例年は中学生用高校数学講座は「三角比」まで進まないが、大学入試共通テストが昨日から始まったので、いい機会と考えて今年は取り上げる。
共通テストの数学には大きな特徴がある。
それは「数学の実用的な利用についての出題」である。
「数学の実用的な利用」など当たり前のテ-マ-だが、中学高校生にとってはどうもピンとこないらしい。
数学はそもそも実用的な目的からスタ-トしている。
中2生が今やっている「確率」はそもそも「いかにしてポ-カ-というギャンブルに勝つか」という一点から始まった。
「三角比」も土地の面積の測量という実用目的から始まった。
現代の「三角測量」と古代エジプトの「三角比測量」とはかなり異なる。
現代の「三角測量」は機械的に角度が正確に測定できるが、古代エジプトにはそんな便利な測定器は無かった。
昨日の最初に描いた「蛇行する川沿いの土地面積」を積分を使わずに測定する方法はその典型だ。
ポイントは、長いロ-プ1本だけでどんな形状の土地の面積も測定するという方法である。
角度を一切測定せずに「辺と曲線の長さ」だけをロープで測定して鉛筆1本の計算で算出する。
①測定する土地を、多角形部分と曲線部分に分ける。
②多角形部分は三角形に分割できるから、三辺を測って三角比で計算する。
③このとき、2辺の間の角を測定しない。つまりθの測定なしで「余弦定理」を使ってsineθを計算して面積を出す。
④曲線部分は細かい扇形に分割する。数Ⅲで使う「微小面積の公式」の原理だ。
個々の扇形の面積は「半径と弧の公式」で一発で出てくる。
⑤最後に三角形と扇形の面積を合計すれば完了だ。
実際に古代エジプトでこのように計測したかは不明だが、農民がロ-プと杭だけで測定するとしたらこうするだろう。