼろブルース」
  • T・E・ローレンス「知恵の七柱」
  • フェリークス・ザルテン「バンビ」
  • ハリール・ジブラーン「Sand and Foam」
  • アガサ・クリスティ「アクロイド殺人事件」
  • エドナ・ファーバー「ショウボート」
  • ウィリアム・フォークナー「兵士の報酬」
  • ウィラ・キャザー「私の不倶戴天の敵」
  • D・H・ローレンス「翼ある蛇」
  • H・L・メンケン「Notes on Democracy」

米国では 1977 年までに出版された著作物の場合について、出版から 95 年の著作権保護期間を定めているため、1926 年に出版された著作物が 1 月 1 日にパブリックドメインとなった。「バンビ」は 1923 年に出版されているが、1926 年の再出版時に米国での著作権表記が行われたため、米国では 1926 年出版扱いとなっている。音楽作品でも同様、1977 年までに公表された作品には 95 年の著作権保護期間が適用されるため、1926 年に初演されたプッチーニのオペラ「トゥーランドット」も今回ようやくパブリックドメインとなった。

日本では著作者の死後 50 年または 70 年の著作権保護期間を定めており、2018 年時点で戦時加算を含めて 50 年の著作権保護期間が満了していなかった作品は 70 年間となる。そのため、「クマのプーさん」などの著作権保護期間が既に満了している一方で今年新たにパブリックドメインとなる作品はなく、「日はまた昇る」など上記作品の半分は著作権保護期間が満了していない。

日本の作家の作品でも今年パブリックドメインとなる作品はないが、青空文庫では著作者自身の希望による3作品(円城塔「鉄道模型の夜」、澤西祐典「くじらようかん」、福永信「三重塔にて」)を1月1日に新規公開しており、2日には尾崎士郎訳の「現代語訳 平家物語 01 第一巻」、3日には鴨長明作・佐藤春夫訳の「現代語訳 方丈記」を新規公開している (そらもよう)。

米国ではこれまで録音物に関しては、1972 年 2 月 15 日以降に録音された著作物のみが連邦法で保護されていたが、2018 年に成立した Music Modernization Act (MMA) で古い録音物にも著作権保護が拡大された。今回の 1923 年以前に出版された録音物のパブリックドメイン化が MMA 適用の第 1 弾であり、パブロ・カザルスが演奏したバッハの無伴奏チェロ組曲第 3 番の第 5 曲や、セルゲイ・ラフマニノフが演奏したクライスラーの「愛の悲しみ」など、多数の録音がパブリックドメインとなった。

2024 年以降は 1923 年 ~ 1972 年の録音物が順次パブリックドメインに加わっていく。保護期間は 1923 年 ~ 1946 年に出版された録音物が 100 年、1947 年 ~ 1956 年に出版された録音物は 110 年となり、1957 年 ~ 1972 年 2 月 15 日までに録音された録音物はすべて 2026 年 2 月 15 日で保護期間が満了する。

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マレーシア下院、ストリーミング技術の提供等を違法化する法案を可決

headless 曰く、

マレーシア下院がストリーミングによる著作権侵害を違法化する著作権法改正案を可決したそうだ (TorrentFreak の記事FMT の記事法案: PDF)。

改正案ではストリーミング技術の製造・輸入・販売・配布・サービス提供等により著作権を侵害する行為が禁られる。違反者には 1 万リンギット以上 20 万リンギット未満の罰金または、20 年未満の実刑、もしくはその両方が科せられる。ストリーミング技術はソフトウェア・ハードウェアの両方を含み、違反に企業がかかわる場合はその経営陣や重役等も責任を問われることになる。他にも著作権侵害行為をより効果的に取り締まれるようにする条項が盛り込まれており、マレーシアのマラケシュ条約/a>加盟に向けた準備でもあるとのことだ。

