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8/1(土)、8/2(日)オープンキャンパスを開催します

🤖 AI Summary

以下は記事の要約です:

早稲田大学は8月1日(土)、2日(日)にオープンキャンパスを開催します。主な内容には、大学の歴史・学び方法・国際交流活動などに関する展示があり、キャンパスライフや入試情報も紹介されます。

西早稲田キャンパスでのプログラム詳細は7月上旬頃にWebサイトで公開予定です。来場者は事前に予約不要で自由に入退場ができますが、一部のプログラム(例如:キャンパスツアー、実験体験)には事前予約が必要な場合があります。その詳細については、決定次第公式ウェブサイトから案内されます。

このオープンキャンパスは「2026年度理工オープンキャンパス」として開催され、多くの興味深い企画が用意されています。

WASEDA University OPEN CAMPUS 2026

8月1日(土)、2日(日)の二日間にかけて、オープンキャンパスを開催いたします。

早稲田大学の歴史・学び・国際交流・キャンパスライフ・入試情報など、入学後の学生生活がリアルにイメージできる企画が盛りだくさんです!
西早稲田キャンパスのプログラムの詳細は、7月上旬にWebサイトにタイムテーブルを掲載いたしますので、ぜひ楽しみにお待ちください。

来場に際して、事前予約は不要です。入退場も自由となっております。
ただし、キャンパスツアー、実験体験など、一部事前に予約が必要なプログラムがございます
予約が必要なプログラムの予約受付開始時期や予約方法については詳細が決定次第、以下サイトよりご案内します。

 

8/1(土)、8/2(日) 開催!2026年度理工オープンキャンパス

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Curiosity, Serendipity and Logicality in Organic Synthesis(2026/5/13)

🤖 AI Summary

早稲田大学先進理工学部応用化学科では、2026年5月13日に「Curiosity, Serendipity and Logicality in Organic Synthesis」と題した講演会が開催されます。この講演は16:20から18:00まで、早稲田大学121号館コマツ100周年記念ホールで行われます。

講師はインド工科大学ボンベイ校の教授であるKaliappan Krishna P.氏です。対象者は学部生、大学院生、教職員をはじめとした広範な人々が参加できます。入場料は無料で、直接会場にご来場ください。

この講演会は「自然合成における好奇心、偶然性と論理性」について解説し、これらの要素が化学研究においてどのように重要であるかを語る予定です。

関連情報として、同日開催される他のイベントも案内されています。

演題:Curiosity, Serendipity and Logicality in Organic Synthesis

日時:2026年5月13日(水) 16:20-18:00

会場:早稲田大学 121号館 コマツ100周年記念ホール

講師:Krishna P. Kaliappan  (インド工科大学ボンベイ校 教授)

対象:学部生、大学院生、教職員、学外者、一般

参加方法:入場無料、直接会場へお越しください。

主催:先進理工学部 応用化学科

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

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「脳の修復」の鍵はミエリンの“まきつき”にあり

「脳の修復」の鍵はミエリンの“まきつき”にあり
―まきつきの評価法開発と薬剤の特定―

国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター(NCNP)神経研究所神経薬理研究部の村松里衣子部長らの研究グループは、早稲田大学理工学術院梅津信二郎教授らと共同で、神経細胞のネットワークの恒常性を維持する働きがあるミエリン1)の修復の評価法を開発し、その機序を促進させる薬剤を見出しました。

脳は神経細胞だけではなく非神経細胞(グリア細胞等)からも成り立っており、どちらも機能の維持に必要です。ミエリンはグリア細胞の一種であるオリゴデンドロサイト2)が形成する構造物です。さまざまな疾患や加齢に伴い、ミエリンは脱落し、それが脳機能の低下につながると考えられています。そのため、ミエリンを修復させることができれば、神経疾患による後遺症の軽減や加齢に伴う脳機能の低下からの回復が期待されます。

ミエリン修復は複数の段階から成り立ちますが、中でも最終段階であるオリゴデンドロサイトによる神経軸索への「まきつき」は神経機能回復に重要です(図1)。今回、研究グループは、まきつき能力を評価する新たな手法を開発しました。本手法は薬剤スクリーニングにも応用可能です。本評価系で見出したまきつき促進効果をもつ薬剤について、疾患モデル動物に対する効果を検討したところ、まきつきの促進効果が検出され、症状の改善も促されました。さらに、その薬剤の服用歴を有する健常者を対象としたコホート解析により、薬剤服用者ではミエリンを多く含む脳の白質が加齢による変化をうけにくい可能性が示されました。つまり、作成した評価法を用いてまきつき促進効果を検出する薬剤には、ヒトの脳の白質障害に対して治療効果が発揮されることが期待されます。

本研究成果は日本時間2026年4月15日に、米国の融合領域科学誌「Cyborg and Bionic Systems」に掲載されました。

図1.研究対象の”まきつき” まきつきの促進は、脳機能の改善に貢献。

(1)研究の背景

脳や脊髄には、ミエリンのもととなるオリゴデンドロサイトの前駆細胞が生涯にわたり豊富に存在します。オリゴデンドロサイト前駆細胞が増殖して、オリゴデンドロサイトに分化し、その後に神経軸索にまきつくことで、ミエリンが修復します。これまで、オリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖や分化を対象とした研究は盛んにおこなわれてきましたが、ミエリンの機能的な修復に必要な「まきつき」については、その機序の解明は進んでおらず、その背景には、まきつきを評価する方法が不足しているという課題がありました。

(2)研究の概要

オリゴデンドロサイトは生きた神経細胞だけではなく、工学的に作成された微細構造物にもまきつく性質があります。研究グループは、神経軸索を模倣したマイクロファイバーに対して、培養オリゴデンドロサイトのまきつき能力を評価する方法を作成しました(図2)。この方法は、ラットのオリゴデンドロサイト培養細胞の評価だけではなく、ヒトiPS細胞から作成したオリゴデンドロサイトにおいても用いることができました。

作成した方法がミエリン修復薬の探索に用いることができるかを検討するため、研究グループはすでに承認されている薬剤の中から、まきつきを促進させる薬剤があるかを検討しました。その結果、Dimemorfanという咳止め薬として使用されている薬剤に、まきつきを促進させる効果があることがわかりました。このDimemorfanによるまきつき促進効果は、同薬剤の既知の作用機序であるSigma-1受容体3)を介するものでした。

多発性硬化症のモデル動物などミエリンが脱落したマウスに対してDimemorfanの投与したところ、ミエリンの修復が促進され、ミエリン脱落による神経機能障害も緩和しました(図3)。さらに、Dimemorfanの服用歴を有するヒトの脳画像を解析したところ、加齢にともなう白質量の低下が抑制されている可能性が示されました。

