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高西・石井研究室発「自動歯磨き」技術が2026年度日本ロボット学会『実用化技術賞』を受賞  

 日本国内を代表するロボット関連学会の一つである一般社団法人 日本ロボット学会が、2026年9月1日(火)~4日(金)に開催した「第44回日本ロボット学会学術講演会」において、創造理工学部の高西淳夫教授、石井裕之教授ならびに、両研究室発の技術をロボット歯ブラシ「g.eN(ジェン)」として社会実装した株式会社Genics(代表取締役:栄田 源)が、日本ロボット学会「実用化技術賞」(以下「本賞」)を受賞しました。
 本賞は、過去数年以内に完成したロボット学に関する技術成果のうち、実用的な応用や製品化に結び付いた優れた技術を表彰されるものです。今回、両研究室で培われたロボット技術をもとに開発された口腔ケアロボット「g.eN(ジエン)」が、日常の歯磨き動作の自動化を通じて、ロボット技術による人々の日常生活の支援を実現するとともに、大学で生まれた研究成果を実用化・製品化へとつなげた点などが評価され、受賞に至りました。
 今年度は応募件数数十件のうち3件が採択されました。本賞は、本学が長年にわたり培ってきたロボット研究の成果が、実際の製品として社会実装された事例の一つとなります。

本賞を受賞した株式会社Genics・栄田源代表取締役(中央)と創造理工学部・石井裕之教授(右端)

2026年度日本ロボット学会「実用化技術賞」受賞内容

受賞技術:口腔ケアロボット「g.eN(ジェン)」による日常歯磨きの自動化に関する技術
受賞者:早稲田大学 理工学術院 高西 淳夫教授
    早稲田大学 理工学術院 石井 裕之教授
    株式会社Genics 栄田源 代表取締役

受賞技術概要

 受賞した口腔ケアロボット「g.eN(ジェン)」による日常歯磨きの自動化に関する技術は、口にくわえることで、利用者自身が歯ブラシを手で動かすことなく歯みがきを行えるよう、口腔内という限られた空間の中で、歯列に沿ってブラシを動かし、歯の表側・裏側を同時にブラッシングする機構を備えた口腔ケアロボットです。
 一般的な電動歯ブラシが「人がブラシを適切な位置に当てて動かす」ことを前提としているのに対し、g.eNでは、ブラシの動作そのものを機械化することで、「人が歯ブラシを操作する」という動作を減らし、人によって異なる歯列や口腔内の形状に対応しながら、安全性を確保した上で、口の中で使用できる小型ロボットです。
 本技術の研究は、早稲田大学 創造理工学部 総合機械工学科 石井裕之・高西淳夫研究室におけるロボット研究から始まり、研究開始から10年以上にわたり、機構設計、ブラシ構造、駆動方法、小型化などの研究開発と試作を重ね、家庭で使用できる製品として実用化を実現しました。また、早稲田大学で始まった研究を論文や試作機で終わらせるのではなく、株式会社Genicsを設立して研究開発を継続し、量産可能な製品として社会実装まで進めた点も、本技術の大きな特徴です。

本技術により実現できる社会的意義

 口腔の健康を維持するためには、日々の継続的な口腔ケアが重要です。一方で、歯みがきは毎日繰り返す必要がある動作であり、小さな子ども、高齢者、身体の動きに制約がある方など、従来の歯ブラシを自分で操作することが難しい人にとって、毎日の口腔ケアそのものが本人や家族、介助者の負担となることがあります。また、特別な事情がなくても、磨き方によって清掃状態に差が生じるという課題もあり、そのため、口腔ケアを「上手にできる人だけが行えるもの」にせず、より簡単に、継続しやすい形にすることには大きな意味があります。
 g.eNは、ロボット技術によって歯ブラシ操作の一部を機械側に担わせることで、上述の課題を解決でき、日常的な口腔ケアのハードルを下げることを実現し、社会的意義の大きい技術として評価されました。

受賞者によるコメント


高西 淳夫教授コメント:1986年に開始された文部省特定研究「咀嚼システムの基礎的研究」に参加し、顎口腔系ヒューマノイドとも言える咀嚼ロボットを開発したことが切っ掛けで、以後40年に渡り様々な医療技術について多くの共同研究を行ってきました。それが健康の基本といえる口腔ケアの分野におけるロボットの実用化技術として表彰されたことに感慨ひとしおです。
略歴:1997年より早稲田大学理工学術院教授。工学博士。元日本ロボット学会会長。早大ヒューマノイド研究所所長、京都ヒューマノイド協会理事長、ワークロイド・ユーザーズ協会会長。RSJ、JSME、Jc-IFToMMおよびIEEEのフェロー。

 