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米連邦地裁、Cloudflare が著作権侵害サイトにサービスを提供しただけでは侵害に重大な貢献をしたとはみなされないと判断

headless 曰く、

米カリフォルニア北部地区連邦地裁の Vince Chhabria 判事は 6 日、Cloudflare が著作権侵害サイトにサービスを提供しても著作権侵害に重大な貢献をしたとはみなされないとの判断を示した (裁判所文書: PDFTorrentFreak の記事Ars Technica の記事)。

この裁判はよくある著作権侵害裁判ではなく、ウェディングドレスの製造会社と販売会社が Cloudflare を訴えているものだ。侵害サイトは原告のウェディングドレス写真を掲載して注文を受け、偽物を販売して原告に損害を与えていた。

原告は侵害サイトの閉鎖に成功するものの、そのたびに新しい侵害サイトが立ち上がるという状況だったという。多くの侵害サイトが Cloudflare の CDN サービスやセキュリティサービスを利用していたことから、原告は Cloudflare が著作権侵害に重大な貢献をしていたと主張する。

著作権侵害への貢献に対する責任を問うには、著作権侵害の事実を知っており、かつ貢献度が大きいか、侵害を誘発したことを示す必要がある。しかし、単純にサービスを提供していただけで大きな貢献とはみなされず、侵害サイトへのアクセスを大幅に増加させたり、侵害の欠かせないステップであったりすることが要件となる。

しかし、原告側は CDN サービスによるパフォーマンス向上が侵害を促進したとの証拠を示しておらず、CDN サービスを使用しなくても侵害サイトへのアクセスは可能であることから欠かせないステップともみなされない。また、侵害サイトにアクセスするユーザーから見て Cloudflare のセキュリティサービス使用の有無による違いはなく、侵害サイトの問題を Web ホストへ訴えるのが困難になるということもない。

そのため、判事は Cloudflare 側に責任を問われるような著作権侵害への重大な貢献はなかったと判断。原告側の略式判決請求を却下し、被告側の略式判決請求を認めた。

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作曲家ジョージ・ガーシュインの曲の一部が再び著作権料徴収の対象に

ある Anonymous Coward 曰く、

作曲家ジョージ・ガーシュインの作品は著作権保護期間が満了してパブリックドメインとなっていたが、ジョージの兄アイラ・ガーシュインとの共同著作物と確認された曲が再び著作権保護の対象となった (JASRAC のプレスリリースNHK ニュースの記事)。

ジョージとアイラの共同著作物として確認された曲に関しては、2022 年 1 月 1 日より JASRAC が使用料を徴収する。「サマータイム」は対象、「ラプソディ・イン・ブルー」は対象外など曲によって扱いに違いがあるため、詳細や対象曲については上記 JASRAC のプレスリリース及びそのリンク先 PDF を確認されたい。

米国では 1977 年までに出版された著作物の保護期間が 95 年のため、ガーシュウィンの作品は「ラプソディ・イン・ブルー」 (1924年) など初期の作品を除く大半が現在も著作権保護の対象となっている。日本ではジョージ (1937年没) の作品の著作権保護期間が死後 50 年 + 戦時加算で 1998 年 5 月に満了している。オペラ「ポーギーとベス」やミュージカル作品などのソングに関しては、これまでアイラ (1983年没) が作詞した作品の歌詞部分のみ、JASRAC が著作権管理していた。

今回アイラが音楽部分の共同著作者と確認されたことで音楽部分の著作権保護が復活し、アイラの死後 70 年が経過する 2053 年まで保護期間となる。また、「ポーギーとベス」ではアリア「サマータイム」など 5 曲が音楽・歌詞ともにパブリックドメインとなっていたが、アイラが歌詞部分でも共同著作者となったため、すべての著作権保護が復活した。「ポーギーとベス」序曲など、歌詞のない音楽要素の著作権保護も復活しているので注意が必要だ。

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DMCA 迂回禁止条項違反を主張する怪しい削除要請、著名サイトもターゲットに