図2.まきつきの評価法 ヒトiPS細胞から作成したオリゴデンドロサイトを用いた検討も可能。

図3.まきつき促進効果を発揮した薬剤の効果 疾患モデルマウスに対して同定した薬剤を投与すると、ミエリンの組織修復が促進し、神経症状も改善。

*図の一部はBioRenderで作成されました。

(3)今後の展望

ミエリンは、認知機能や運動機能の低下との関連が示唆されています。今回作成した評価法と同様の手法により、ミエリンの修復に有効な薬剤の探索が可能になるとともに、まきつきの新たな機序解明が導かれる可能性があります。これらを通じたミエリンを標的とした新たな治療法の開発が期待されます。

(4)用語の説明

1)ミエリン
神経軸索の周囲を覆う被膜のような構造物。神経活動のスムーズな伝達を支えている働きが代表的な機能。他にも、神経細胞への栄養供給や血液脳関門の維持等、脳の恒常性の維持の貢献する多彩な機能を有する。

2)オリゴデンドロサイト
中枢神経系に備わるオリゴデンドロサイトの前駆細胞は、生涯にわたり、増殖能や分化能力を備えている。オリゴデンドロサイトの機能を促進させてミエリンを修復させる薬剤は、開発はされてはいるものの、現時点で認可されているものはない。

3) Sigma-1受容体
神経変性疾患、精神疾患などさまざまな病態に関与することが知られる。受容体を活性化させると神経機能が改善することが、アルツハイマー病などのモデル動物で報告されている。

(5)原著論文情報

・論文名:Biomimetic microfibers for myelin-enhancer screening and neural regeneration
・著者:Lili Quan, Akiko Uyeda, Atsushi Sekiguchi, Ze Zhang, Kazuhisa Sakai, Tsunehiko Takamura, Ruijuan Zhang, Noritaka Ichinohe, Shinjiro Umezu, and Rieko Muramatsu(†責任著者)
・掲載誌: Cyborg and Bionic Systems
・doi: 10.34133/cbsystems.0565
・https:https://spj.science.org/doi/10.34133/cbsystems.0565

(6)研究経費

本研究結果は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)革新的先端研究開発支援事業(AMED-CREST)、脳神経科学統合プログラム、日本学術振興会・科学研究費補助金若手研究、基盤研究(B) の支援を受けて行われました。また、本研究はAMED生命科学・創薬研究支援基盤事業(BINDS)による支援を受けました。一部の研究試料は、東北メディカルメガバンク機構から分譲されました。分譲データは、ゲノム医療実現バイオバンク利活用プログラム(B-Cure) 基盤事業としてサポートされました。

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分子の「混ざり方」と「過去の状態」が振る舞いを左右

🤖 AI Summary

本研究は、生命の起源と進化に関する理解を深める重要な成果です。以下に主な特徴と意味合いをまとめます:

### 主な内容

1. **実験モデルの構築**:
- 自己複製RNAと寄生型RNAを使用した微小液滴(油中水滴)からなる実験モデルを作成。
- 液滴間の混合度を制御して、異なる混合状態での分子系の挙動を解析。

2. **理論模型の構築**:
- 自己複製分子と寄生型分子の増減や時間変化を記述する従来の理論モデルを拡張。
- 区画間の混合度を連続的なパラメータとして導入し、完全に混ざらない状態から均一な状態までの一貫した解析を行う。

3. **結果の解釈**:
- 混合が弱い場合、寄生型RNAが優勢になりやすい。
- 充分な混合がある場合、自己複製RNAと寄生型RNAが空間的に分離され、自己複製RNAが維持されやすくなる。
- 区画がよく希釈される条件では、自己複製RNAが維持されやすくなる傾向。

4. **長期的な複製実験**:
- 4種類のRNAが周期的に割合を変化させながら共存する振る舞いが観察。
- この共存は液滴間の混合が中程度である条件で理論モデルにより再現。

### 波及効果と社会的意義

1. **生命の起源に関する理解**:
- 分子の混ざり方と過去の状態(構成記憶)が分子系の振る舞いに大きな影響を与えることを示し、生命の初期環境についてより現実的な議論ができる基盤を提供。

2. **人工細胞や合成生物学への応用**:
- 液滴の混ざり方を制御することで挙動が変化するという知見は、進化する人工細胞の設計指針としての活用が期待される。

### 今後の展望

1. **長期的進化の影響**:
- ミックス状態によってRNAの多様性がどのように変化するかの検証が必要。

2. **異なる区画構造での現象の確認**:
- 選択的に異なるタイプの区画構造で同様の現象が見られるかどうかの調査も重要。

### 研究者のコメント

- 生命の起源と進化における重要な問題である自己複製分子の維持と進化を、分子の混ざり方と過去の状態(構成記憶)に着目して理論的に理解できることを示した。

この研究は、生命の初期状況や人工細胞技術の開発など、幅広い分野での応用が期待される重要な成果と言えるでしょう。

分子の「混ざり方」と「過去の状態」が振る舞いを左右
~RNA自己複製系で生命起源に関わる新たな視点を提示~

発表のポイント

  •  生命の起源では、自己複製する分子と寄生的な分子が互いに影響しながら進化したと考えられていますが、それらの振る舞いを左右する要因は十分に明らかになっていませんでした。
  •  自己複製RNAを用いた実験と理論モデルを組み合わせることで、RNAを含む細胞様の区画構造の混ざり方と過去の状態がその振る舞いに大きな影響を与えることを明らかにしました。
  •  生命がどのような環境で成立したのかという理解を深めるとともに、人工細胞などの新しいバイオ技術への応用が期待されます。

早稲田大学理工学術院の桑原涼歌(くわばらりょうか)(研究当時:学部4年)、水内良(みずうちりょう)准教授とパリ市立工業物理化学高等専門大学のBarnabe Ledoux、David Lacoste博士らの国際共同研究グループは、単純な自己複製する分子の振る舞いに液滴のような細胞様の区画構造が与える影響を、実験と理論の両面から明らかにしました。生命の起源において自己複製分子が持続的に進化していくためには、それらが微小な区画に封入されることが重要であると考えられてきましたが、区画同士の混ざり方が分子の複製に与える影響は十分に明らかではありませんでした。

本研究では、自己複製RNA分子 ※1 とそれに依存して増殖する寄生型RNA分子 ※2 からなる実験モデルと、RNAの増殖と区画同士の混ざり方を記述する理論モデルを組み合わせ、この混ざり方と、過去の状態が部分的に引き継がれる性質 (構成記憶) が、分子系の振る舞いに重要な影響を与えることを示しました。

本成果は、2026年4月15日(水)に米国科学アカデミーが発行する『Proceedings of the National Academy of Science of the United States of America (PNAS)』で公開されました。

図1 混ざり方によって自己複製RNAの振る舞いが変わる

これまでの研究で分かっていたこと

生命の起源では、RNAのような自己複製する情報分子があり、進化によって複雑化していったと想像されています。しかし、進化の過程では機能を失った寄生型RNA分子が出現し、情報が維持できなくなることが問題となります。このような状況を緩和する仕組みとして、分子を細胞のような小さな空間に分ける「区画化」が重要であると考えられてきました。区画化によって分子同士の相互作用が局所的に制限され、寄生型分子の影響が抑えられると考えられています。

