メンデルの法則の真の理解を妨げているのが「分離の法則」に対する誤解である。
「純系同士の親から生まれた子=雑種第1代を他家受精させてうまれた孫=雑種第2代は、優性の形質と劣性の形質が3:1の分離比で現れる」ことを「分離の法則」と誤解している生徒が、かなり多い。
なぜ誤解するのかといえば昔の教科書に「3:1の分離比=分離の法則」と書かれていて、実際に授業でもそのように教えていたからだ。これがいつの間にか「正しい分離の法則」に変えられていたが、その経緯は何も知らされていない。
「正しい分離の法則」は子=雑種第1代が減数分裂をするときに、1つの形質点についてペアになっている形質=対立形質どうしが切り離されて、別々の生殖細胞である卵細胞や精細胞に均等に分配されていく事である。
具体的に書くと、例えば人間でいえば「瞼のタイプ」は二重まぶたと一重まぶたは対立対立形質=ペアになった形質で、体細胞の中ではセットになった染色体=遺伝子である。
この遺伝子をセットで持っているヒトは、二重がまぶたのほうが優性の形質なので二重まぶたになる。
分離の法則によって、優性と劣性の遺伝子が切り離されないと、受精した受精卵には必ず優性の遺伝子が組み込まれるので、延々と優性の形質だけが代々現れることになる。
だが、分離の法則によって優性と劣性の遺伝子が切り離されるために、生殖細胞に優性劣性遺伝子が均等に分配されて「受精卵に必ず劣性どうしのペアになった染色体=遺伝子=ホモ染色体が配分されて劣性の形質が必ず発現する、つまり劣性の形質をもった個体が必ず誕生する」のである。
これこそが「分離の法則」の持つ最大の意義、DNAの戦略的意図である。
この点について、教科書も参考書も中学教師もだれも触れていない。この深さが新星ゼミ授業の真骨頂だ。