実在するかどうかも怪しい「Video Industry Association of America」という団体が Google に対し、米著作権法 1201 条 (DMCA 迂回禁止条項) 違反による検索インデックスからの削除要請を多数送っているようだ(TorrentFreak の記事)。

Google は 1201 条違反を主張する削除要請を受けた場合、512 条に基づく通常の削除要請(いわゆる DMCA 削除要請)とは別に処理を行う。そのため透明性リポートには記載されないが、Lumen には削除要請のアーカイブが保存される。同団体名で Google に送られた削除要請は過去 2 か月間で 200 件を超える。

TorrentFreak が同団体を知ったのは、米著作権局の偽物が同団体に代わって Google に送ったという削除要請だ。米著作権局は一連の削除要請がなりすましによるものだと確認している。同団体が送った削除要請の説明は「Video Industry Association of America に代わってこれらのコンテンツを削除するよう強く申し立てる」といった部分を含め、偽の著作権局が送った削除要請とほぼ同じ内容だ。ただし、同団体が送った削除要請の一部では説明の冒頭にロシア語が追加されている。

削除要請の対象には著作権者が問題視するリッピングツールなどのサイト URL も含まれるが、インターネットプロバイダーやニュースサイトなど著作権侵害と無関係な URL も多数含まれる。Google はほとんどの削除要請を無視しているが、一部の小規模なニュースサイトは Google の検索結果から消える結果となった。

現在は復活しているようだが、同団体の削除要請により Google のインデックスから一時削除された Fossbytes によれば、削除要請の送信地はロシアだったという。なお、DMCA 削除要請による削除とは異なり、1201 条違反による削除要請には異議申し立ての方法が用意されておらず、いったん削除されると復活は簡単ではないとのことだ。

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意外と多い localhost の DMCA 削除要請、Google は1回だけ削除していた

headless 曰く、

普通なら単なる間違いだと考えられる localhost に対する DMCA 削除要請だが、Google は過去 8 年間で検索結果から 400 件の URL 除外を求めるリクエスト 24 件を受け取っているそうだ(Google 透明性レポート)。

localhost の URL を含む削除要請は 2018 年まで年に数件ペースで送られており、最近は少なくなっていたが、7 月 22 日にウクライナの知的財産保護企業 Vindex がウクライナのテレビ局 Trk Ukraina を著作権者として送った削除要請に含まれている(Google 透明性レポート: リクエスト 11953839TorrentFreak の記事 )。

Google 透明性レポートによれば削除要請を受けた localhost URL のうち 22.5 % が削除されたことになっているが、削除されたのは 2013 年 7 月 2 日付の最も古い削除要請に含まれる 90 URL のみで、以降はすべて却下されている。2013 年 7 月 2 日に送られた別の削除要請でも localhost の 108 URL を対象にしており、最初の削除要請と似たようなパターンの URL になっているが、こちらは 1 件も削除されていない。

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ものみの塔が YouTube のレゴアニメクリエイターを訴えている裁判、3 年かけても名前もわからず

headless 曰く、

ペンシルベニア州のものみの塔聖書冊子協会 (ものみの塔) が動画の著作権について 2018 年から YouTube クリエイター「kevin McFree」と争っているのだが、3 年かけても全く進んでいないそうだ(TorrentFreak の記事)。

kevin McFree チャンネルの動画は架空のエホバの証人の街「DubTown」を舞台にしたレゴアニメ。一見子供向けだが大人向けで、エホバの証人の厳しすぎる戒律を元信者の目から軽いユーモアを込めて描いているという。

問題の動画は 2018 年に公開されたもので、7 分半にわたってエホバの証人の未公開動画が使われていたという。ものみの塔はエホバの証人の著作権管理団体として、米デジタルミレニアム著作権法 (DMCA) に基づく文書開示令状 (PDF) を取得。この令状で Google / YouTube に McFree の個人情報を開示させようとしたが、McFree 側が異議を申し立てたために情報は開示されず、動画が削除されるにとどまった。

