共通テスト入試問題 地理学は地政学 ウクライナ問題から
高校地理が必修科目に格上げされた。
もともと理系生が選択する共通テスト科目としては最も選択者が多かったが、必修科目指定で重要度が増した。
去年の共通テストで「小麦の生産量と輸出量の上位国」を問う問題が出た。
長年の常識では小麦の輸出量1位はアメリカだが、アメリカや上位ベスト3の常連であるカナダ、オーストラリアを抑えて、なんとロシアが小麦輸出量世界1位になっている。
出題の表を見ると1997年から2017年の20年間で生産量は倍増している。
これは、生産活動の自由化が原因の1つだ。
だが、ロシアがある国家目標に沿って積極的に後押しをしたからだ。
ロシアの輸出は、原油と天然ガスが全体の半分を占める。
パイプラインを使ってヨーロッパ中に原油や天然ガスを供給していて、ロシア産が無ければ今やEUは立ち行かない。
折しも、もう一つの供給元である北海油田の埋蔵量は枯渇寸前で、EU主要国の需要を賄えなくなっている。
原油価格は高騰し1バーレル100ドル寸前で、日本国内のガソリン価格は過去最高レベルだ。
ロシアはエネルギ-と食料を大量輸出し「戦略物資」として「政治や軍事」の取引材料、つまり「脅しのタネ」に使っている。
アメリカは、大規模農場が小麦よりもトウモロコシに生産量をシフトしているので、そのすきにロシアが小麦輸出量のシェアを伸ばした。
鉱産物も農業生産も「政治や軍事」と密接に絡んでいることを、知っておく必要がある。
共通テストの出題者が、そこまで意識していたかどうかは不明だ。
ちなみにウクライナは小麦の輸出高世界5位で、ロシアと合わせるとシェアの4分の1となる。
ウクライナがロシアの支配下に下ると「エネルギ-と食料」へのロシアつまりプーチンの影響力はますます大きくなる。