一方で、従来の理論では、区画の内容が完全に混ざると仮定した単純化がしばしば用いられてきましたが、部分的な混合が起こる状況や、過去の分子組成がどの程度引き継がれるかという点が分子系に与える影響は十分に理解されていませんでした。

新たに実現しようとしたこと、明らかになったこと

本研究では、自己複製分子と寄生型分子の増減や時間変化を記述する従来の理論モデルを拡張し、分子同士を分けた区画が完全に混ざらない状態を扱う新たな枠組みを構築しました。特に、区画同士の混ざり方を連続的なパラメータとして導入することで、完全に混ざらない状態から均一に近い状態までの分子の振る舞いを一貫して記述できるようにしました。また、それぞれの区画の混ざり方に応じて過去の分子組成を部分的に保持する性質に着目し、この効果を「構成記憶」として捉え、理論に取り入れました。さらに、複数種類の自己複製分子と寄生型分子を同時に扱えるようにすることで、より現実に近い分子系の振る舞いを解析可能にしました。

次に、自己複製RNAと寄生型RNAを用いて、油中に分散した微小液滴(油中水滴)からなる実験モデルを構築しました。この系では、それぞれの液滴が独立した区画として振る舞い、内部でRNAの複製が進行します。液滴間の混合の程度を制御して実験を行ったところ、混合が弱い場合には液滴ごとの分子組成のばらつきが強く残り、その結果として寄生型RNAが優勢になりやすい一方で、十分な混合がある場合には自己複製RNAと寄生型RNAが空間的に分離され、自己複製RNAが維持されやすくなることがわかりました。また、区画がよく希釈される条件では、自己複製RNAが維持されやすくなる傾向も確認されました。さらに、蛍光分子を用いた解析により、液滴間で実際にどの程度分子が混ざっているかを定量的に評価し、理論で導入した混合パラメータと対応づけることに成功しました。これらの結果は、構築した理論モデルとよく一致していました。

加えて、複数の自己複製RNAと寄生型RNAを組み合わせた長期的な複製実験を行ったところ、4種類のRNAが周期的に割合を変化させながら共存する振る舞いが観察されました (図2)。このような共存が起こることは過去の研究から予想されていましたが、その仕組みは明らかではありませんでした。本研究では、この振る舞いが液滴間の混合が中程度である条件において、理論モデルにより再現されました。この結果は、分子の共存に区画同士の混ざり方が影響していることを示唆しています。

図2 4種類のRNAの長期的な複製実験

以上の結果は、分子の振る舞いが単に区画化されているかどうかだけでなく、区画同士がどの程度混ざるか、そして過去の分子組成がどの程度引き継がれるかによって決まることを示しています。

研究の波及効果や社会的影響

本研究は、生命がどのような環境で成立し得たのかという根本的な問いに対して、分子の振る舞いに影響を与える具体的な要因を示した点で、生命の起源に関する理解を前進させるものです。これにより、生命の成立に適した初期の地球環境について、より現実的に議論できる基盤が整います。

また、液滴に分子を封入し、その混ざり方を制御することで挙動が変化するという知見は、人工細胞や合成生物学の分野への応用が期待されます。例えば、進化する人工細胞の設計指針としての活用が考えられます。

課題、今後の展望

本研究では、区画の混ざり方がRNA自己複製系の振る舞いに与える影響を明らかにしましたが、長期的な進化に与える影響については今後の課題です。例えば、混ざり方の違いによって進化するRNAの多様性がどのように変化するかについては、今後の検証が必要です。また、これまでに様々な原始細胞の構造が提唱されていますが、異なるタイプの区画構造においても同様の現象が見られるかどうかを調べることも重要な課題です。

研究者のコメント

生命の起源では、自己複製する分子がどのような条件で維持され、進化へとつながる振る舞いを示すのかが重要な問題です。本研究では、分子の混ざり方と過去の状態 (構成記憶) に着目することで、その振る舞いを理論的に理解できることを示しました。この結果は、初期生命が存在した環境を考える上で重要な手がかりになると考えています。

用語解説

※1 自己複製するRNA
RNA はリボ核酸(Ribonucleic acid)のことであり、遺伝情報を記録可能な分子である。本研究で用いたRNAは、自身を複製するウイルス由来の酵素(複製酵素)の遺伝子をコードしている。これを無細胞翻訳系と呼ばれる、タンパク質や小分子からなる反応液と混ぜることで、遺伝子が読み出されて複製酵素が生産され、その結果RNAが複製される。

※2 寄生型のRNA
RNAは複製の過程で変異が生じ、情報が書き換わったり失われたりすることがある。本研究で用いた寄生型のRNAは、複製酵素の遺伝子の一部領域を欠損している。そのため、自ら複製酵素をつくることができず、周囲の自己複製RNAが生産する複製酵素に依存して複製する。

論文情報

雑誌名:Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America
論文名:Compositional memory matters for early molecular systems
執筆者名(所属機関名):Barnabe Ledoux* (パリ市立工業物理化学高等専門大学)、桑原涼歌 (早稲田大学)、市橋伯一 (東京大学)、水内良* (早稲田大学)、David Lacoste (パリ市立工業物理化学高等専門大学)
掲載日時:2026年4月15日
掲載URL:https://doi.org/10.1073/pnas.2537522123
DOI:10.1073/pnas.2537522123
*:責任著者

キーワード

生命の起源、RNA、自己複製、進化、液滴、構成記憶、人工細胞

研究助成

研究費名:日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究 (萌芽)
課題番号:25K22442
研究課題名:原始細胞モデルにおける自己複製分子システムの進化
研究代表者名(所属機関名):水内 良(早稲田大学)

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Gap theorems and achirality for automorphisms of K3 surfaces and Enriques surfaces (2026/5/22)

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### タイトル:K3表面とエルネキ表面の自己同型のギャップ定理と非対称性

#### 主要な内容:
- **日時**:2026年5月22日(金)16:30-18:10
- **場所**:早稲田大学 西早稲田キャンパス 51号館 18-08室
- **講師**:高田佑太 (東京大学大学院数理科学研究科 特任研究員)
- **対象者**:一般
- **参加方法**:無料で直接会場にご来場ください。
- **主催者**:基幹理工学部 数学応用数理専攻
- **問い合わせ先**:
- 早稲田大学 理工センター 総務課
- TEL: 03-5286-3000
- URL: [ウェブサイト](https://sites.google.com/view/waseda-ag-seminar)