それからおよそ 2 年経過した 2020 年 8 月、判事は McFree 側の令状破棄の申立を受理したが、11 月から審理は中断している。原告側は 5 月に McFree を相手取った本格的な著作権侵害訴訟を提起しているが、被告について判明している情報は英国在住の英国市民であることと Gmail のアドレスのみであり、本名も住所も不明のままだ。

令状破棄の申立が保留になっていることから YouTube が被告に関する情報を開示する可能性はなく、裁判所の書記官は本名がわからない限り召喚状を発行しないという。原告側は裁判の進め方について判事に協議を求めた (PDF)が、判事は協議の必要がないと拒否し、令状破棄に関する別の判事の判断を待つしかないなどと述べているとのことだ。

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自サイトに著作権を侵害されたと主張する DMCA 削除要請

headless 曰く、

自動処理による誤った DMCA 削除要請には単にタイトルが同じだけといったものから間違った理由の全くわからないものまでさまざまだが、自サイトに著作権を侵害されたという斬新な削除要請が登場した(TorrentFreak の記事削除要請[1][2])。

削除要請は韓国のウェブトゥーンサイト Toomics が Google に送ったもので、同サイト掲載作品「Sweet Bitter Love」「You Have The Wrong Person」の著作権が侵害されているとしてWeb検索結果のインデックスから削除するよう要請する内容だ。類似タイトルのブログ記事やニュース記事、歌詞などは当然のように多数含まれており、モーツァルトの「魔笛」「魔笛」に登場する夜の女王のレシタティーヴォとアリアに関する英語版Wikipedia記事Collins Dictionary の伊英辞典の見出し語「così」独英辞典の見出し語「ich」といった全く無関係そうな URL も含まれる。

Toomics は各作品を多言語で公開しており、著作権を侵害されたオリジナルとして記載されているのは英語版だ。一方、著作権を侵害する自サイトのページには同じ作品が掲載されており、他言語版サブドメインのみ異なる英語版が含まれる。

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JASRACによる音楽教室からの著作権料徴収を巡る裁判、控訴審では教師と生徒で判断が別れる

ヤマハ音楽振興会などおよそ250の事業者が、音楽教室での授業によって楽曲の著作権使用料を徴収されるのは不当だとして、日本音楽著作権協会(JASRAC)を訴えていた裁判で、2審の知的財産高等裁判所は、JASRAC側一部敗訴の判決を言い渡した。一審の東京地裁では、生徒や講師の演奏には著作権が及ぶと判断していた(JASRACプレスリリース[PDF]、、音楽教育を守る会朝日新聞FNNプライムオンライン日経新聞テレ東NEWS)。

今回の裁判では音楽教室における演奏が「公衆に聞かせる目的の演奏」であるかが主な争点となった。判決では先生の演奏と生徒の演奏とに分けて判断が行われた。東京高裁は生徒の演奏目的は、「演奏技術の向上で自らのために行うものだ」と判断。演奏権の侵害には当たらないとし、生徒の演奏には著作物使用料が発生しないとした。

一方で、同じレッスンの中における教師の演奏には著作物使用料を支払う必要があるとしている。原告側は今後の方針については、意見を集約した上で決めるとしている。JASRAC側は最高裁への上告を検討する方針を示している。

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Adobe、MS-DOS版Acrobat Reader 1.0の「海賊版」へのリンクにDMCA削除要請

headless 曰く、

MS-DOS版Acrobat Reader 1.0のダウンロードページへのリンクを含むツイートにDMCA削除要請が届いたと、F-SecureのMikko Hypponen氏が報告している(Hypponen氏のツイートTorrentFreakの記事)。

問題のAcrobat Reader 1.0はビンテージソフトウェアのオンライン博物館「WinWorld」で公開されているもので、Adobeの許可は得ていないとみられる。ダウンロードページの説明によると、1994年にリリースされたAcrobat Reader 1.0は唯一MS-DOS版が存在するバージョンであり、唯一無償配布されなかったバージョンでもあるという。

