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**寒冷蕁麻疹(Cold Urticaria)とは?**
皮膚が冷やされると免疫系が誤作動し、じんましん・腫れ・痛み、時には倦怠感・発熱・関節痛、さらには致命的なアナフィラキシーショックを引き起こすアレルギーです。
**主な統計・疫学**
- 1792年に初報告。現在は約 1万人に6人(≈0.06 %)が発症すると推定。
- 女性は男性の約2倍、平均発症年齢は20代前半。2歳児でも報告あり。
- 患者の24〜50 %は数年で症状が改善・完全回復する。
**発症のきっかけ**
- 気温の低下だけでなく、泳ぐ・冷たい物体に触れる・氷や冷飲料の摂取など、皮膚や粘膜が冷やされると症状が出る。
- 手術時に麻酔薬で体温が下がるケースは特にリスクが高い。
**タイプ**
1. **原発性寒冷蕁麻疹**(全症例の約95 %)
- 原因不明がほとんど。稀に遺伝的要因。
2. **二次性寒冷蕁麻疹**(約5 %)
- EBV、HIV、C型肝炎ウイルス感染やリンパ腫などと関連。
**病態の概要**
冷刺激で肥満細胞が活性化し、自己アレルゲンが放出。結果、ヒスタミンが分泌され血管が拡張・透過性が上がり、局所的な腫れやかゆみが生じるが、実際には「誤信号」なので本来の防御機能は意味を持たない。
**診断方法**
- 前腕に氷を当て、除去後の皮膚反応を観察する「アイステスト」が標準。約20 %の症例でアナフィラキシーが起こるため、医療従事者が実施すべき。
- 温暖地域では診断漏れが多く、実際の患者数は推定より多い可能性あり。
**治療・対策**
- **抗ヒスタミン薬**が第一選択だが、標準量では効果が不十分なことが多く、最大で4倍の用量が必要になることも。鎮静作用がある薬は服用に注意。
- **副腎皮質ステロイド**は有効だが、長期使用は体重増加・消化不良・気分変動などの副作用がある。
- **オマリズマブ**(抗IgE抗体)は肥満細胞の活性化を抑制し、効果が報告されている。
- **脱感作療法**(低温に徐々に曝露させる)も有望だが、研究は小規模でエビデンスは限定的。
**重要なポイント**
寒冷蕁麻疹は単なる「寒さに弱い」症状ではなく、重篤なアレルギー反応やアナフィラキシーを引き起こす可能性がある。早期の正確な診断と適切な薬物・脱感作治療で、命に関わるリスクを大きく減らすことができるため、医療従事者だけでなく一般の認識も高めることが重要です。
特定の食品や花粉に対してアレルギーを起こす人がいることはよく知られていますが、一部の人々が「寒さ」にアレルギー反応を示すことはあまり知られていません。「寒冷蕁麻疹(じんましん)」とも呼ばれる寒さアレルギーについて、イギリスのランカスター大学で解剖学教授を務めるアダム・テイラー氏が解説しました。
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