### 講演概要:
このセミナーでは、K3表面とエルネキ表面の自己同型についてのギャップ定理と非対称性について説明します。これらの数学的トピックは複素幾何学の重要な分野であり、特に自己同型関数の特性を理解する上で重要です。

### 関連記事:
- 2026年度理工オープンキャンパス (8月1日・2日開催)
- 探求、偶然、論理性—有機合成における基礎 (5月13日に開催予定)
- 感覚の基础と人間の運動学習 (4月20日に開催予定)

演題:Gap theorems and achirality for automorphisms of K3 surfaces and Enriques surfaces

日時:2026年5月22日(金) 16:30-18:10

会場:早稲田大学 西早稲田キャンパス 51号館 18-08室

講師:高田 佑太  (東京大学大学院数理科学研究科 特任研究員)

対象:一般

参加方法:入場無料、直接会場へお越しください。

主催:基幹理工学部 数学応用数理専攻

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

URL: https://sites.google.com/view/waseda-ag-seminar

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極超音速実験機のマッハ5燃焼実験に成功

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極超音速実験機のマッハ5燃焼実験に成功

学校法人早稲田大学(理事長:田中愛治)は、JAXAや東京大学、慶應義塾大学との共同研究で、国内初のマッハ5(時速約5,400km)燃焼実験を成功させました。この実験は、極超音速飛行において機体とエンジンの統合制御技術を開発するために行われ、太平洋横断時間短縮や高度100km以上に到達する「スペースプレーン」の開発につながる重要なデータを取得しました。

実験では、マッハ5飛行状態を模擬して極超音速風洞を使用し、耐熱構造や推進性能を確認しました。また、将来の極超音速機の実用化に向けた基礎データも集めました。

早稲田大学は、研究代表者である佐藤哲也教授が率いるチームで、極超音速気流を取り込む空気入口の設計と解析にも貢献しました。今回の成功により、極超音速技術の実用化に向けた一歩を踏み出せました。

今後は、観測ロケットを使用したさらに高度な飛行実験が計画されており、将来的には極超音速旅客機や「スペースプレーン」の開発につながる可能性があります。
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この要約では、実験の成功とその意義、そして今後の展開を簡潔にまとめています。必要であれば、さらに詳細な情報を追加することができます。例えば、具体的な結果や研究手法について詳しく説明することも可能です。

極超音速実験機のマッハ5燃焼実験に成功
~時速約5,400 kmで飛行する極超音速機の実現に向けた貴重なデータを取得~

発表のポイント

  • 国内初の極超音速実験機を用いたマッハ5(音速の5倍に相当する時速約5,400km)燃焼実験に成功しました。
  • 極超音速旅客機の実現に必要な主要技術を、マッハ5での飛行環境を模擬した試験で実証し、実用化に向けた貴重なデータの取得に成功しました。

学校法人早稲田大学(所在地:東京都新宿区、理事長:田中愛治)は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下、「JAXA」)、東京大学、慶應義塾大学との共同研究において、JAXA角田宇宙センター(宮城県角田市)のラムジェットエンジン試験設備を用いて、我が国で初めて、極超音速実験機を用いた音速の5倍(時速約5,400km)に相当するマッハ5燃焼実験に成功しました。
本実験により、将来期待される太平洋を2時間で横断できる「極超音速旅客機」や、高度100km程度に到達する「スペースプレーン」の実現に向けた、貴重なデータを取得しました。
※ 早稲田大学の研究代表者は理工学術院 佐藤哲也教授です。

図1. 将来期待される極超音速旅客機の構想図ⒸJAXA


(1)本研究による開発状況および実験内容について

日本が先行して研究開発を進めている極超音速空気吸込みエンジン技術について、本研究では、マッハ5環境下で飛行実証し、機体とエンジンを一体として制御する機体/推進統合制御技術の構築を目指しています。

早稲田大学、東京大学、慶應義塾大学とJAXAとの共同研究チームは、観測ロケット等による飛行実証を見据えた極超音速実験機の設計・製作を行い、音速の5倍(時速約5,400 km)に相当するマッハ5飛行環境を模擬した燃焼実験※1を実施しました。早稲田大学では、本研究の取りまとめと、極超音速気流を吸い込む空気取入口の設計・解析を担当しました。今回製作した実験機の特徴・新規性、実施した実験内容は次の通りです。

極超音速飛行では、機体とエンジンの相互干渉が非常に強いことが大きな特徴です。飛行マッハ数や機体の姿勢によって機体に形成される衝撃波が変化し、エンジンに取り込まれる気流の状態が大きく変わります。また、エンジンの推力は機体の運動に直接影響を与えるため、機体とエンジンは互いに強く結び付いたシステムとして振る舞います。このため、極超音速機では、機体の空力設計、エンジンの燃焼設計を個別に行うのではなく、一体のシステムとして取り扱う「機体/推進統合設計・制御」が必要になります。

本研究では統合的設計を行い、極超音速飛行環境においても安定したエンジン作動と機体制御が可能となる構成として、必要最小規模である全長2mの極超音速実験機を実現しました。その際、マッハ5の飛行状態では空気の圧縮加熱によって機体周囲の空気温度が1,000℃ 程度に達します。このような高温環境に対応するため、耐熱材料と遮熱構造を組み合わせた軽量耐熱構造として設計し、高温環境下でも機体および内部の電子機器が正常に動作できる構造を構築しました。

上述の極超音速実験機を用いた実験にあたっては、JAXA角田宇宙センター(宮城県角田市)のラムジェットエンジン試験設備を使用して、マッハ5の飛行状態を模擬した極超音速風洞での燃焼実験を実施しました。具体的な実験項目及びその様子は以下の通りです。

① 極超音速実験機の燃焼実験(試験設備でマッハ5飛行状態を模擬)ⒸJAXA

② ラムジェットエンジンの燃焼作動ⒸJAXA

③ 実験機の耐熱性能の測定ⒸJAXA

④ 実験機の操舵翼の動作ⒸJAXA

(2)本実験の成果と今後の展開

今回の実験によって、これらの空力、推進、構造の統合設計の妥当性を確認することができました。さらに、耐熱構造の設計解析手法を検証するための機体表面温度分布の計測や、水素燃料を用いるラムジェットエンジンの排気が地球環境に与える影響を調べるための排気温度場の計測等を実施し、将来の極超音速機の実用化に向けた基礎データを取得しました。

本実験結果を踏まえて、極超音速実験機を観測ロケット等に搭載してマッハ5程度の飛行実験の実施を構想しています。極超音速飛行技術が確立されれば、太平洋を2時間で横断できる「極超音速旅客機」や、高度100km程度に到達する「スペースプレーン」の実現につながることが期待されます。

(3)研究助成

研究費名:科学研究費補助金 基盤研究(S)
研究課題名:観測ロケットを用いた極超音速フライトテストベッドの構築と機体推進統合制御の実証
研究代表者名(所属機関名):佐藤哲也(早稲田大学)

(4)用語解説

※1 風洞実験
航空機などの模型を風洞装置内に設置して、模型周囲に実際の飛行状態を模擬した空気流を流すことで、飛行状態で起きる現象を調査するための実験。

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2026年度 社会文化領域コース 進入説明会(6/11オンライン実施・要事前登録)のご案内

🤖 AI Summary

2026年度 社会文化領域コースへの入門説明会が6月11日(木)にオンラインで開催されます。興味のある学生は、事前にウェブサイト上の情報を確認し、必要な手続きを進めてください。

【要点】
- 日期:2026年6月11日(木)
- 地点:オンライン
- 主题:社会文化領域コース進入説明会

興味のある学生は、事前にウェブサイトの情報を確認し、必要な手続きを進めてください。

第2回社会文化領域コース進入説明会を、2026年6月11日 (木)にオンラインで開催します。
関心のある学生は、以下のポスターおよび社会文化領域ウェブサイト上の情報をよく確認し、必要な手続きをとってください。

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【5月15日(金)12:30~13:10開催】文部科学省PEP卓越大学院プログラム 2026年9月・2027年4月進入/編入 募集説明会開催します!

