リーディングビュー

個人情報の匿名化、信用できる?

匿名化されていたはずのアプリの位置情報で高位聖職者としては不適切な行動が指摘され、米カトリック司教協議会(USCCB)の事務局長が辞任した(USCCB の声明The Pillar の記事America Magazine の記事Ars Technica の記事)。

位置情報はゲイのソーシャルネットワーキングアプリ Grindr が匿名化してデータブローカーに販売したとされるもの。位置情報とユーザー名は結び付けられていないがデバイスごとにユニーク ID が割り振られており、特定のデバイスがデータを送信した場所と日時が確認できるという。

カトリック教会に関するニュースサイト The Pillar がデータを入手して調べたところ、2018 年から 2020 年にかけて特定のデバイスが(元)事務局長の自宅と職場のほか、ゲイバーや個人宅を訪れていることが判明したとのこと。事務局長は 2018 年の聖職者による児童虐待スキャンダルを受けて USCCB とバチカンの調整役を務めており、訪問した各地でもアプリからデータが送信されていたそうだ。

事務局長の行動に違法性はまったくないが、同性愛に反対するカトリック教会の高位聖職者としては、このようなアプリを使用するだけでもスキャンダラスといえる。そのため、事務局長はUSCCBの運営に支障をきたすことがないよう、The Pillarの記事が公開される前に辞任したとのことだ。

すべて読む | YROセクション | IT | プライバシ | この記事をTwitterでつぶやく この記事をFacebookで共有 この記事をGoogle Plusで共有 このエントリーをはてなブックマークに追加

関連ストーリー:
イスラエル政府、デジタルテクノロジーでCOVID-19感染者に接触した人を特定可能にする暫定法を制定 2020年03月20日
南オーストラリア州公衆衛生局、新型コロナウイルス感染者の移動経路を確認するため携帯電話追跡システムを活用 2020年02月11日
司祭が「ハリー・ポッターの呪文は本物」と主張、米テネシー州ナッシュビルのカトリックスクールが図書館への収蔵をやめる 2019年09月06日
仕事用の電子メールを自分のスマートフォンで受信することは危険? 2019年07月29日
盗難にあったTesla車、アプリの位置情報が容疑者逮捕につながる 2019年03月02日
ゲイ向け出会い系アプリ「Jack'd」で非公開設定でアップした写真に不特定多数がアクセスできる不具合が見つかる 2019年02月14日
米国防総省、位置情報などの漏洩リスクからフィットネストラッカーの使用制限命令を出す 2018年08月10日
iOS 12では米国での緊急通報発信時に発信者位置情報を通報先に通知する機能を搭載 2018年06月22日
パンを子供に分け与える聖人の彫像、パンの位置で問題発生 2017年11月25日
Google、位置情報サービスをオフにしたAndroid端末からも基地局情報を収集していた 2017年11月22日
FBIが匿名ネットワーク「Tor」を傍受、協力者には100万ドルが支払われた模様 2015年11月16日
ロシア内務省、Torの匿名ネットワークをクラックする技術に賞金11万ドルをかける。ただし要参加費 2014年08月13日
Torに対し匿名化を解除しようとする攻撃が発生していた 2014年08月04日
携帯電話の使用パターンで個人を特定 2013年04月02日
iPhone、Android 携帯のアプリが個人情報を漏洩している 2010年12月19日

  •  
❌