欧州エネルギー市場、追い証1.5兆ドル発生の見通し。科学分野に影響も
ロシアによるウクライナへの侵略が開始されて以降、欧州のエネルギー価格の高騰が続いている。BBCの記事によれば、ドイツでは、電力の1年物先物価格が、1メガワット時あたり995ユーロ(約14万円)に上昇。フランスでは1130ユーロに達しており、両国とも昨年比で10倍以上に相当するという。ノルウェーのエネルギー企業エクイノールの試算によれば、欧州のエネルギー取引では少なくとも1兆5000億ドル(約210兆円)の追い証が発生する見通しだという。このまま政府が何の対策も取らなかった場合、デリバティブ市場が崩壊して市場の流動性が枯渇することが危惧されている。しかも、この試算は「保守的な」見積もりであるとしている(Bloomberg、BBC)。こうした欧州のエネルギー価格の高騰は科学分野にも影響を及ぼしている。WSJによると欧州原子核研究機構(CERN)は、所有する粒子加速器の一部について、電力需要のピーク時に停止させる計画を進めているという。ヒッグス粒子発見につながった大型ハドロン衝突型加速器(LHC)に関しても、地域の送電網の安定性を確保するため停止方法を模索しているとしている(WSJ)。 CERNはフランスとスイスの国境にまたがる敷地を持ち、フランスで最も電力を消費する施設の一つだという。ピーク時には200メガワット近い電力を消費しているとされる。ただLHCの突然の停止は大きな損害を生むことから、CERNはLHC以外の加速器を停止させることで電力消費を減らす方針だとしている。
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