🤖 AI Summary

【5月15日金曜日の説明会】 wasteda大学のPEP卓越大学院プログラムに関する募集説明会が開催されます。これは、電力・エネルギー産業の創出に貢献する人材を育成することを目的とした修士課程と博士後期課程を5年間一貫して学べるプログラムです。

この度、2026年9月や2027年4月への進入または編入募集説明会を開催します。当日は現役PEP生が参加し、質疑応答を行う予定です。参加登録はウェブフォームから簡単に行え、詳細情報は申込み後1日前までにメールでお知らせします。

日時:2026年5月15日(金)12:30~13:10
形式:Zoomオンラインミーティング

対象者は電力系やエネルギーマテリアル系の専攻を希望する大学院学生です。また、特定の学部正規学生も該当します。

説明会では、プログラム概要(研究指導、カリキュラムなど)、募集日程、現役PEP生からの質疑応答を行います。

参加登録は下記リンクから行うことができ、締切は5月14日(木)10:00までです。
https://forms.office.com/r/8f5QMsVbRh

詳細や問い合わせについては以下のウェブサイトをご覧ください:
https://dpt-pep.w.waseda.jp/

PEP卓越大学院プログラム事務局のメールアドレスまたは電話番号は次のとおりです:
Email: [email protected]
TEL:03-5286-3238

文部科学省卓越大学院プログラム『パワー・エネルギー・プロフェッショナル(PEP)育成プログラム』は、
電力・エネルギー新産業創出に寄与する人材を輩出することを目的とした修士・博士後期5年一貫の博士人材育成プログラムです。

この度、本プログラムの2026年9月・2027年4月進入/編入 募集説明会を以下のように開催致します。
当日は、プログラム説明後に現役PEP生2名(電力系・エネルギーマテリアル系)も参加して、
皆さんの質問にお答えします。
お気軽にお申込みください!

<日時>
2026年5月15日(金)12:30~13:10

形式:Zoomオンラインミーティング(途中入退室可)
※申請フォームから参加登録いただいた方にURL等詳細を、前日までにメールでお送り致します

<申請フォーム>
PEPプログラムに少しでも関心のある方はお気軽に、以下URLよりお申込みください。
https://forms.office.com/r/8f5QMsVbRh
申込締切:5月14日(木)10:00まで

<ポスター>
ポスター
<参加対象>
①電力系・エネルギーマテリアル系の専攻分野に関心を持ち、以下大学院専攻への進学を検討している学部正規学生の方
②現在、電力系・エネルギーマテリアル系を専攻分野として以下専攻に在籍している大学院正規学生で、次の何れかに該当する方

  • 修士課程・一貫制博士課程1年生、2年生在学中の方
  • 博士後期課程に入学予定または一貫制博士課程3年次に進級予定の方

<対象専攻>

  • 基幹理工学研究科(機械科学・航空宇宙専攻、電子物理システム学専攻)
  • 創造理工学研究科(地球・環境資源理工学専攻)
  • 先進理工学研究科(応用化学専攻、電気・情報生命専攻、ナノ理工学専攻(注)、先進理工学専攻)
  • 環境・エネルギー研究科(環境・エネルギー専攻)
    (注)・2027年4月以降、ナノ理工学専攻では修士課程の募集を停止します。
    これに伴い、本プログラム受入れ対象は博士後期課程(社会人枠含む)および一貫制度博士課程3年入学予定者となります。
    ・2027年4月時点で同専攻修士課程に在学中の学生は、出願資格を引き続き有します。
    ・「2026年9月」進入枠については、本内容は適用されません。

<内容>

  • プログラム概要説明(研究指導、支援体制、カリキュラム、進路、経済的支援 etc.)
  • 進入/編入募集日程
  • 現役PEP生によるプログラム紹介
  • Q&Aタイム

<ご参考>
PEP卓越大学院プログラムHP https://dpt-pep.w.waseda.jp/
パンフレット https://dpt-pep.w.waseda.jp/about/?id=pamphlet
募集要項出願書類 https://www.waseda.jp/fsci/admissions_gs/guidelines/pep/

<お問合せ>
PEP卓越大学院プログラム事務局(51号館1F理工統合事務所内)
Email:[email protected]   TEL:03-5286-3238

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組織侵襲性細菌が組織を壊す仕組みを解明!

組織侵襲性細菌が組織を壊す仕組みを解明!
~移植再生医療に応用の可能性~

発表のポイント

  • 糖尿病患者への膵島移植※1)などの先進医療を支える基盤技術の一つに、ドナー組織から目的の細胞のみを取り出す酵素製剤があります。細胞の足場であるコラーゲンを消化して組織をバラバラにする目的で、病原細菌由来のコラーゲン分解酵素※2)が使われています。
  • 1990年代に岡山大学の松下治名誉教授らが細菌から同定・命名した二種類の酵素遺伝子を基礎に、2016年に二種類の安全な組換え酵素が我が国の製薬企業から発売されました。しかし、これらの酵素が効率よくコラーゲンを消化する仕組みは未だ不明でした。
  • 今回の研究は、原子レベルで酵素の形と動きを調べ、組織侵襲性細菌3)がコラーゲンを連続して細切れにする仕組みを明らかにしたものです。この発見により組換え酵素の改良設計が可能になり、多様な移植医療、再生医療および治療に応用されると期待されます。

岡山大学の松下治名誉教授と岡山大学学術研究院医歯薬学域の武部克希助教(研究当時。現:北海道大学講師)、大阪大学大学院薬学研究科の河原一樹助教(研究当時。現:大阪公立大学講師)ら、愛媛県立医療技術大学の美間健彦教授、早稲田大学の小出隆規教授ら、米国アーカンソー大学のジョシュア・サコン(Joshua Sakon)教授らの国際共同研究グループは、組織侵襲性細菌がコラーゲン分解酵素によりコラーゲンを連続的に切断する仕組みを解明しました。

