ノーマルビュー

SpaceXが100基目のラプターエンジンを製造完了。現在、週に数基ずつ製造中

2021年7月29日 13:29
AC0x01 曰く、

超大型ロケットStarshipの開発を続ける米SpaceX社だが、公式Twitterアカウントで100基目となるラプターエンジンの製造が完了したことを記念するツィートを行っている(SpaceXのツィート)。

ラプターエンジンはメタンと液体酸素を燃料とするロケットエンジンで、極めて高い性能ながら安価で再使用も可能という特徴を持つとされる。5月の高高度飛行試験の際に、50~60基目のエンジンが現場に運び込まれたと報じられており、その際に既に150基目まで週数基のペースで生産が始まっているとも伝えられていたが(NASASpaceflight.com)、それを裏付けるような状況である。

ロケットエンジンの生産スピードとしては極めて異例で膨大な量に思えるが、完成版のStarshipは1段目と2段目で1機当たり40基近いラプターを使用するため、確かにこれぐらいのペースで量産しないと足りないのかもしれない。なおイーロンマスクは7月上旬、将来の火星植民を想定すると年産800~1000基が必要だとして工場を増設していく旨のツィートも行っている(イーロンマスクのツィート)。

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JAXA、H3後継ロケットは1段目を再使用する方針で決定

2021年5月14日 07:03
AC0x01 曰く、

次世代のH3ロケットの打ち上げが迫る昨今だが、文部科学省はH3後の次々世代の基幹ロケットについて、1段目を再使用する方向で2030年の打ち上げを目指す方針を明らかにした(読売新聞, 産経新聞)。

この方針は5月12日に開かれた有識者会議で報告されたもの。この計画では、2026年頃に小型機で飛行試験を行い、2030年頃に1号機を打ち上げるとしている。1段目をエンジンの逆噴射で海上の施設などに着陸させ再利用する。1段目には主エンジンなどが搭載されるため、再使用すれば大きくコストが圧縮される見通して、1号機ではH3の半額となる25億円を目指す。また2040年には打ち上げ費用を5億円程度にまで下げたいとしている。来月の会議で承認され、宇宙基本計画に反映される見通し。

読売/産経の記事には詳細まで書かれていないが、この有識者会議とは文科省サイトに記載されている「革新的将来宇宙輸送システム実現に向けたロードマップ検討会(第9回)」だと思われる。こちらには会議資料も公開されているが、その中では2040年頃には地球上の二地点間サブオービタル輸送や宇宙旅行、また月・火星経済圏などで大きな打ち上げ需要が存在すると分析しており、それを見据えた案として以下の3構成が検討されている。

  • システムA: 1段目再使用のロケット
  • システムB: 1段目再使用の2段式スペースプレーン
  • システムC: 1/2段目再使用のロケット

この案は要するに、Aがファルコン9タイプで、Bが昔からJAXAで構想されているスペースプレーン、CがStarshipタイプであろう。資料ではB/C案は技術的成熟度が低く実用化に時間が掛かるとして、A案の実用化を進める意向が示されている。

なお、上記資料では、A案のイメージ図としてJAXAがH-IIロケット以降用いてきた液体水素に変わって、燃料をメタンとする構成も図示されている。液体水素には、燃料タンクが大型化し、また推力不足から固体ロケットブースターの使用が必要になるなど、再使用には向かない要素が多い。JAXAの再使用型ロケットは、果たして燃料も含めてこれまでと全く違う形となるのか、それともH3までの系統に連なるものとなるのか、詳細が気になるところである。

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Starship試験機が初の高高度飛行、打ち上げから再突入までは成功。ただし着陸は失敗

2020年12月11日 08:04
AC0x01 曰く、

米宇宙企業のSpaceXは9日、開発中の超大型宇宙船Starshipの実機サイズ試験機「Starship SN8」の最初の高高度飛行試験を実施した(飛行動画, Space.comの記事)。

8月に高度150mの飛行をしたSN5は、まだノーズコーンが取り付けてられていないなど宇宙船には見えない姿だったが、今回のSN8はエンジンが3基のみであるものの、ノーズコーンも翼も付いた完全な形をしており、まさに銀色の宇宙船といった容貌となっている。

飛行試験では、打ち上げられた宇宙船は高度12kmに到達後、胴体を横にするような姿勢に変更し、翼を使って姿勢を保ったまま再突入を行い、着陸する寸前にエンジンを逆噴射して姿勢を戻す運用が取られた。宇宙船は無事に姿勢を戻して垂直に降下したものの、減速が足りず、着陸成功とまではいかなかった。しかし既に原因も特定されているようで、大きな成果が得られたといってよさそうだ。

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中国がシャトル型の無人宇宙船を打ち上げ、成功と報じられるが厳しい箝口令も

2020年9月8日 13:30
AC0x01 曰く、

新華社通信などが報じたところによると、中国は9月4日に酒泉衛星発射センターより「長征2号F」ロケットで再使用が可能なテスト宇宙船を打ち上げ、6日には軌道上での試験を終えて、無事に帰還したという(人民網日本語版の記事, 毎日新聞の記事, engadgetの記事, Slashdotの記事)。

報道によれば、これは米空軍のX-37Bのようなシャトル型の宇宙船ではないかとされている。中国は2017年に、2020年にもこうしたタイプの宇宙船を打ち上げると発表しており、今回の打ち上げで重要なブレークスルーを達成したと報じられている。

ただし、打ち上げ成功が報じられる一方で、関係者には「打ち上げ時に写真は撮ってはならず、その様子をインターネット上で議論してもいけない」との箝口令が敷かれ、かつSNS上にユーザーによりアップロードされた打ち上げ動画が即座に削除されるなど、情報公開については厳しく制限されているようである。詳細を出せないのは仕方ないにしろ、せめて名前とイメージ図ぐらいは公開してほしい。

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H-IIAロケットがUAEの火星探査機「HOPE」の打ち上げに成功

2020年7月20日 15:00
AC0x01 曰く、

三菱重工業は20日朝、H-IIAロケット42号機でアラブ首長国連邦 (UAE) より受注した火星探査機「HOPE」(アル・アマル)を打ち上げた(NHKの記事, 朝日新聞の記事, Soraeの記事)。

HOPEはアラブ圏の国々としては初の火星探査機。UAEは産業の多角化の一環として2014年に宇宙庁を設立するなど宇宙産業に力を入れており、HOPEも建国50周年となる2021年の火星到着を目指して開発された。火星大気の観測を主な目的としており、火星が現在のような環境に変化したプロセスを探る研究などが期待されているという。H-IIAロケットが海外から受注した衛星を打ち上げるのは、これが4回目となる。

ところで、H-IIAロケットからのHOPE打ち上げというとかつて計画されていた宇宙船の「HOPE」が思い浮かぶし、また火星探査機で希望というと同じ名を持った失敗した「のぞみ」が思い浮かぶので、何とも複雑な気分である。

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