Hypponen氏はリンクを5年前に投稿していたのだが、5年前のツイートを再投稿するTwitterボット(@mikko__2016)による投稿が網にかかったようだ。削除要請を送ったのはAdobeの海賊版対策パートナーIncoproで、自動処理によるものかどうかは不明だ。元のツイートに対しては短縮リンク(https://t.co/tbAT0CH25o)のみが削除要請の対象になっており、短縮リンクも削除されていない。また、WinWorldのダウンロードページも無事だ。

Incopro(Adobe)が27年前のソフトウェアを本気で海賊版として削除させようとしているのかどうかは不明だが、博物館に収蔵すべきソフトウェアであり、DMCAの対象ではないとHypponen氏はTorrentFreakに語り、必要があればAdobeと争う構えを見せたとのことだ。

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EU司法裁判所、外部サイトのコンテンツを埋め込み表示する行為は公衆送信にあたると判断

EU司法裁判所は9日、あるWebサイトが権利者の許諾を得て一般公開している著作物であっても、他のWebサイトがフレーム内に埋め込み表示する行為は原則として公衆送信に該当するとの判断を示した(裁判所文書SPKのプレスリリースTorrentFreakの記事)。

この裁判はデジタルライブラリーサイトDeutsche Digitale Bibliothek (DDB)を運営するドイツの文化財団Stiftung Preußischer Kulturbesitz (SPK)がビジュアルアート関連の著作権管理団体Verwertungsgesellschaft Bild-Kunst (VG Bild-Kunst)を訴えているものだ。

DDBは博物館などのWebサイトと連携したデジタルショーケースとして機能し、アート作品に関してはプレビュー用の低解像度画像のみを保持している。著作権保護された作品については著作権者の許諾を得ているが、VG Bild-Kunstが外部サイトで埋め込み表示されないようにする技術的保護手段の適用を許諾条件として要求したため、SPKは不当な要求だとしてドイツ国内で訴訟を提起した。

裁判では外部サイトによる埋め込み表示が公衆送信に該当するかどうかが争点となっており、公衆送信に該当する場合、VG Bild-Kunstの許諾条件は正当ということになる。そのため、公衆送信権を定める欧州指令2001/29/ECをどのように解釈すべきか、ドイツ連邦最高裁判所がEU司法裁判所に事前判決を求めていた。EU司法裁判所は既に公開されているコンテンツにハイパーリンクを張る行為について、無償で合法的に一般公開されているコンテンツなら公衆送信に該当せず著作権侵害コンテンツであることを知っている場合は公衆送信に該当するとの判断を過去に示しているが、埋め込み表示に関しては今回が初の判断となる。

本件に関しては昨年9月、ページを開いた時にコンテンツが自動で表示される場合は公衆送信となり、リンクをクリックした場合のみコンテンツがフレーム内に表示される場合は公衆送信にならないという見解をEU法務官が示している。一方、EU司法裁判所の判断は、コンテンツが表示されるタイミングにかかわらず、外部サイトでの埋め込み表示を回避するための技術的保護手段を権利者が採用または要求した場合、外部サイトでの埋め込み表示は2001/29/ECが定める公衆送信に該当すると判断した。

今回の判決を受けてSPKでは、最終的にはドイツ連邦最高裁判所の判断待ちとしつつ、著作者の中にはより広く作品が知られることを望む人も多いとし、著作権管理団体により一律に許諾条件が定められるべきではないとの見解を示している。

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EU司法裁判所、著作権者の許可なく電子書籍を中古販売することは公衆送信権侵害にあたると判断 2019年12月22日
EU司法裁判所、著作権侵害を知りつつコンテンツにハイパーリンクを張る行為は公衆送信に当たるとの判断 2016年09月11日
EU法務官、著作権侵害コンテンツにハイパーリンクを張る行為は著作権侵害にあたらないとの見解 2016年04月09日
EU司法裁判所、無償で一般に公開されている記事へのハイパーリンクは著作権侵害にならないとの判断 2014年02月15日

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