この研究成果は4月2日、英国の総合科学誌「Nature Communications」にResearch Articleとして掲載されました。

コラーゲンは、細長い三重らせんという特異な形のタンパク質です。細菌が作るコラーゲン分解酵素は、コラーゲンを取り込み、らせんをほぐして切断、その後らせん軸に沿って少しずつ前進し、コラーゲンを細切れにすると考えられます。この仕組みは、ヒトや動物が持つコラーゲン分解酵素が細長いコラーゲンの途中1カ所だけを特異的に切断する仕組みとは根本的に異なっていました。

本研究成果は、生命の進化と病原細菌による巧妙な感染機構の獲得を考える上で興味深い発見であるとともに、組換え酵素の改良設計を通じて多様な移植再生医療に応用されると期待されます。

 

(1)発表内容

<現状>

コラーゲンは、ヒトや動物の組織を形作る重要なタンパク質です。コラーゲンは3本のポリペプチド鎖※4)(α鎖)の三重らせん構造から成り、構造が極めて安定で、一般的なタンパク質分解酵素では分解されません。組織侵襲性細菌はコラーゲン分解酵素(細菌性コラゲナーゼ)を分泌してコラーゲンを分解し、組織を破壊して感染を急速に拡大します。一方で、この酵素は、その高い組織分解活性を利用して、糖尿病患者へ移植するための膵島細胞の分離や拘縮性疾患※5)の治療に応用されています。しかし、この酵素がどのような仕組みでコラーゲンを分解するのかは不明でした。

<研究成果の内容>

細菌性コラゲナーゼ単体、および酵素とコラーゲン様三重らせん型基質※2)の複合体の形と動きを、クライオ電子顕微鏡※6)を用いて観察し、この酵素がどのようにしてコラーゲンを細切れにするのかを明らかにしました。コラゲナーゼにはドーナツ状の部分があり、まずリングの一部を開閉して細長いらせん型コラーゲンをその内部に取り込みます(図2a, b)。次に、コラーゲン周囲の水分子を取り除いてらせん構造をゆるめ、1本ずつに分かれたα鎖をそれぞれリング内の別の場所に誘導します(図2c)。うち1本のα鎖は、らせん構造からループ状に曲げ出され、引き延ばされて活性中心※7)で切断されます(図1, 2c)。切られた部分が酵素から遊離すると、酵素は残る2本のα鎖を“レール”のように使い、三重らせん部分を探して、らせん軸に沿って前進し、1本のα鎖を切断する反応を繰り返すと考えられます(図2d-f)。

いったん前に進んで切断すると後戻りはできないため、細菌性コラゲナーゼは「らせんに沿って一方向に歩きながら三重らせんをほぐしつつ切断する」を繰り返すラチェット・ウォーキング型のコラーゲン分解を行うと考えられます。この仕組みは、ヒトや動物のコラゲナーゼが長細いコラーゲンの1カ所だけを特異的に切断する一撃離脱型の分解とは根本的に異なっていると思われます。

図1.細菌性コラゲナーゼは三重らせん型コラーゲンをほぐしてα鎖(赤)を引き出す。

図2.細菌性コラゲナーゼはコラーゲンの三重らせん部分を求めて前進と切断を繰り返す。

<社会的な意義>

生命の進化と病原細菌の成り立ちを考える上で興味深い発見であるとともに、この発見に基づく酵素の改良設計を行なうことで、幹細胞の分離、細胞シートの作製、再生軟骨の表面処理、人工組織の成形など、移植再生医療の分野で幅広く応用されると期待されます。

(2)論文情報

論 文 名:Bacterial collagenase harnesses collagen geometry for processive cleavage.
掲 載 誌:Nature Communications
著   者:Hiroya Oki, Katsuki Takebe, Adjoa Bonsu, Kazunori Fujii, Ryo Masuda, Nicholas Henderson, Takehiko Mima, Takaki Koide, Mahmoud Moradi, Osamu Matsushita*, Joshua Sakon*, Kazuki Kawahara*
D  O  I:https://doi.org/10.1038/s41467-026-71099-3 受理2026.3.13、掲載2026.4.2

(3)研究資金

本研究は、独立行政法人日本学術振興会(JSPS)「科学研究費助成事業」(若手・JP23K14519研究代表 沖 大也; 基盤C・JP23K06545研究代表 松下 治; 基盤C・JP24K10218研究代表 河原 一樹)、日本医療研究開発機構(AMED)「生命科学・創薬研究支援基盤事業(BINDS)」(JP22ama121003)、乳酸菌研究会助成金(2023, 2024研究代表 松下 治)、National Science Foundation (grant 2218054, 研究代表 Joshua Sakon)の支援を受けて実施しました。また、論文掲載に当たり、the University of Arkansas Libraries Open Access Publishing Fundの支援をいただきました。

(4)補足・用語説明

1)「膵島移植」ドナーの膵臓からインスリン分泌細胞(膵島)を分離し糖尿病患者に移植する治療法。

2)「酵素と基質」酵素は生体内で反応を促進するタンパク質(触媒)。基質はその作用を受けて分解・合成される物質。本研究では、酵素の細菌性コラゲナーゼが基質のコラーゲン分子を分解する。

3)「組織侵襲性細菌」ガス壊疽菌群、ビブリオ属菌などの病原細菌。

4)「ポリペプチド鎖」タンパク質の基本構造。多数のアミノ酸がペプチド結合(-CO-NH-)で直鎖状に連なっている。コラーゲン分子を構成する3本のポリペプチド鎖は、それぞれα鎖と呼ばれる。

5)「拘縮性疾患」ここでは、腱や腱膜などの線維組織にコラーゲンが異常に増えてしこりになり、本来の動きが制限される病気。デュピュイトラン拘縮、ペロニー病など。

6)「クライオ電子顕微鏡」生物試料を急速凍結し、生のまま電子顕微鏡で撮影する技術。タンパク質などの立体構造を、自然に近い状態で原子レベルの分解能で解析できる。

7)「活性中心」酵素の表面で実際に化学反応が起こる場所。

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【PEP卓越大学院プログラム】2026年7-8月実施(2026年9月・2027年4月)進入/編入選抜試験(SE)情報を更新しました

🤖 AI Summary

【PEP卓越大学院プログラム】2026年9月と2027年4月に進入/編入の選抜試験(SE)に関する最新情報が更新されました。詳細は、 Waseda大学理工学術院の大学院入試ページ内のPEP SE情報ページをご確認ください。

[リンク:https://www.waseda.jp/fsci/admissions_gs/guidelines/pep/]

この記事には、関連記事もいくつか掲載されていましたが、主な内容は上述のように簡略化されています。

卓越大学院プログラム
「パワー・エネルギー・プロフェッショナル(PEP)育成プログラム」
2026年7-8月実施(2026年9月・2027年4月)進入/編入選抜試験(SE)に関する情報を更新致しました。