石井裕之教授コメント:学問の活用を教旨とする早稲田大学の一員として,研究成果の社会実装が評価された今回の受賞を大変うれしく思います.本受賞  は,本学の強みであるロボット工学とアントレプレナーシップの融合の成果と考えています.今後も研究開発とアントレプレナーシップ教育を通じて新たな価値を創出し,より豊かな社会の実現に貢献してまいります.
略歴:2002年、早稲田大学機械工学科を卒業、その後、同大学理工学研究科博士課程修了。博士(工学)を取得ののち、2016年、早稲田大学総合機械工学科准教授。現在、同学科教授。2018年より株式会社Genics取締役。

早稲田大学オフィシャルグッズでの「g.eN(ジェン)」の販売について

ロボット歯ブラシ「g.eN(ジェン)」は、早稲田大学オフィシャルグッズ オンラインショップ「WASEDA-SHOP」にて購入いただけます。同ショップでは、早稲田大学オリジナルデザインモデルも限定販売しています。製品の詳細および購入については、以下のページをご覧ください。

●WASEDA-SHOP「ロボット歯ブラシ g.eN」
https://www.waseda-shop.com/pdetail1280/

g.eN 早稲田モデル:ロボット歯ブラシ g.eN の機能はそのままに、マットブラックの本体へ早稲田大学の校章をあしらったスペシャルエディション。

 

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早稲田大学に「ソニーグループ寄附講座 クリエイティブエンタテイメント学」を設置

ソニーグループ寄附講座 クリエイティブエンタテイメント学を設置
開講記念シンポジウムを9月2日に開催

ソニーグループ株式会社と早稲田大学は、エンタテインメント産業の中核を担い、けん引する人材の育成、および表現工学に関する新たな学問領域の創生を目的とする「ソニーグループ寄附講座 クリエイティブエンタテインメント学」を早稲田大学 基幹理工学部 表現工学科内に設置します。2025年10月の講座開講に先立ち、「表現工学とエンタテインメントの未来」と題した記念シンポジウムを9月2日に開催します。

講座には、ソニーグループから、多様な技術領域で高度な専門性と技術的見識を有し、グループ内の技術戦略策定や人材育成を行う「Corporate Distinguished Engineer」をはじめとする、第一線で活躍する社員が講師として参画します。授業では、映像やオーディオ、コンテンツ制作を中心に、新たなテクノロジーがどのように世の中に展開されたかを、メディア論などの関連研究やソニーグループの事例を通じて解説します。また、今後コンテンツ制作において必要な知識となるAIや倫理、インクルージョンなどの講義も行います。受講生は、授業で学んだ知識を踏まえ、未来のコンテンツの姿やあり方を論理的に提案し、プロトタイピングを通じてそのアイデアのさらなる具体化に取り組みます。

国内エンタテインメント産業は近年、市場規模が拡大傾向にあります。海外でも中長期的な成長が見込まれ、日本の基幹産業としてさらなる発展が期待されています。こうした成長を支えるには、進化するテクノロジーや社会の変化をより深く捉え、クリエイターのアイデアを形にして新たなエンタテインメントを持続的に生み出せる、高度な専門性を備えた人材が不可欠です。

本講座では、科学技術と芸術表現の融合に関する体系的なアプローチを特色とする早稲田大学 基幹理工学部 表現工学科が有する、映像・音響・AI・認知科学などの多様な研究領域の知見を、クリエイティブエンタテインメントカンパニーであるソニーグループの事業の最前線の取り組みと融合させることで、エンタテインメント産業に求められる人材の育成を図ります。受講生は、トップ人材との協創を通じ、理論と実践を往還しながら、未来のエンタテインメントを構想し実現するための専門性を養います。

両者は、このほかにもエンタテインメント産業の更なる発展につながる新たな学問領域の創成を目指し、さまざまな取り組みを展開していく予定です。

講座概要

講座開設機関 早稲田大学 基幹理工学部 表現工学科
講座名称 (和)ソニーグループ寄付講座 クリエイティブエンタテインメント学Ⅰ ―概念化―
(英)Endowed Lecture by Sony Group, Study of Sciences and Technologies for Creative Entertainment I -Conceptualization
今年度開設期間 2025年10月~2025年11月 (※ 2028年まで開講予定)
ソニーグループ講師 芦ヶ原 隆之(コンピュータビジョン全般)、小俣 貴宣(認知科学、人間中心設計)、山本 一幸(インタラクション技術)、南野 活樹(音声処理、言語処理、AI 技術)、佐藤 真(プラットフォームシステム)ほか

 

開講記念シンポジウム「表現工学とエンタテイメントの未来」

日時 2025年9月2日(火) 14時00分~17時30分
場所 早稲田大学 国際会議場 井深大記念ホール
主なプログラム ・基調講演(ソニーグループ株式会社 執行役員コーポレートエグゼクティブ 松本義典 他)

・パネルディスカッション「テクノロジーと表現の融合による感動体験」

詳細 https://www.ces.ias.sci.waseda.ac.jp/
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