Nature、常温常圧近傍での超電導に関する論文を撤回
Nature は 7 日、3 月に出版した窒素ドープ水素化ルテチウムにおける常温常圧近傍での超電導に関する論文を撤回した
(Nature の記事、
The New York Times の記事、
Ars Technica の記事)。今年は幻に終わった韓国の研究チームによる常温常圧の超電導物質 LK-99 が注目を集めたが、こちらの論文は昨年 9 月に Nature が撤回した常温超電導の論文と共通する研究者がかかわっていたこともあり、当初から懐疑的な見方が出ていたそうだ。
前回の論文では執筆者 9 人全員が撤回に反対したが、今回の論文は執筆者11人のうち 8 人が撤回を要請している。撤回を要請した執筆者によれば、研究に貢献した研究者として、出版された論文は研究した物質の由来や実施した実験の基準、適用したデータ処理手順を正確に反映していないのだという。両論文に執筆しているのは最終執筆者でロチェスター大学のランガ・P・ディアス氏を含む 6 人で、ディアス氏を除く 5 人が撤回要請に回った。一方、ディアス氏を含む 3 人は賛否を明らかにしていないとのこと。ただし、ディアス氏の広報担当者によれば、ディアス氏は論文に独自の編集を加えて再度 Nature に送る計画を示しているそうだ。
一方、半年前に同じ分野の論文を撤回したばかりのグループによる論文を再び掲載し、また撤回することになった Nature の方針にも疑問がわいてくる。Nature の応用科学および物理化学分野担当編集長のカール・ジーメリス氏によれば、論文は専門家によるレビューで挙げられた多数の疑問が後のリビジョンで解決されていくものであり、これがピアレビューの仕組みだという。ただし、論文が実際に行われた研究を正確に反映しているかどうかをピアレビューで確認することはできないとのことだ。
すべて読む
| サイエンスセクション
| サイエンス
|
関連ストーリー:
LK-99は超伝導体ではない。現象は強磁性の影響との各国追試結果
2023年08月18日
韓国の研究チーム、「常温常圧で超伝導になる物質を合成した」とする論文公開
2023年07月31日
米ワシントンとニューヨーク結ぶ『超電導リニア』、2033から2034年頃の完成目指す
2022年11月01日
電車の回生ブレーキの電力を沿線で「超電導フライホイール」に蓄電する実証実験
2022年06月13日
鉄道系で超電導送電が実用に近づくとの報道。日経新聞
2022年01月13日
昭和大学で論文142本に不正。撤回論文数ランキングで上位5人中4人が日本人になる可能性
2021年06月02日
リーマン予想を証明したとする論文を発表していたマイケル・アティヤ氏が死去、論文は撤回に
2019年01月29日
複数のデタラメな「偽論文」が査読をすり抜けて学術論文誌に掲載される、新たな「ソーカル事件」か
2018年10月09日
Science誌、日本の研究者による論文捏造疑惑を取り上げる
2018年09月21日
子宮頸がんワクチンに深刻な副作用があるとの論文、研究手法が不適切として撤回に
2018年05月15日
Nature誌がSTAP細胞を否定する論文を掲載した理由の1つは「ニセ科学」的な治療対策
2015年10月06日
石狩データセンターで超電導直流送電開始
2015年09月27日
STAP論文の撤回理由書、共著者の合意なしに書き換えられていた?
2014年07月08日
Nature掲載のSTAP論文、2本とも撤回へ
2014年06月04日
遺伝子組換えトウモロコシが癌を引き起こすという研究論文、学術専門誌より掲載を撤回される
2013年12月04日
172 本の論文をねつ造した日本人研究者、撤回論文数の世界最多記録に?
2012年07月10日
常温での超電導状態を確認
2010年06月29日
英医学誌、新三種混合ワクチンと自閉症との関連性を示した論文を撤回
2010年02月06日
NASA の火星探査車 Curiosity は火星滞在日数が火星時間で 4,000 日 (Sol) を超えたそうだ
(
IDC の推計によれば、2023 年第 3 四半期はタブレット・Chromebook ともに出荷台数が 2 桁減となっている
(
JAMSTEC では海底広域研究船「
Forbesの記事によると、アメリカ日清(Nissin Foods USA)は10月26日、2024年初めからカップヌードルのパッケージを電子レンジで温めることができる紙製容器に変更することを発表した。現行の発泡スチロール製容器が環境に対する悪影響や発がん性の懸念があるための措置であるという(
headless 曰く、
10月に発売されたNintendo Switch用「
10月に起きた
headless 曰く、
国連薬物犯罪事務所(UNODC)は5日、アヘンの最大製造国アフガニスタンで、今年のアヘンの推定製造量が約95%減少したと発表した。タリバン暫定政権が2022年4月に麻薬禁止政策を実施したことによる影響であるという。アフガン産のアヘン推定製造量は2022年に世界の約80%を占めていた。昨年の製造量は6200トンだったが今年は333トンに減少したとのこと(
X(旧Twitter)で、ユーザーにスパムサイトへのリンクを誤ってクリックさせようとする手法が広がっているという。Xでは仕様変更でURLを含むポストのURLのテキストが表示されなくなり、サムネイル画像にリンクが貼られる形に変更された。サムネイルの左下にはリンク先のドメイン名が小さく記されているが非常に読みにくく気がつきにくい(
パワートレインを製造する英スウィンドン・パワートレインは10月、964/993世代のポルシェ911向けのエンジンアップグレードキットを発売した。この「M64シリンダーヘッドキット」は、ポルシェの空冷エンジンの性能を底上げするもので、ポルシェの空冷エンジン「M64」を4バルブ化し性能を向上させる。これにより、993世代911の場合、レッドラインが6900rpmだったものが、最高回転数は1万2000rpmに達するという。最高出力は標準的なM64エンジンの272psに対し、約400~450psになるらしい。キットの価格は約660万円で、熟練したエンジンビルダー向けとのこと(
NTTネクシアは8日、自社の「nanacoお問い合わせセンター」業務において、元社員が1名の顧客の情報を不正に利用し、その残高を私的に詐取していたことを公表した(
スラドでも以前に取り上げたことがあるSF小説『
岐阜県のAI技術開発企業のフューチャーアイは6日、自社の特許権が侵害されているとして、AIアシスタント「Alexa」を提供しているAmazon.comやアマゾンジャパンを含む4社を提訴した。フューチャーアイはAI音声アシスタント関連の特許を持っており、アマゾンジャパンとのライセンス契約交渉をおこなっていた。しかし交渉が不調に終わったため訴訟を提起したという。提起後、フューチャーアイはAmazon側に早期和解を提案したが、回答がなかったため公表されたとしている(