詳細は、理工学術院HP大学院入試ページの中のPEP SE情報ページ(募集要項・出願書類)をご参照ください。

https://www.waseda.jp/fsci/admissions_gs/guidelines/pep/

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自然界には存在しない構造を持つ2次元酸化鉄の作製に成功

自然界には存在しない構造を持つ2次元酸化鉄の作製に成功
~グラフェン/SiC界面が生み出す新物質~

発表のポイント

  •  自然界には安定に存在しない構造を持つ2次元酸化鉄の作製に成功しました。
  •  2次元物質のグラフェンと3次元物質のSiCの界面に鉄と酸素を導入する新たな手法により、この2次元酸化鉄作製を実現しました。
  •  スピントロニクスデバイスなどへの応用が期待され、さらに他の2次元遷移金属酸化物に展開することによって新たな量子物性の開拓につながる可能性があります。

早稲田大学の乗松航(のりまつ わたる)教授、物質・材料研究機構(NIMS)の榊原涼太郎(さかきばら りょうたろう)博士(研究当時名古屋大学所属)、日本原子力研究開発機構の寺澤知潮(てらさわ ともお)研究副主幹、東京大学の河内泰三(かわうち たいぞう)技術専門職員、福谷克之(ふくたに かつゆき)教授、名古屋大学の伊藤孝寛(いとう たかひろ)准教授の研究グループは、自然界には存在しない構造を持つ2次元酸化鉄の作製に成功しました。

酸化鉄※1は、様々な組成・構造を持つものが存在し、例えば、スピネル構造を持つマグネタイトFe3O4は紀元前から鉄につく磁石として知られており、コランダム型構造を持つヘマタイトFe2O3は主要な鉄鉱石でありヘモグロビンと同様の由来を持つ名前が示すように赤い顔料として用いられています。

当グループは、2次元物質※2であるグラフェンと、3次元物質である炭化ケイ素(SiC)基板の界面※3に、2次元的な構造を持つ酸化鉄を作製する方法を発見しました。さらに、形成された2次元酸化鉄を原子レベルで構造解析した結果から、この界面物質は自然界には存在しない構造を持つ酸化鉄であることを明らかにしました。本研究成果は、界面を利用することで従来の化学平衡では実現できなかった新しい構造を作り出す手法を示した点で重要です。

本成果は、2026年3月14日付けで、Wiley社が発行する学術誌『Small Methods』誌に掲載されました。

これまでの研究で分かっていたこと

遷移金属酸化物は、絶縁体から金属、超伝導体まで多彩な電子物性を示す材料として知られています。その中で本研究では、地球上に最も豊富に存在する遷移金属元素である鉄(Fe)とその酸化物に注目しました。鉄は、3d軌道の電子によるスピン分極のために強磁性体(磁石)として知られています。同様に酸化鉄でも、スピネル構造を持つマグネタイトFe3O4は古くから磁石として用いられてきました。酸化鉄はマグネタイト以外にも、塩化ナトリウム型構造を持つウスタイトFeOやコランダム型構造を持つヘマタイトFe2O3など様々な構造を持ち、構造によって物性が大きく異なることが知られています。そのため、新しい構造を持った酸化鉄材料の探索は、基礎・応用の両側面で意義深いと言えます。

ここで、グラフェンや遷移金属ダイカルコゲナイドなどの2次元物質は、構造の2次元性に起因して、3次元物質にはない物性や機能について、非常に活発に研究されています。その中でも、2次元物質グラフェンと3次元物質である基板の界面は、特異な現象の生じる場として注目されています。例えば、グラフェン/SiCヘテロ構造を作製し、水素雰囲気ガス中で加熱すると、水素がグラフェンとSiCの界面に侵入するインターカレーション※4と呼ばれる現象が生じます。このインターカレーション現象を、水素以外の元素やその化合物へと拡張することで、グラフェンとSiCの界面において、例えば2次元の窒化ガリウム(GaN)や2次元の酸化インジウム(InO)といった2次元半導体を作製できることが報告されてきました。このような背景の中で、インターカレーションによる2次元の酸化鉄の作製にも大きな期待が寄せられてきました。しかしながら、鉄は炭素やケイ素との反応性が非常に高く、先行研究と同様のアプローチでは鉄の炭化物やケイ化物が優先的に形成されてしまうため、2次元酸化鉄の形成はこれまで実現されていませんでした。

新たに実現しようとしたこと、明らかになったこと

2次元酸化鉄を作製する手法を確立できれば、これまでにない物性や機能を持った材料の実現が期待されます。そこで本研究では、グラフェン/SiC界面を、新たな2次元物質を形成するための結晶成長場とみなし、インターカレーション現象を利用することで2次元酸化鉄の作製を目指しました。実験と解析の結果、グラフェンの2次元性とSiCの結晶構造を反映して、自然界には存在しない構造を持つ2次元酸化鉄が形成することを見出しました。また、得られた2次元酸化鉄は室温では常磁性を示す一方で、低温(100 K)では反強磁性秩序を持つことが示唆されました。

様々な物質をグラフェン/SiC界面にインターカレーションする際、まずグラフェンとほとんど同じ構造を持つバッファー層と呼ばれる炭素原子層をSiC上に形成します。従来では、このバッファー層上に真空中で元素を堆積させ、そのまま加熱するというアプローチがとられてきました。これは、加熱中に酸素が存在すると、グラフェン/SiC界面に酸素が優先的にインターカレーションしたり、グラフェン中の炭素と反応してCO2として分解されるためグラフェンがなくなってしまうためです。しかしながら、この手法を鉄に適用した場合、鉄が炭素やケイ素と優先的に反応して、グラファイトやケイ化物が不均一に形成されてしまいます(図1)。

そのため、鉄やその化合物に関するインターカレーションの報告はこれまでほとんどありませんでした。それに対して本研究では、バッファー層上に真空中で鉄を蒸着したあと、試料をあえて一旦大気中に曝露したのち、再び真空中に導入して加熱処理を行うことで、酸化鉄のインターカレーションが起こり、グラフェンとSiCの界面に2次元酸化鉄が形成することを見出しました(図1)。

図1 インターカレーションによる2次元酸化鉄の作製方法

 

これらの、従来法と新手法で得られた試料断面の原子分解能電子顕微鏡像を図2に示します。従来法では、鉄がSiCと反応することにより多層グラフェンとケイ化鉄(Fe silicide)が不均一に形成されました。一方、新手法で作製した試料の高角環状暗視野走査透過型電子顕微鏡(HAADF-STEM)像では、グラフェンとSiCの界面に、矢印で示すような一様な輝点の周期配列が見られました。HAADF-STEM像では、原子番号の大きい元素ほど明るく観察されます。この界面の輝点領域において電子エネルギー損失分光による元素分析を行った結果、そこには鉄と酸素が含まれていることから、グラフェンとSiCの界面に酸化鉄の2次元結晶が形成されたことがわかりました。

図2 従来法と新手法での高分解能透過型電子顕微鏡(HRTEM)像と高角環状暗視野走査透過型電子顕微鏡(HAADF-STEM)像

 

形成された2次元酸化鉄がどのような原子配列を持っているのかを明らかにするために、第一原理計算によって最適化されたいくつかの構造モデルに基づいてHAADF-STEMシミュレーション像を計算し、図3に示すように実験結果と対応させました。その結果、SiCの直上では、FeとOがSiCと同じ四面体構造を持っていること、グラフェンの直下では、塩化ナトリウム型の八面体構造を持っているものとして矛盾なく説明できることがわかりました。このような構造を持つ酸化鉄は、我々の知る限り報告されておらず、グラフェン/SiC界面に形成された2次元酸化鉄は、自然界には存在しない構造を持つことが明らかとなりました。2次元酸化鉄がこのような特異な構造をとる理由は、SiC直上では鉄と酸素がSiCと同じ四面体構造の配列を取る一方で、その上側では塩化ナトリウム型構造のウスタイト構造へと緩和することによると考えられます。

このような構造を持つ2次元酸化鉄についてメスバウアー分光測定※5を行った結果、室温では常磁性を示すのに対して、低温(100 K)では反強磁性秩序を持つことを示唆する結果が得られました。

図3 2次元酸化鉄の構造解析の結果

 

研究の波及効果や社会的影響

本研究により、2次元物質であるグラフェンと3次元物質であるSiCとの界面において、自然界には存在しない構造を持つ2次元酸化鉄を作製できることが明らかになり、また、メスバウアー分光測定により、この2次元酸化鉄は冷却に伴って常磁性から反強磁性への磁気相転移を示すことが示唆されました。これらの結果は、スピントロニクスや低次元磁性などへの応用が期待されます。

酸化鉄を含む遷移金属酸化物には、高温超伝導を示す銅酸化物や、強相関電子系のマンガン酸化物などがあり、機能の宝庫と呼ばれています。本研究の方法論によって、これらの様々な遷移金属酸化物をグラフェン/SiC界面で2次元化できれば、より高温での超伝導や巨大磁気抵抗効果といった興味深い特性の発現が期待されるため、基礎研究と応用技術の両側面で様々な波及効果が期待できます。

課題、今後の展望

物質の性質や機能は、原則としてその原子配列、すなわち構造によって決まります。これまでに存在しない構造を持つ物質が得られれば、これまでにない物性や機能が現れることが容易に想像されます。よって、本研究で得られた特異な構造を持つ2次元酸化鉄特有の新規物性の実証と、その応用技術の開拓が今後の課題です。

研究者のコメント

世の中に存在する多くの物質の構造や物性は、これまでの人類のたゆまぬ研究によってほとんど理解されてきたと言っても過言ではありません。そんな現代において、異種物質同士の界面で生じる新物質や新機能の開拓は、今後ますます発展していくと考えています。2次元グラフェンと3次元SiCの界面で、これまで人類が見たことのない構造を持つ2次元酸化鉄が形成されたことはその成果の1つです。今後も、界面をキーワードにさらに多くの新物質・新機能の実現へとつなげていきます。

用語解説

※1 酸化鉄
鉄と酸素の化合物であり、組成・構造によって異なる物性を持つ。例えば、スピネル構造のマグネタイトFe3O4は磁石として、コランダム型構造を持つヘマタイトFe2O3は赤色顔料として用いられてきた。これまでに多様な酸化鉄の結晶構造が報告されており、構造によって物性も大きく異なることから、新しい構造を持った酸化鉄材料の探索は基礎・応用の両側面で意義深い。

※2 2次元物質
炭素原子1層のみで構成されるグラフェンや、ホウ素と窒素が同一平面内に配列した六方晶窒化ホウ素、遷移金属の原子層がカルコゲンの原子層に挟まれた構造を持つ遷移金属ダイカルコゲナイドなどに代表される物質群の総称。上下方向に共有結合をもたない2次元的な構造を持つことにより3次元の物質とは異なる物性や機能が見られ、近年大きな注目を集めている。

※3 界面
異なる物質同士が接している境界。一般に界面では、通常の物質とは異なる原子配列が現れることが多い。特に2次元物質と3次元物質の界面は、異種物質の導入や構造制御の可能な2次元空間とみなすことができ、新物質を作製する良質な結晶成長場となる。また界面では、互いに接する物質の対称性が自発的に破れることから、新規物性発現の場としても期待される。

※4 インターカレーション
SiC単結晶基板を加熱すると、表面に大面積の単一方位グラフェンが形成する。このグラフェン/SiC界面には様々な元素を挿入することができ、このような層状物質の界面への原子挿入は一般にインターカレーションと呼ばれる。グラフェンとSiCの界面において、水素、リチウム、銅、ゲルマニウムといった様々な元素のインターカレーションが報告されている。さらに単体だけではなく、窒化ガリウムなどの化合物のインターカレーションも報告されている。酸化物としては酸化インジウムのインターカレーションの報告はあるものの、酸化鉄のような遷移金属酸化物のインターカレーションの報告はこれまでなかった。

※5 メスバウアー分光測定
固体試料中の57Fe原子核が反跳なしにガンマ線を吸収する「メスバウアー効果」を利用し、原子核周辺の電子状態や磁気的状態を精密に測定する手法。

論文情報

雑誌名:Small Methods
論文名:2D Iron Oxide at the Graphene/SiC(0001) Interface
執筆者名(所属機関名):Ryotaro Sakakibara (NIMS), Tomo-o Terasawa (日本原子力研究開発機構)、Taizo Kawauchi (東京大学), Katsuyuki Fukutani (東京大学)、Takahiro Ito (名古屋大学)、Wataru Norimatsu (早稲田大学)
掲載日時:2026年3月14日
掲載URL:https://doi.org/10.1002/smtd.202501889
DOI:doi.org/10.1002/smtd.202501889

キーワード

2次元酸化鉄、界面、グラフェン、SiC

研究助成

研究費名:日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
課題番号: 22KJ1535
研究課題名:インターカレーション法を利用したグラフェン/SiC界面での二次元超伝導体の作製
研究代表者名(所属機関名):榊原涼太郎(名古屋大学:助成当時)

研究費名:日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究
課題番号:25K17917
研究課題名:二次元半導体における原子欠陥の理解と制御
研究代表者名(所属機関名):榊原涼太郎(NIMS)

研究課題名:日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究
課題番号:21K14500
研究課題名:グラフェンにおける水素イオン透過の低速水素イオン照射を用いた機構解明
研究代表者名(所属機関名):寺澤知潮(日本原子力研究開発機構)

研究費名:早稲田大学 各務記念材料技術研究所 環境整合材料基盤技術共同研究拠点共同研究プロジェクト
研究課題名:低環境負荷ナノカーボン材料の作製と評価
研究代表者名(所属機関名):乗松航(名古屋大学:助成当時)

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